◆◆◆ アトリエの様子 ◆◆◆

食堂とも呼ばれているこの場所で、ポツポツと銅版画を作っています。

 
◆ ニードルと、銅版 ◆

左が、ニードルと呼ばれる、銅版に絵を描く鉄筆のようなもの。おフランス製。この前、新しいのを買いに行ったら、値上がりしていてショックを受けた。わたしは、これでハンコも作る。

右が、グランド(防食液)を塗った銅版。この、黒いグランドを剥がすようにして、ニードルで版に絵を描いていく。

◆ 腐食した銅版 ◆

絵を描き終わると、腐食剤(私は硝酸を利用)に漬けて、版を腐食させてゆく。今回は16時間程腐食したため、銅版に穴まで空いてしまった。(失敗)

腐食を終えた後、グランドを剥がして水洗いする。

先ほどニードルで描いた部分が溝になって、版が完成する。

 銅版のメッキ ◆

銅版は、そのままではやわらかく、溝にインクをつめているときに、傷ができてしまうので、ニッケル液でメッキして盤面を強化しておく。

左の道具は、カンタンにメッキができる道具。今回初めて試してみた。銅版に赤いプラグをつないで、電気でニッケル液を分解させて金属にメッキをするらしい。

最近では、これ無しでは作業が進まない。(嬉)

◆ インク詰め ◆

先ほど出来た溝に、インクを詰めていく。左がインク缶。缶は、飛行機の荷物検査でいつも引っかかって、スーツケースをオープンさせられる。今回の旅では、グランドを没収された上に、インクまで没収させられそうになった。絶対に爆発しないと言い放ち、強引に持ってきたのであった。

今回の目玉は、安売りしていた、ブルーのインク。レンブラントブルーのような、独特な藍色は、プリントすると、どこまでもやわらかく、心が和んでくる。

左したにあるのは、リノニウム版といって、版画に使うゴム版だが、これをカットして、インクを詰めるヘラに利用している。

◆ 「雨上がりの夜空に」号 ◆

初公開のプレスマシーン。爆弾に間違えられながら、日本から持参した。いやあ、大変だった。これ無しでは、銅版画は作れない。今は、まだ小さいのしかないので、もう少し大きいのを購入したいという野望がある。しかし、まだ一枚も売れてないしな・・・・。

プレスマシーンは、高額なのだ。インドネシア価格で1200万ルピア。(バイクの新車一台分と同額)新しいのを買うのは、投資額回収の目処がたってからにしようと、思わずにはいられない。そのうちに行き詰まってやらなくなるかもしれないしな・・・。しかし、1200万ルピアを回収するには、何年かかるんだろう?

テーブルの下では、小さい青い版画たちが並べられ、乾くのを待っている。

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