◆◆◆ 『バリ島で絵を買いたい』をもっと詳しく教えて編 その2 ◆◆◆
2002年6月26日作成
まだ読むつもりなんですか? お客さんも、ヒマですねー。

もう、家に飾っている絵をご紹介しつくしたので、
挿絵はアタシの絵で勘弁してください。

◆◆◆ 絵の売価って? ◆◆◆

ウチのオットが、シンキムさんの絵を買った、もう一つのきっかけは、値段です。

近所の駅ビルで、『一枚の絵(絵という字はもっと難しい字です)』という、展示即売会を冷やかしました。

ウチのオットは、この展示即売会で売られていた絵の値段に仰天していました。素人が描いた油絵なのに、一番小さいのでも12万円位するのです。
まあ、センセへの付け届けとか、お月謝とか、所場代、額縁代を考えたら、出展する方は、この値段だって赤字です。

先生が描いた油絵は、70万円位していました。

ですからね、バリで、550ドル油絵に出会った時、ウチのオットは、『安い』と思ったのです。

日本で見た絵よりも、『ピピッ』ときて、値段も、買える範囲の品だったのです。シンキムさんの絵が、2千ドルだったら、オットは決心がつかなかったと思います。

5万円はお小遣い程度、20万円は高すぎて手が出ないというところです。バリ島にはギャラリーも沢山あるので、絵の価格も、観光客がポンと買える程度の額から販売されています。

日本で買ったオギスの作品は、レプリカ(複製品)なのに、4万5千円もするのです。(シート価格の相場は7000円ですが、額が高かったみたいです。まあ、今でもだいたい、4万円代で売られている感じですけどね。)アタシは、この金額でも、頑張って買ったなと思ってます。でも、まあ、それ以上は、出したくないというのが現実じゃないかと思います。貧乏だわあ。

シンキムさんの絵も、その程度の価格帯だったってことですね。ちなみに、油絵のホンモノです。レプリカのポスターと同額なのであれば、お買い得だったと思います。

◆◆◆ オジャラの失敗談 その2 ◆◆◆

まだ学生だった頃、表参道で画廊に入りました。
画廊のおねーさんは、営業上手で、オジャラは、欲しくない絵を買いそうになりました。
68万円のシルクスクリーンの版画でした。
でも、オジャラは、その画家を好きでは無かったのです。

オギスの前から探していた絵なら、ひょっとしたら買っていたかもしれません。でも、全然違う人の、全然違う絵なのです。

『欲しい絵があったのに、欲しくも無い絵を買うのは間違っている』と、後で後悔しました。しかも、ローンで。まだ学生なのに。

身分不相応はいけません。

オジャラは、申し込んだ時に支払った5000円を放棄して、絵をキャンセルすることにしました。申し込んですぐに解約したので、それで済みましたが、クーリングオフの期間が過ぎていたら、解約できない状態だったと思います。危なかったです。
今思えば、この5000円は、人生の勉強料だったんだと思います。68万円じゃなくてヨカッタです。

ここでは、絵を買うことを迷っていて、ちゃんと断らなかったアタシが一番悪いんです。それからは、要らないものは要らないと、きちんと伝えることができるようになりました。いい経験だったと思います。

画廊のおねーさん達は、版画の価値をちゃんと承知しています。プロですからね。アメリカとかヨーロッパでは、同じ品なのに、15万程度から販売されているらしいです。まあ、日本では、おねーさんの給料や、繁華街のお高い場所の家賃なんかを払わなければならないので、絵の販売価格がとても高くなってしまうのです。それは仕方がありません。

でも、作家がどんなに有名でも版画に60万円というのは、アタシはやはり高いと思いますけどね。その価格帯なら、小さくても油絵を狙うべきだし、そんなもの買わずに、マンションの頭金にでも回すほうが、よっぽど活きた金の使い方だと思います。

絵の価値は、買う方が決めるものなので、お金が余っている方はいいんですけどね。ま、庶民は、くれぐれもお気をつけて。

とりあえず、日本の絵画が売買されている値段というのを、知っておくのは、バリで絵を買う時に、必ず役に立ちますから、怖がらずに、画廊もチェックするのをオススメします。なぜ版画の画廊かというと、値段が、絵の横に貼ってあるので、価格を調査するのがカンタンだからです。

◆◆◆ 版画の画廊を巡るときには ◆◆◆

でも、そんなことがあってからは、画廊には気をつけるようになりました。絵のおねーさんは、絵を売ると歩合給が入りますから、熱心に絵を売ろうとしてきます。

ですから、アタシは、買わされないように、イロイロな対処法を考えたのです。まず、話し掛けられたら、挨拶をします。

そんで、『絵をちょっと見せてください』と伝えます。『画家を目指している』とか、『絵を勉強している』と言いましょう。

そうすると、大体のおねーさんは、スっと離れていきます。しつこいおねーさんもいますけどね、そういうときには『もう絵が描けるから、買う必要は無い』とキッパリ言って、その画廊を離れましょう。

