◆◆◆ 『UBUDで絵を買いたい』をもっと詳しく教えて編 ◆◆◆
2002年6月26日作成
辞めた方がいいんじゃないっすか?マジで・・・。
ま、いいか。そういう人がいないと、アタシの絵も売れないだろうしなあ。
でも、何も、バリで買わなくてもいいんじゃないっすか?
逆に、バリだからこそお買い得な作品というのがあるんじゃないかと、ちょっと思ってる。
でも、心配っすよね。
この絵に正当な価値があるのかとか、不当にボラれているんじゃないかとか、
ギャラリーの前をウロウロしながら、だまされたくない気持ちでイッパイっす。
お客さん、『開運!何でも鑑定団』の見すぎじゃないですかねー。
自分だけは、損をしたくない。でも絵は買ってみたい。
『バリの絵を買うに際して、もうちょっと詳しく意見を聞かせてほしいなぁ。』
お客さん、相変わらず、他力本願っすね。
アナタがボラれたって、アタシは、責任取りませんからね。
まあいいか、アタシの懐が痛むわけではないからな・・・。うふふふふ。

◆◆◆ 『いいなと思った絵があるんです』 ◆◆◆

その男は、初対面だったというのに、『いきなり絵を買いたいという話』を切り出します。

もう、ワラにもすがる思いなんでしょうね。誰にでも聞いているんですよ。きっと。

どうせなら、『アタシの絵を買いたい』という相談にして欲しかったんですけどね、そんな人は滅多にいないでしょうからね、アタシの実力不足ってことで、ますます精進しようと思います。

折角のご縁ですから、その方には、アタシが絵を買ったときの話を聞かせてあげました。

左の絵はね、オジャラが22歳の誕生日に、自分にプレゼントした絵です。オギスという風景画家の、石版画(リトグラフ)の複製品(レプリカ)です。(←ニセモノってことっす。)

価格は、額付きで、当時2万2千円程度だったと思います。サイズはA0程度で、額は一まわり大きいです。

その時にはね、買ってくれる人がいなかったですからね。誕生日プレゼントも自分で買いましたよ。バブルOLですからね。男がいなくても、金は持っていたぜ。(⇒キッパリ言うほど、値段が高くないのがポイントっすよね。庶民って、貧乏だわあ。)

ちなみに、この頃、この作家の方はまだ生きてました。そして、サイン入りの本物のリトグラフの作品は、同じ絵なのに、68万円程度していたと思います。バブルだったよなあ。

◆◆◆ 次に買った絵もオギスでした ◆◆◆

今度は、26歳の時の誕生日でした。まだ、絵を買ってくれる殿方は出現していませんでしたから、自分で買いましたとも。オギスが他界して、その遺作展かなんかを見に行った時に、併設のギャラリーで久しぶりに見たもんで、もう一枚買おうと思ったんだと思います。

え?一枚あるのに、どうして買ったんだと思いますか?
アタシは、この人のファンなんです。
そして、前に買った絵を飾っていて、とてもヨカッタのでもう一枚買うことにしたのです。
ホンモノ(といっても版画のレプリカだけど)はいいっすね。

ということは、ホンモノじゃないけど、結構いいってことっすよね。うーむ。複雑。

彼の絵は、赤に特徴があってね、ベニスの風景も、有名なんですよね。
この絵はたいしたことない絵ですけど、この赤い色や水辺の感じを眺めていたいなと思ったから買うことにしたのでした。

赤レンガの靴屋の絵もあったんですよ。そっちにしておけばよかったと、後悔していなくもありません。
でもね、有名な絵を買っちゃうんですよね。素人ですからね。

ちなみにお値段は、4万4000円程に値上がりしていました。レプリカのくせに。オギスの工房で作成された品なので、彼のサイン入りの作品と、完成度は同等だと、店員さんは説明していました。サインがあるというだけで、お値段は10倍以上違うんです。でも、版画ですからね、品質は、対して変わらないらしいです。
紙とかは、質が違うかもしれませんね。

