かすむ勇者の踊り

9/14.’97

勇者踊りの時の、ガムランオババの目は、厳しく冷たいものであった。

一人で踊らねばならず、 しかも唯一の男性出演者だ。

キンチョウして、振りをキメルのがやっとといった少年がなんとも可哀相だった。

この風景は、幼稚園のお受験 戦争を思い出す。

ママのプレッシャーで、胃が痛くなる子供のようだった。

ああ、どこにでも教育ママはいるものなのだ。

このポジション争いは、親同士壮絶なものに 違いない。

一歩も譲らないガムランオババの 骨肉を削る争いの前に、勇者の踊りもカスんで見える。

しかもこの子の将来は、オカマの踊りか、悪役しか無いのである。

ツイてない人生である。

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おじゃらの『バリ島』絵日記
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絵と文・(C)おじゃら りか
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