大事なのは、ゆっくりと見ることのできる画廊で、ゆっくり見ることです。『ゆっくり絵を見たいのです』と伝えましょう。

貧乏そうな格好をしていくのもポイントです。小金を貯めてると思われると、ゼッタイに売り込まれます。ユニクロで行きましょう。

おねーさんたちには笑顔で、『ホンモノのアートが部屋にあると、センスが磨かれる』などと営業されます。価格調査に行ったことを忘れずに、くれぐれも、そこで絵を衝動的に買ったりしないでください。ネットだと、もっと安く買えるはずですから。

デパートや、商業ビルなどに入っている画廊などは、比較的にゆっくりと見られますし、しつこく売られたりもしません。三省堂の五階辺りにあった画廊も、いい版画が沢山ありました。

まあ、バリでいい絵を手に入れようと思ったら、日本でもせっせと、絵を見るチャンスを作るのがポイントですね。

◆◆◆ アタシに絵を買う相談をした男の結末 ◆◆◆

前号の冒頭に出てきた、初対面の彼は、アタシの話に納得して、その絵を買うことにしました。

絵の値段はカンバスに描かれた作品で、一万円です。

その絵はUBUDのインターネットカフェで販売されていて、そこに行く度に、何度もその絵を見ているのだが、どうしても気になるのだそうです。

気に入ったのです。

ピピっときたのです。

その絵の価値が『鑑定団』で例えば50円だったとしても、購入価格が一万円なら、いいじゃないですか。そんなにショックじゃないはずです。10万円で買った品が、50円だったらショックですけどね。

飾っていて嬉しいんだし、バリの事を思い出すし、買った人には価値がある絵なんです。

アナタも、バリの画廊を巡ってみれば解ると思いますけどね、一万円も出して家に飾ろうという絵には、そうそうお目にかかれないんです。何万枚も絵が売っているのに、欲しい絵は、僅かなのが特徴です。気合を入れて探したからといって、見つかるとは限らないのです。彼は、そんな中で、気になる絵に出会えたのです。

ラッキーだと思うべきです。
そして、その絵は、手に入れるべきです。

帰国後彼からメールが届き、
『絵を買って、額に入れて飾りました。買ってよかったです』
と、報告してくれました。

いくらで買ったのかは聞きませんでした。一万円以下だったというのは間違いがありません。

アタシも、勧めてヨカッタと思います。できれば、次回はアタシの絵にして欲しいと、内心は思っていますが、その人の心にピピっと来る絵が描けないアタシの作品の問題というのもありますからね。ガンバラないとと思います。

絵の価値は人それぞれなんです。
大事なことは、ムリして買わないということですね。

ムリというのは、『値段が自分のお小遣いの範囲を越えている』とか、『ホントウに欲しいのかどうか、迷いがある時』です。

観光地では、『みやげ物的感覚で、ムリに不用な品を買ってしまう』という傾向がありますね。

ま、いいんですけどね。それも記念ですから。

でもね、何万枚も絵が売っている島なんです。ピピっと来る絵も必ずありますからね。ガイドさんに申し訳ないからなどという理由で、『要らない絵をムリに買うな』と言っているんです。時間をかけて探した、好きな絵に、お金を使ったらどうか?と言っているんです。

◆◆◆ 初心者がバリで絵を買うときのコツ ◆◆◆

まず、自分の上限予算を立てましょう。

シンキムさんの絵を買うときには、アタシ達は、絵を買うつもりでバリに行きました。予算は決めていませんでしたが、8万円程度をドルにして、持って行ってました。宿代にするつもりだったんですけど、このときには絵を買ってしまったので、宿代は、クレジットカードで払いました。

ですから、『今度バリに行ったら、絵を買おう』と思っている人は、『いくらくらいまでの絵にしよう』という計画を、予め立てておくことをオススメします。

5万円あれば、いい絵が買えますね。間違いないです。
アタシは、バリで沢山絵を見ているんです。
ま、いきなり五万円は、初心者OLさんは、心配かもしれませんね。
初回は、一万円位で探すようにしたらどうですかね?
絵の価格の上限は、二万円程度にしておきます。

バリ的には、2百万ルピア(ドゥアジュタ)=現在のレートで三万円程度の絵というのは、一番多い価格帯なんじゃないかと思いますけどね。

この程度ご予算があれば、まずまずの絵が買えると思います。

前のページで紹介したように、バリ人の絵は、一万円程度から、外国人画家の絵は、もっと高い値段(400−500ドル以上)で売られているのです。アナタが、どちらの絵にピピっと来るかは、アタシは解りません。また、外国人のアーティストが出展しているギャラリーは、UBUDでも限られているんじゃないかと思います。