◆◆ モンキーフォレストで買いました ◆◆

次に買ったのが、この絵ですね。
結婚して、バリに二度目に行った時だったと思います。初UBUDの滞在で、初心者らしく、モンキーフォレストを観光。入り口では、バナナを買いました。

そうすると、怪しいオヤジが寄って来て、『バナナは、袋にしまえ』などといいながら、『奥の寺院に案内してあげる』などと、どんどんと奥に案内するのでした。

彼は、ナイフでバナナを小さくカットしながら、サルを集めてくれました。そして、更に薄気味の悪い寺院の奥に案内するのでした。
バナナも尽きて、猿も解散した頃に、彼は寺院の裏に回って、小さい絵を取り出してきました。

ハガキサイズ程度の作品で、当時確か1500円程度だったと思われます。あの頃は、ルピアが暴落した時で、みやげ物がメチャメチャ安かったということもありました。

この絵1500円なら買いでしょう。
欲しくなくても、買ってもいい値段かなと思います。はは。
写真が上手く撮影出来なかったので、この絵の素晴らしさが伝わらないのが残念ですけど、丁寧に描きこみをした、アクリルの肉筆画です。

バリの伝統的な技法は、画面が暗くなってしまうのですが、この方の絵は、水を上手く表現し、割りに明るく仕上がっているんじゃないかと思います。

今でも額に入れて飾ってますよ。はい。

◆◆◆ 次にバリに行った時も ◆◆◆

彼の絵を買おうとモンキーフォレストに行ったんですけど、彼はいませんでした。残念です。

その代わりといっては難ですが、ネカ美術館の案内をしていた男に、
『祭りがあるからウチに来い』などと言われ、クバヤを買わされてしまいます。
そして、その人は画家だったために、私たちは、絵も買わなければなりませんでした。

その絵は、3000円位だったと思います。
今は、この絵の後ろに入っています。もう、開けるのもイヤです。
この記事のために、写真を撮るのが面倒なんです。
バリの絵には飽きたというか、彼の絵に飽きたという感じですね。

上の白鷺の絵は、飾っているのに、彼の絵は、気に入らないのです。
彼の絵は、下手くそで、色もイマイチでした。
ようするに、粗悪な絵なんです。
観光客に売りつけようという、そういう絵です。
そんな絵だって、4−5年は飾っていましたけどね。見ることは無かったです。

でもね、絵には思い出がありますからね。
初オダランに行き、バリが大好きになったという、そういう思い出です。
だからね、買ったことを後悔はしていないんです。

でもね、今はこの、ボトルの版画の方を、飾りたいのです。
関係ありませんが、この版画、版画のお教室で、自分の作品と交換した作品です。

彼女は、野菜のカレンダーというのを版画で作っていて、
オジャラは日ごろから彼女の作品に目をつけたいたのでした。

◆◆◆ 更に翌年、この絵を買いました ◆◆◆

確か、ルダナの美術館かなんかだったと思います。
もしかしたら、アグンライギャラリーかもしれません。
場所は忘れましたが、有名ギャラリーで買ったというのは間違いがありません。
有名って言っても、バリのだからなあ・・・。

この絵を買った理由は、オットが気に入った絵だったからです。
値段は、800ドルでした。それを額は要らないといって、550ドルに値切りゲットしました。
値段が、800ドルのままであれば、候補にもあがらなかったと思います。

今の額は、日本で作ってもらいました。絵のサイズが日本の規定サイズと異なるので、
額縁は特注となり、お高かったです。

絵のサイズは、A3程度です。アーティストの名前は、シンキムさんといって、中国の画家なのだそうです。
一年に一度ぐらい、ギャラリーにやってきて、絵を置いて帰るのだそうです。
最近、この絵に似たパクリっぽい絵も沢山売られています。バリ人は、ホントになんでも真似しますよね。はは。
個人的には、もう少しポリシーを持てと言いたいところですが、まあいいです。安いですからね。

