■■ 008 ★ 展示の目玉作品と、販売用を分けて準備 ■■

2007.5.6

大きなお世話かもしれませんけどね、絵は、大きいと部屋に飾れないという人は沢山いるんです。

どこにも飾れない。

言い訳にも聞えますけど、ホントにそういう家が無いわけではありません。

個人的にはね、絵というのは、やっぱりぜいたく品だなと思うんですよ。

生活にある程度の余裕がないとね、買ったりできませんよね。

それは、車や時計、バッグやお高い服なんかと同じ話でね。

そういう、身の回りの品にはお金かけられても、小さな家に住んで、食器はホントウに安い品を使っている日本人って沢山いるんですよね。

絵のことは、よく解らないから、(怖くて)買えないって人も沢山います。

まあね、言い訳している人の話しをしても仕方ありませんよね。

自分の作品が芸術作品なのか、ヘタクソなのかをまず冷静に見極めましょう。

世の中には、芸術作品の他に、インテリア絵画というジャンルも存在します。

名画の複製っていうのもバンバン売れてます。駄作より、複製でもそっちを飾りたいっていうのが、一般人の本心なのです。

この前、ダビンチ展で、来てもいないモナリザの複製画が12万円でバンバン売れていたのを見たときには気絶しそうになりました。商売なんで、売れればなんでも構わないんです。

子供の絵とかね、趣味の人の作品というのは、概ねタダでもらえたりもしますからね。その辺、金払って買うものではないと思う人もいるのかもしれません。

とりあえず、企画画廊からまだデビューできそうもない作品のアナタは、割り切って、インテリア絵画の価格を研究しましょう。

アタシは原価も知ってます。

いい絵もありますけどね。

そういうプロのセンセイ方で、絵はメチャクチャ上手いのに、世では認められていない人の絵と並ぶわけですからね、まあ、価格設定はよくよく研究されることをオススメしますけどね。

イロイロな展覧会を見ていて思うことは、絵が大きすぎる展覧会が多いってことですね。

嫌まあ、折角広い場所を借りて展覧会をするわけですからね、大きい絵があっていいんですよね。

でもね、小さい絵もなくてはいけません。

小さい絵でも、全く売れてない展覧会もありますけどね、小さいのに20万円とかしてるからですよね。

まず、身近な人に自分の作品を持ってもらう。

ここを目標にするのがいいと思います。

ヘソクリだってそんなにあるわけじゃないんです。

オットに相談無しでポンと買える価格帯の作品も用意しておきましょう。

企画画廊さんで、1万円均一作品展というのを見に行った事あります。

いい絵も悪い絵も並んでましたけどね、いいのはみんな売れてました。

プロの絵でも、1万円均一なんですからねぇ。アナタの絵が10万円で売れるはずがないでしょう。

買うほうも、価値は理解できているんですよね。

逆に、1万円均一だと、1人で何枚も買う人もいました。

そういう、「来てくれてありがとう!こっちもガンバルから応援してね」

的サービス作品があると、足を運んだほうも義理が果たせるというものです。

「知人の展覧会に行って買ってあげようと思ったけど、高すぎて買えなかった」

という人の話もよく聞きます。そんで、嫌な気持ちになって、もう展覧会には行きたくないっていう人も多いです。

嫌まあ、それは、見る側の勘違いですからね、買う必要はないんですけどね。

「何か買ってあげなくちゃ悪い」という気がするので、展覧会には行きたくないという、本末転倒な話を聞くとね、何のために展覧会を開くんだろうなと思わないワケにはゆきません。

まあ、北千住では、アタシの作品15000円も、高いと言われてしまいますからね。

その方と、絵の話をしても折り合う日は一生来ないんですね。

高くないと思いますけどね、少し良くなってきたんで、もう少し値上げしようと思っています。

最近覚悟が出来てきたなと思うのは、「絵というのは、貧乏人は買わない」という事実ですね。

「自分へのご褒美に、ちょっと高かったけど、欲しかった作家さんの作品を買いました」

まあ、そういう世界っす。

それが、2万円ということもあるし、5万円ってこともあります。

最低でも、その程度の金額を払っても買いたいという作品にならなければなりませんしね、まあ、売れないってことは、そこまでの作品じゃないってことなんだと思います。

5000円の作品、値切られたことありましたけどね、初めてのときには不愉快極まりませんでした。

(油彩ですよ、念のため)

お金に困っていましたから売りました。(そのあと、関西系のお客様の場合、そういう話は、何回かあり、そういうものなのだろうと思えてくるようになりました。こちらも慣れてきて、気持ちよくほんの少し割引すると、お互い前に進めるということも理解できてきて、ある種の社交辞令的な世界なのだと思うことにしました。いい絵は割り引きませんけど。)