最初は、有名ギャラリーを物色し、絵に慣れたら、ボチボチ小さいギャラリーも回るというのがオススメですね。

有名美術館の周辺には、そこそこのギャラリーが集まっていますからね、そういうところから見るのをオススメします。

理由は、ちゃんとした作品が販売されているからです。
アナタ、よく解らないんでしょ?
だから、その絵に、どれくらいの価値があるか、安いのか高いのかも解らないんです。ですから、まあ、きちんとしたギャラリーを物色する方が、失敗が少ないんじゃないかと思うわけです。そういうところは、お値段も高いです。ですから、どの程度の絵が、いくらくらいするのかを知るにもいいんじゃないかと思います。場末のギャラリーになればなるほど、お値段が下がってくるという構造です。

それでも、最終的に買うかどうかを決めるのは、アナタなんです。
今のところ、頼れるものは、自分の感性だけなんですよね?

だから、『ピピっと』を大事にしなければなりません。
『ピピっと』したら、その絵をよく見ましょう。

遠目ではヨカッタけど、近くで見ると、ガッカリってことも多いんです。

そういうときには、候補として入れておくけれども、急いで買うという決断をしないことですね。

『ピピっ』としても、慌てないことです。更に、もっと気に入ったのがないかどうか、冷静になり、他の店も見てみることですね。

◆◆◆ ギャラリーは二日かけて回る ◆◆◆

ギャラリー巡りは、最低でも二日間の時間をかけて、一日目は下見。二日目は、気に入った絵をもう一度見に行くもしくは、買いに行きます。

ですから、ここで大切なのは、初日は、金を持っていかないことです。金があると、買ってしまいますからね。

自転車などで、テレテレと行くのが、一番安く買えますし、ゆっくりと見られます。徒歩だと、回りきれないし、タクシーだとタクシー代もかかるし、絵の値段も高くなってしまいます。

初日は、『ピピっ』ときた絵に出会ったら、デジカメなどで絵を撮影したり、店の名刺をもらって、次にも確実に行ける様に準備も忘れないようにしましょうね。店の場所が解らなくて、次の日行けなかったなんてことも起こるかもしれませんから。

店員さんは、何とか売ろうとしてきます。それは日本の画廊と同じです。ですから、『気に入ったのが無い』などときちんと断らなければなりません。頑張ってね。

ここでのポイントは、あまり遠くまで行かないことですね。帰ってくるのが大変だし、夜、暗くなると危ないですからね。

どうぞ、道に迷ったりしないように、地図なども持っていってください。

◆◆◆ 絵は必ず値切る。金額はメモする ◆◆◆

絵の値段は、一日目に必ず確認します。メモを取って、翌日もその値段で買えるように、証拠を残しておきましょう。
紙に書いて、ドルなのか、ルピアなのか、間違えないように念も押しましょう。

絵は、必ず値切りましょう。割引があるかどうかは店によって違います。価値がある絵の値段は下がらないかもしれません。もしくは、価値に比べて、もう、十分に安い価格だから、これ以上は下がらないということもあると思います。

(店員の不正を防ぐために、)割引が無い店もあります。

アタシ的には、ご予算の範囲なら、気持ちよく買ってあげて欲しいと思います。でもね、一度も値切らないというのは、いけません。バリですからね。どんな品物の価格も、値切られることが前提になって、設定されていると考えるべきなのです。

高そうな絵でも、思いのほか安価だったりします。見る目を肥やすためには、高そうな絵だとしても、いいなと思ったら、値段を知るべきです。

大事なのは、『ピピっときた絵が、いくらするのかを知っておく』ということです。今回は予算不足で買えなかったとしても、次回、絵を買うときの目安にできます。次回は頑張って、五万円のお小遣いを貯めようと、労働意欲も沸いてきます。

概ね、高い絵の方が、いい絵なんです。
絵を売っている人は、アナタより絵の価値がよく解っています。
ですから、価値が解らないアナタは、謙虚に作品を凝視するべきです。

しかしながら、バリ島には、価値があるのに安い絵というのも存在します。それは、バリ人の生活費が安いということもありますし、安くても絵を売らないと、生活がなりゆかないという、バリ人の経済状態に起因しています。ですから、そういう店は、一生懸命に絵を売ろうとします。アナタの予算も限られているわけですから、その予算まで、価値のある絵を値下げして、譲ってくれるかもしれません。

反対に、粗悪な絵なのに、不当な価格がついている絵というのもあるのです。有名ギャラリーであっても、当然にそういう絵もあります。ですから、初心者は、高すぎる絵に手を出してはいけません。

