■■ 016 ★ 作家が展覧会の留守番をするということ ■■

2007.6.17

イロイロな画廊を訪ねて歩いているとね、作家さんが待って下さっている画廊さんっていうのもありますよね。

見る側にしてみると、作家さんとお話できるというのは、何よりもうれしいです。

単純なる、作品への付加価値ってことかなあ。

嫌まあ、買うとか、買わないっていうのとは全く違います。

ホントです。

作品を買うというのはね、ヨッポドのことなんです。

ですからね、まあ、そういうのとは関係なく、見る側としては、嬉しさ5倍ってところっすかね。

概ね無料ですからね。

書籍なんかの場合、公開サイン会などと称して、本買わせたりしてますよね。

あれはあれで、スゴイよなあ。笑。

絵の場合、最初からサイン入ってるからなあ。

あれですよね、作家の立場とすれば、どうですかね。

面倒極まりないですけどね。

この絵の、ここを描きなおせとか言われたことありますけどね。

ええ。描き直しませんけどね、。

でもまあ、見て下さって、何がしかの感想を述べてくださるというのは、私の事を応援してくださるからに他なりません。

ですからね、先方も悪気はないでしょうしね、適度に受け答えるというのが正しいアプローチだと思います。

物すごい、嫌な顔する作家さんにも何人にも会いましたけどね、

そういうときには、話は早々に切り上げて、他の人の絵を見ることにしています。話しても時間のムダですからね。

作家なのですからね、自分の作品をもっと良くしてゆくというのが、根幹の部分であり、概ね、他人の助言というのは、「その人や、その作品が良くなるように」という理由から、述べられるということが多いと思います。

もし、人の意見を受け入れられないというのは、作家の慢心です。

私も、助言を与えられて、描き直さないというのは、慢心ってことなんっすかね?

嫌まあ、それは、結局は、作家が決めることですけどね、別に、嫌な顔もしないで、聞くことにしてますよね。お客様の話を聞くのと、絵をその通りに書き直すかどうかというのとは、全く違う話です。

もし、聞く耳が無いのであれば、作家はお客様と会うべきではないのです。

イロイロなタイプの作品が世の中には存在します。

見る側が、物すごい素人ってこともあるし、自称アート好きなんだけど、ちゃんと理解できてない人だって多いんです。

ですからね、まあ、こちらの勉強度合いとね、自分の作品の完成度を勘案しながら、作品のご感想を頂くっていうのが正しいと思います。

別に、その人の言う通りにしろと言っているんじゃありません。

その人が、アナタに、「何故そんなことを言うのか?」

という所を考えてみろという話です。

そりゃね、「ここをもう少しこうすればいい」なんて話、誰からも言われたくないですけどね、

嫌まあ、必要のない人には言わないワケだし、言っても絵はよくならないと思えば、やっぱり、そんな話はしないで帰りますからね、何か、言いたいような、魅力のある作品だったってことなんじゃないっすかね?

創作というのは、いつも、新しい世界にチャレンジすることだと私は思っています。見るときは、そこを見ています。

私は、イロイロなジャンルに手を出しすぎるという意見を言われることもありますけど、まあ、仕事として請け負ったりして、やむなく、てぬぐい作りをすることになったとかね、イラストの方が儲かるので、こちらも、やむをえず、続けているとかね。

不可避な創作も、生きていると出来てしまいます。

立体に入るのは、当然の話であり、現代アートを作るのは、今の時代必然です。

それは、創作者であれば、避けては通れない道であり、総合的な理解が進んだときに、新しい平面作品というのが、作れるようになってくると、私は信じています。

現代アートの理解が進むと、鑑賞のレベルが一気に向上します。

そうすると、活け花の展覧会が、いかに、現代アート的表現を取っているのかということも、拝見すると解るようになってくるのです。

そういう、新しい意欲に満ちた展覧会を拝見することこそ、私の楽しみなのです。

ああ、そういえば、「いい絵ですねぇ」などという感想は、

最低の褒め言葉ですよね。他に、褒めようがなかったときに使います。

少なくとも、「面白い作品ですね」

ぐらいの感想を言っていただける作品にならないとね。

もしくは、「こんな不思議な作品、見たことがありません。」

とかね、「何がいいんだか、よく解りません」

ここまでくると、スゲーって感じっすかね。笑。

話が混乱してしまいましたけどね、作家さんはね、留守番せよと言ってるんですよ。

沢山の人が、自分の絵の、何を見て下さっているのか、それをよーく見てみましょう。

必ず、一番いい絵を選んで買ってくださいます。

世の中、それぐらい、絵の事が解る人ばかりなのだと、私は希望を感じるのです。

それもこれも、私の展覧会は、私が不在だったことはありませんからね。

真剣に、展覧会を開いているのです。

ですからね、選ばれた作品と、売れ残った作品の違いを肌で感じてね、飾りたいという方に、選ばれる絵を作らなければ、画家にはなれないんだと強く思います。

それはね、どのようにして、お客様が絵を選ぶのかを見てこそつちかわれてゆくものだと思います。

作家さんがやるべきことは、やっぱ、アイソ笑いの一つもできる技術を身につけておくってことかなあ。

アタマを下げて、「貴重なお話、ありがとうございました」

ぐらいの言葉が自然に出てくると、きっと、その人も、応援してくれると思います。

マジメで、一生懸命だというところが伝わらないとね。

作家さんの仕事って、いい作品を作ることに尽きますからね。

ええ、作品が良ければ、別に、留守番する必要もないんですよね。

勝手に売れちゃいますからね。

作品が、これからの人は、留守番したほうがいいと思うんです。

だからね、ウチの画廊は、出展者に、自分で留守番してもらうという方法を取っているんです。

来た方は、作家さんに会いに、足を運んでくれるわけですからね。

ホントです。

小さなドローイングや、ポストカード、100円ショップの額に入れた、安価な作品もいくつか作っておくとね、心を動かす人は多いと思います。

貸画廊で展覧会を開くというのは、駆け出しの作家さんが、世に出るための登竜門なんです。

足を運んで下さった方に頑張りを見ていただくための時間になりますよう、準備をして下さい。


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