まあ、文化的な商習慣の違いっていう部分もありますからねえ。

否定するべきではないんだと思いますけどね。買うほうは、「買ってあげた」と思っている場合が多くてね、立場が変わると心情というものは、こんなに違うものなのかと思わないわけにはいきません。

モチロン、買ってくださったことには感謝していますし、勉強にもなりました。

画家が直接絵を販売しようとすると、画廊が引き受けるはずね値引きのやりとりなど不愉快なことまで、背負わなければいけないってことなんだと思いました。

絵の品質というのもありますしね。良い絵と悪い絵というのは、未熟な作家さんはどうしても出来てしまいます。

アタシの場合、いい絵は値切られても(売れる確信があるので、それがどんな場合であっても)値引きませんから、値切られて、値引く程度の絵だったってことで、たいした価値の品ではなかったってことなのだと思います。(たぶん、割引対象になった作品は、5分とか、物凄い短時間に描かれた作品っす。)

売るほうも、高値に設定していて、値引いて販売するという画廊も多いみたいですからね。70万円を40万円に値引くらしいですから。

そんな画廊で絵なんて買うべきでないと、アタシは言いたいですけどね。

買うのはアナタなので、別に構いません。気に入って、その作品に、それだけの価値があると思うのであれば、買うべきだと思います。

買ったほうは、「知人が金に困っていたので、(欲しくなかったけど、義理で)絵を買ってあげた」などという話をよく聞きますよね。それはそれで、ついてない絵だったなと思うんです。

そこが、プロの絵と、趣味の絵の違いかな。

アタシは、義理で絵を買ったことなど一度もありません。

欲しいから買ってます。

それが収集道というものです。

アトリエで展覧会を開いたり、地元の郵便局などに絵を飾らせていただいていて、気づいたことがあります。

欲しい欲しいというくせに、1万五千円の絵は高すぎる人といくら話していても、全く折り合いがつかないということです。

経済感覚が全く違うわけですから、仕方ありません。

道は2つです。

黙殺するのか、その人が金を出してまで欲しいという絵にまで昇華させるのか。

どちらかしかありません。

そうですねえ。もう、1万5千円では販売しないと思いますけどね。

逆に、3万円の絵は、安すぎて(お金持ちの我が家にはふさわしくないから)買わないと言われたこともありましたね。

価値観というのは幅広く、どんな話にぶち当たっても不愉快なのだと思わないわけには行きませんね。

アタシが怒りっぽいからっすかね?

生きるというのは、困難の連続って気がします。

客観的に考えれば、「作品を自分で売る時には、嫌な思いもついてくる。画廊というのは、そういう、人間的な嫌な話を、作家に代わって引き受けてくれる。そういう商売である」

ということになりますね。

作家は、人間的な、(金がらみの)イヤラシイ話を、直接お客さんとしなくてよくなるワケですからね、そのことに、手数料を支払う。

そう考えると、アート界の構造というのは上手くできていると思えても来ます。

作家さんによっては、画廊に支払う金がもったいないから、自力で販売したいという、こちらも欲深く、人間的な考えを持っている人も多いんです。

自分の作品なんですからね、自力で販売できれば、それはそれでアリだと思いますけどね。

どちらにしたって、絵の価格については、よっぽど研究されることをオススメします。

素人さんたちの売れていない展覧会にいくら足を運んでもなんの参考にもなりませんからね、プロの画廊さんで、沢山赤丸がついているような展覧会の値段を見て、その半額ぐらいに設定するっていう程度がよろしいかなと思います。

具体的な指示。笑。

もう少し頑張った(安値感ある)価格設定をした場合、絵がいいと、全く知らない人が買っていったりもします。

話が愚痴っぽくなっちゃいましたけど、小さくて花とか山の絵はよく売れますから、1万円から3万円程度の価格帯の作品も、10点以上は準備して、展覧会に挑みましょうというのが言いたかったんです。

もし、アナタが作家を目指しているのであれば、まず一枚売ることだと思います。

それも、知人ではなく、アートファンと称する人に買っていただく。

それが今後の創作の励みになるし、勇気を頂きます。

そのために、もっと世の中で流通している作品に触れ、自分の作品がどの位置にあるのか、よーく考えてみよう。そういう話っす。

画廊のレンタル費用を単純に、絵の販売価格に上乗せするという安易な発想の展覧会では、いつまでたっても、アナタの絵は売れることはないっていう話でもあります。


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