ちなみに、ウチの母は、最初三万円と言われた小さな絵を、7000円で買ったみたいでした。うーむ。絵の価格設定というのには謎があるっすね。まあ、紙に描いたB5位のアクリル画でしたから、7000円というのは妥当だったと思います。これは、どう考えればいいかというと、その絵は、母には、7000円の価値しかなかったのです。

この絵には、いくらまで出せるのか?
それは、買う人の懐具合によって変わります。

ですから、どうしても欲しい絵があったら、希望の予算を告げて、交渉してみるというのがいいと思います。ダメでもともとです。
アナタだって、『ピピっときた15万円の絵』を5万円で売ってくれると言われれば、予算が2万円しかなかったとしても、あと3万円増やして、買ってしまおうと、決意も新たになるかもしれません。

逆に、価値があり、値段がスゴク安くても、自分がピピっとこない絵であれば、買うべきではありません。

◆◆◆ 冷静に一晩考えよう ◆◆◆

でもね、大事なのは、冷静になることです。

一時的な感情と、値切りバトルに熱中すると、人間は、冷静さを失ってしまいます。

絵はね、一晩よく考えてから買いましょう。
安いから(安くしてくれたから)という理由で買ってはいけません。
ホントウに、大事にしたい絵を買うべきなのです。

絵画というのは、自分の身近に飾って、毎日眺めるものなのです。衝動的に買ったり、好きでもないのに買った絵というのは、どんなに価値があったとしても、飾っていて嬉しくありません。

その絵は、持ち帰れるのか?
飾る場所はどこにするのか?
大きさは適当か?
部屋が暗くなりすぎないか?
バリの絵というのは、暗い絵が多いんです。

伝統的絵画はモチロンですが、ポンゴセカンスタイルの絵だって、緑が全面にあり、飾ると圧迫感があったりします。

絵を飾ろうとしている場所に、マッチするのかどうかも吟味したほうがいいと思います。
その絵が一万円だったとして、一万円あったら、どうするか考えてみましょう。焼肉食べた方がいいってこともあるかもしれません。欲しかったCDのを3枚買うほうが、価値があるかもしれません。

絵は一万円でも、額縁代は2万円するかもしれません。日本の額縁高いんです。そうすると、出費は3万円ってことになっちゃいますよね。

どうですか?それでも買いますか?

◆◆◆ それでも、買ってみようと思います ◆◆◆

決意も固いようですね。

旅をしていて一番大事なのは、後で、後悔しないことです。

お値段もそうですけど、作品も、いくつかあった候補から、一点を選ぶことになった場合、買えなかった絵に未練が残ることもありますからね。

ご予算があれば、両方買いましょう。はは。飛行機代もかかっているんですからね。もう一回来ることを考えれば、安いもんです。

気に入った絵というのは、見るたびに、嬉しくなるんです。その時の思い出が、浮かんできたりします。

アタシの絵を飾ってくださっている方は、アタシの事を思い出すのだそうです。『バリで、元気にしているかな?』って。

絵というのには、そういう、不思議な力がありますね。

前号で、アタシが家で飾っている絵をご紹介しましたが、どの絵にも思い出があり、愛着があるのです。

絵の眼力がある方は、アタシが飾っている絵は、たいしたことは無いと思うかもしれません。たいした価値の無い絵ばかりです。でも、アタシやオットには、大切な品なのです。

まあ、絵を描く側からのお願いというのは、やはり、額に入れて飾って欲しいってことですね。
お求めになった絵は、どうぞ、末永く大切にしてあげて下さい。

大事にされると、絵の方も嬉しくなって、一層輝いてくれます。

◆◆◆ でもね、アナタが粗悪品掴まされたからって ◆◆◆

アタシに文句を言わないで下さいね。
勘違いしている人多いですけどね、アタシのサイトは、アタシの個人的な楽しみで書いているんです。

ですからね、アナタが、価値ある絵が買えるかどうかに責任は取れないっす。もし、心配だったら、買わないことですね。

どうしても一枚買おうと思う方は、『この程度の値段なら、失敗しても気にならない』程度の値段の作品にすることです。飾れば、どんな絵でも、アナタもハッピーです。たぶん。

あ、一応、アタシの絵も売ってますんでね、どうぞヨロシクね。
アタシの絵は、今のところ、価値ゼロですけどね、そのうちに値上がりするかもしれないと思って大切にしている人は多いです。

『早く有名になって欲しい』と言われてもねー、そんなにカンタンには行かないってことで、もう少し応援を続けてくださいね。うふふ。

アタシ的にはね、価値が出てきたら、次は、『早く死んでくれないか』などと皆様に思われるのも、なんか、不本意なんですけどねー。

ま、いいか。そんじゃ、みなさん、オジャラの絵もお楽しみに。

次は、絵の価値と価格についてです

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