パサックの安宿に宿泊し、腹を出していた所、アタシにナンパをされて、モデルを引き受けてくれた。

彼女の絵は、ずっと下の方に埋もれており、探すのが大変だった。

しかし、絵を見ると、彼女の大きな目や、セクシーな声を思い出す。

デッサンというのは、不思議な力を持っているものだなと感じた一瞬だった。

彼女は、セニワティでもモデルを引き受けてくれた。

存在感のあるポーズで、メンバーも、満足そうだった。

この前、「日本でも、モデルのバイトをしようかと考えている」というメールをもらった。

彼女は、まだ若いから、イロイロなチャンスがあっていいなと、思ったりもした。

バリに来た時には、またよろしくね。

初の読者モデル様となった、Ｒ嬢。

ホームページで、モデルを募集したのだが、このときには、まさか応募が来るとは思わなかった。

アタシも、半信半疑で、描かせていただくことになる。

このときには、絵はまだ、下手くそで、美しい彼女に、余り似ていなかったのが難だわあ。

あまりにていなくて、申し訳ないっす。

昔の絵を引っ張り出して、彼女のことを思い出す。

いやあ。アタシも、初めてということもあり、彼女も初めてということもあり、初めの頃の絵は、お互い緊張していた。

絵にも緊張感が伝わってきて、アタシの絵はちっとも似ていないし、彼女もがちガチガチという感じだった。

しかし、デッサンを見ながら、景色のいい宿だったなあとか、巨乳だったとか、そんなことを思い出しながら、彼女を描くのも、また楽しい。

『赤ちゃんと一緒に描いて欲しい。』というご要望。イロイロな方がいるものだなあ。

アタシも、赤ちゃんを描くのは初めてなので、のこのこと出かけてゆく。

セニワティでも、だいぶ人物が描けるようになりつつあり、大雑把な輪郭を、なるべく少ない線で描けるように、練習させてもらう。
この頃は、もう、かなり大きい紙に描くようになっている。

彼女と赤ちゃんの絵は、実は１5枚以上描かせていただいた。

服を着ていたときは、ご機嫌だった赤ちゃんは、ヌードになると、オッパイタイムになってしまい、すぐに眠ってしまう。

人間とは本能に忠実である。

赤ちゃんを抱いている映像というのは、テレビコマーシャルなどでもよく見かけるが、美しいものだなと思った。

彼女とは、ロカセニの女将の家で会う。そのあと、ＵＢＵＤのレストランでもまた会ったりする。

一軒家を借りているというので、部屋を見せてもらいにいく。

そうして、彼女との付き合いが始ったのであった。

その後、彼女は、『モデルをやってもいい』などと言い出し、試しに、セニワティで浴衣のモデルをやってもらう。

（アタシが描きたかったからだけど）

初めてのモデルの日、

「『大和撫子』の根性を見せろ」

などと、アタシに、ワケの解らないゲキを飛ばされ、それに応えた彼女は、毎月、セニワティのモデルをやることになってしまう。

彼女は、浴衣の姿も美しく、
『日本人ですから』などとサラリと言ってのける、根性のある女性である。

モデルというのは、向き不向きはある。

アタシの知り合いは、気の強い子が多いからな。はは。

根性という点では、アタシの友達のほとんどの人が、モデルに向いている。

ふっくらとした彼女は、まるで、棟方志功の絵に出てくるようなお顔をしているのだった。

彼女のウブド滞在は３日程度で、短期だったが、アタシは、最終日の早朝、セニワティの前に、一時間程モデルをお願いする。

彼女のデッサンをセニワティに持ち帰り、仕上げていると、メンバーは、みなさん、羨ましそうだった。

アーティストは、新しい女は、いつでも描いてみたいと思うし、その女に存在感や、個性があれば、余計に想像力が刺激されるのだ。

日本的なキリリとした顔や、白い肌。

大柄な白人さんばかりを描いていると、日本人のモデルさんは、日本では大柄であっても、愛らしく感じる。

どんな女性にも、オッパイの大きさや形、目やくちびるの配置などが微妙に違い、スケッチを見ると、そういう、細かい部分まで思い出す。

思い出した映像を、絵に完全に表現はできていないのだが、それでも、スケッチのときより、似てきているようには思う。

絵というのは、技術的な面が多い。技術が上がれば、想像していることを、より近い状態で表現できるようになるのである。

オジャラは、モデルさんの人数を間違えていた。最初６人かと思っていたのだが、７人いたことを思い出す。

一人二枚づつのペースで作ろうと思っていたが、一枚の方と、二枚の方が出るのは不公平なので、全ての方を二枚づつ作ることにする。

ということで、１０月と１１月は２枚づつありますんで、どちらでも、お好きな方を選んでご利用ください。

なんじゃそりゃ。

印刷するときには、どうぞ、だぶって印刷しないように気をつけて下さい。

彼女は、日本人にしては、ちょっと大柄だと思う。

日本人の肌の美しさというのは、世界で一番じゃないかと思う。

若いということもあるからだろうが、焼かないように気を遣っているということもあるだろう。

日本女性が、世界中で人気があるのもうなずける。

彼女は、初のモデルとは思えないようなカンペキなモデル振りだった。

昔スポーツをやっていたので、体力には自信があるようだった。

スレンダーなのに、オッパイはある。

一生の記念にといって、スッパリと脱いでしまう。

彼女のママも、趣味で絵を書く方で、モデルをやったこともあると話してくれる。

アタシが、女という事もあるんだと思う。初めは、自己紹介を兼ねた、雑談をしながら、何枚か描き進めてゆく。

モデルさんのことを知ることで、ぐっと、距離が近づいてくるのである。

そんじゃ、今度は、帽子をかぶりましょうか？などといい、帽子をかぶってポーズをとる。

こういうのもいいかなと思い、アタシも、帽子のヌードというのを描く。

なかなかムードのある絵になった。

この方、足が長かった上に、スタイルがメチャクチャヨカッタっす。

それでも、まだ痩せたいのだそうです。

人間の欲というのは、満足するということがないなあなどと思いながら、浴衣のモデルを頼んだりもするオジャラなのであった。