ヤマサリプログラム
プリアタンの伝統的なレゴン舞踊とバロン舞踊
Sekaa Gong Yama Sari Present Legong Peliatan and Barong Dance

毎週火曜日 夜7時30分開演 場所:アンドン・ヤマサリステージ

ヤマサリは有名楽団の数々でその手腕を振るってきた音楽家、チョコルド・アリット・ヘンドラワン氏がリーダーとなり、「芸能の中心地」との評判の高いプリアタンの楽団で活躍する優秀な音楽家達を中心に結成されました。
ゴン・クビャール(炸裂するガムラン)の名前をもつ楽器群を自在に操る名手たちの熟練の技、そして鍛えぬかれた新進気鋭の若手による舞踊を、どうか最後までごゆっくりとお楽しみください。

 《演目紹介》

【 スガラ・ムンチャール 又は ウジャン・マス(器楽曲) 】

華やかな器楽曲で演奏会は幕を開けます。スガラ・ムンチャールはヤマサリのリーダー、ヘンドラワン氏が、岩にあたって砕け散る波に着想を得て1997年に創作した新曲です。ウジャン・マスは数々の有名楽団がとりあげるゴン・クビャールの名曲中の名曲。ゴン・クビャールの醍醐味である緻密なアンサンブル、目にもとまらぬ早業を迫力の大音量でお楽しみください。

【 プスパ・ラーガ(歓迎の舞) 】

流れるような調べにのせて、華やかな衣装を身に纏った踊り手たちが華麗な舞を披露します。曲の終盤に観客に向かって投げかけられる花弁は歓迎の意味を表現しています。1996年の初来日公演のために創作されたヤマサリのオリジナルです。

【 バリス(戦士の舞) 】

力強いガムランの伴奏に導かれ、若い男性の踊り手が登場します。戦いに挑む戦士の高まる激情、戦いへの戸惑いなどをダイナミックに、ときに憂いをもって表現します。

【 レゴン・ラッサム(ラッサム王の物語) 】

スカワティの王が夢に天の啓示を受けて創作したのが起源といわれる古典的舞踊です。チョンドン(侍女役)とレゴン(女官役)2人、合計3人の少女によって踊られます。チョンドンの独演にひき続き登場するレゴンの踊り手によって、次のような物語が演じられます。

『ラッサム王によって連れ去られたランケサリ姫は、祖国にいる婚約者を思い続け、ラッサム王の求婚を受け入れようとしませんでした。思い余ったラッサム王は、それならいっそ婚約者を殺してしてしまおうと、ランケサリ姫の祖国を滅ぼすために自ら出陣します。しかし軍隊の行く先には負け戦を暗示する不吉な鳥が現れ、行く先をさえぎろうとします。これを振り払い、ラッサム王は自らの運命を予感しながらも進軍を続けるのでした。』

【 タルナ・ジャヤ(若き勝利者をたたえる舞踊) 又は クビャール・トロンポン(トロンポンを奏するクビャール舞踊) 】 

半世紀以上前にゴン・クビャール発祥の地とされるシンガラジャで創作されたタルナ・ジャヤは、音楽、舞踊ともにその歴史を感じさせないほど現代的センスにあふれ、スピード感のある演奏、舞踊が特徴で、男装した女性によって踊られます。

クビャール・トロンポンはクビャール舞踊の創始者といわれる天才舞踊家、マリオによって同時代に創作されました。女装した男性が、トロンポンという大きな楽器を演奏しながら踊ります。ともにクビャール舞踊の代表格です。

【 レゴン・クンティール(永遠の命を与える水をめぐって争う兄弟の物語) 】

現在、バリ島にはいくつものレゴン舞踊のバリエーションがあり、このレゴン・クンティールもそのひとつです。先のレゴン・ラッサムとは異なり、こちらは熟達した2人の大人の踊り手によって踊られます。レゴン舞踊の特徴ともいえる前半の優美さと、神の怒りに触れて猿の姿に変えられてしまった兄弟の争う様子を描写した、後半の激しさとの対比が見ものです。

【 バロン〜テレック(チャロン・アラン劇に登場する仮面の舞踊) 】

バリ島の伝統的な『神降ろし』の儀式で上演される、チャロン・アラン劇に登場する仮面をつけたキャラクターによる舞踊です。日本の獅子舞にも似たバロンは聖なる力の象徴とされています。総重量100キロを超える大きな被り物を、前後2人の踊り手で自在に操ります。

続いてどこか超越した雰囲気を漂わせ、能面にも似た精霊の仮面、テレックたちが登場し、優雅な舞を披露します。後半にはいかめしい仮面をつけた踊り手が登場し、荒々しく踊ったのち、テレックたちを引き連れ異界へと去っていきます。

※ 出演者の状態により、演目が一部変更になる場合がございます。ご了承ください。
※ ヤマサリ定期公演のプログラムから転載