オットは、この絵を買うのをためらっていました。
550ドルというのは、彼の人生の中では、大きな買い物だったからです。

でも、アタシは、買うように勧めました。
理由は、『買いたいと思う絵』には、そうそう出会えないことを知っていたからです。

この写真は、フリマで、アタシの版画と交換した作品。ウチの猫に似ているので飾っています。市販の品と違って、一枚一枚、手焼きの写真です。絵をやっていると、アーティストの方とお友達になったり、作品を交換出来たりするのが楽しいですね。
この写真を撮影した方。もしこのページをご覧になっていたら、ご連絡ください。この写真を掲載する許可と、お礼をもう一度言いたいのです。著作権の関係があるので、写真は、わざとぼんやり撮影しています。

◆◆◆ オジャラの後悔 ◆◆◆

オジャラは、オギスの絵で、すごく気に入った作品があったのですが、60万円近くして、買えなかったのです。何故かといえば、楽なポーズは、最後の方に取っておきたいからです。

モチロン、学生でしたから、買うべきではありませんでした。
でも、その絵の事は、心に引っかかっています。

その絵は、美しい赤い絵で、アタシが、彼のファンになるきっかけになった絵でした。その絵に出会ったので、絵を頻繁に見るようになりました。オギスの展覧会などがあると、出かけたりもしますが、未だその作品には出会えていません。

版画であっても、そうなのです。
まして、一枚モノの作品であれば、一度他人の所有物になってしまったら、アナタが所有することは、一生ムリだと思うべきです。

オジャラは、版画のギャラリーを沢山回っていたので、そういうことを知っていました。

外国を旅行しているときには、とりあえず、同じ場所には二度と戻らないので、気に入った置物なども、その場で買うようにしています。それは、外国を旅しながら身に付いた、旅のテクともいえますね。

ああ、それで、いつも、帰国するときには文無しなのか・・・。まあいいです。日本に帰れば金はあるし、働けば、来月金は入ってきます。

でもね、絵を買うのに、借金したりしてはいけませんよ。

絵は、後で売れると思ってる人いるかもしれませんけどね、個人的には古本と同じような扱いじゃないかと思っています。買った価格の一割位でしか転売できないと考えておくのがいいと思います。絵によりますけどね、あーた、これ読んでる位ですから、絵もまだ買ったことないんですよね。

アタシは、転売については、詳しくないですけどね、投機目的で絵を買うのであれば、このページを参考にするべきではありません。モチロン、『絵を転売して儲けた』なんて、鼻息も荒い人もいるかもしれませんけどね、信じちゃいけませんよ。絵の価値は、人それぞれなんです。

◆◆◆ この絵は、次の年に買った絵です ◆◆◆

油絵を買ったオットは、急に絵画に目覚めてしまいます。そして、翌年も、またルダナのギャラリーに行きます。

別に必要とも思えなかったのに、『今年はヤングアーチストスタイルのを買う』と言い出し、誰にも止められない状態でした。

この絵は、A1位のサイズです。これと、B5サイズの絵と、おまけの絵と、ワイロを支払って、全部で3万5千円で絵を手に入れました。

この値段が、高いか安いかは、アナタ次第です。

でも、おまけの絵を除いて、自分たちで選んで買った絵には満足しています。

日本で額を作ったら、絵よりも高かったというのが難ですね。はは。

この絵を描いた方は、ピットリーという方です。ウチは、その他に、ソキさんという方の小さい絵を買いました。ソキさんの絵は、アタシが選んだ作品でした。彼の絵は、アルマにも所蔵されています。

この手の絵を選ぶ時には、絵を凝視することですね。
細密画ですから、絵の細かさと、絵の繊細さが重要です。

遠くから見たときには、同じように見えても、近くに寄ると上手さに差があることが解ると思います。

絵を買おうと思っている方は、急いで買ってはいけません。ゆっくりと、一点一点、ちゃんと見て、一番上手い絵をかうべきです。

え?どれが上手いか判断できない?

そういう方は、ムリに買わない方がいいんじゃないかと思いますけどね。また次回、もっと目を肥やしてから買うべきです。

◆◆◆ この絵がおまけの絵です ◆◆◆

写真写り滅茶苦茶いいですけどね、粗悪な絵です。
額を作ると高いので、額にも入れてません。はは。
ま、おまけですから、そんなもんですね。でも捨ててはいないです。ホンモノですからね。

サイズはA5位です。小さいです。
ここでの教訓は、必要の無い絵は、『買うべきで無い』ということですね。
買った絵を飾らないというのは、絵に対して失礼ですもんね。
バリには、星の数程絵が売っているんです。

それでも、その中で、アナタが気に入る絵に出合えるかどうかは、解りません。
金を出しても手に入れたい。部屋に飾りたい。そんな絵に出会えるといいですね。
でもね、好きな絵に出会うためには、日ごろから、絵をこまめにチェックするというのが大事なんです。

この絵が、ソキ氏の作品。
絵が全然見えなくてごめんなさい。

この作品はA4サイズ程度。
額縁は日本で作成。
バリの家に飾っています。

◆◆◆ こまめにチェックって、どうすればいいんですか? ◆◆◆

とりあえず、絵を沢山見て、相場を知ることをオススメしますね。
まず、手ごろなところで、ヤフーオークションとかどうでしょうね?
絵がいくらで売られているかを参考にしましょう。

あ、でも、あくまでも所有者が不要となった絵ですからね。飽きられてしまった絵なんです。そこんとこ重要です。
もしくは、本業で絵を販売している方ですよね。
だからね、買っちゃいけませんよ。

ネットで絵なんて買うべきではありません。(アタシも売ってますけどね、「できれば実物を見てから買え」と書いてますよね。)
相場というのを、勉強しろと言っているのです。
油絵、日本画、アクリル画の値段、見てください。
もう、ビックリするくらい高い値段で売買されています。

(正確には、高い値段で売り出されているが、落札されているのは、安価な値段の品か、ホントウに価値がある作品ということに気付くと思います)

バリの絵というのはね、こういう、日本で流通している絵画と比べてものすごく安いんです。でもね、価値があるかどうかは解らないです。優れた作品もあるんですけどね、世界的な絵の価値を考えると、不当に低い価値しか認められていないと言うべきでしょう。

だから、バリで絵を買う場合、『絵の価値云々』で買うべきではありません。

でも、ご自分の思い出や、楽しみのために、チョコっと買うというのであれば、いいんじゃないかと思います。ご予算の範囲で、気に入った品を買うというのは、嬉しいものなんです。安価でホンモノの絵をゲットできるチャンスです。

◆◆◆ 最後に買ったのがこの絵 ◆◆◆

スガタ先生と知り合いになり、何度かアトリエに行った時に買ったのがこの絵です。
カンバスに描かれたアクリル画で、サイズは70センチ×90センチです。
値段は、教えてあげません。え?どうしても知りたいですか?
うーん。シンキム氏の作品の倍くらいです。
高いですか?
ウチだって、思い切って買いました。清水の舞台から飛び降りた気持ちです。
でもね、後悔はしていません。

この絵は素晴らしいので、もう、この手の絵を買わないで済むからです。今まで、小さい、安い作品を沢山買っていましたけどね、もう、そういうのも要らないんです。
これ一枚で満足です。
モンキーフォレストの画家に会いに行くことも無くなりました。

でもね、ここまで決心するまでには、イロイロと絵を買ったり、要らない絵を買ったりと、失敗もしているんです。

まだ絵を買ったこと無い方は、やはり、1−5万円程度の絵からスタートするべきです。バリには、もっと安い絵もありますからね。

気に入って、予算が合えば、お求めになったらどうかと思います。

ギャラリー巡りをしていると、必ず、『ピピッ』と来る絵もあるんです。でも、それは、何件も回って、やっと一枚あるかないかです。そういう絵は、ちょっとお高かったりもするんです。

苦労や失敗をしないで価値のある絵を買おうと思っているアナタが間違っています。キッパリ!

このお話は次回に続きます。

Established 1998 Rica's Bar WEB SITE & Since 2003 Atelier Ojara.

Copyright (C) All Rights Reserved by Rica Ojara.