◆◆◆ 004 ニュークニン イブイブの踊りの朝 ◆◆◆
◆◆◆ 朝7時集合 ◆◆◆
庭掃除のオジジ様が、珍しく話し掛けてきた。
『今日は、イブイブの踊りがあるので、家にみんな集まっているから、写真を撮れ』と言う。
『なんで、アタシが写真を撮んなきゃなんないのよっ。』
と内心思いつつ、カメラを持って大家さん宅に出向く。おおっ、既に10人ほどのイブが大集合している。
◆◆◆ 箱の中身は・・・ ◆◆◆
バリのカンザシ。
髪に刺す部分は、シルバーでできている。ゴールドの部分は、金だと言っていた。ウソだろう???
どう見ても、銀を45%以上混ぜて、伸ばしていますという色である。しかも、ペラペラ。金箔かと思ったぜ。
一個100,000ルピア位するらしい。
真鋳も混ぜてあるな。きっと。
◆◆◆ 巨大箱の中には、髪の毛 ◆◆◆
開けたアタシの方が驚いたよ。
どう見ても、ケーキの箱だもんなー。
ちなみに、左奥のオレンジの花はウチのっす。
イブめ、盗みやがって・・・・。一言断れよな・・・。
ま、沢山咲いているからな・・・・。彼女の家の敷地内なわけだし。気持ち的には判らなくも無い。
彼女は、アタシがオレンジの花を見つけたのを見て、ビクビク物だった。日本ではね、これを窃盗っていうのよーっっっっ。
あ、でも、『花泥棒は許される』っていうしな。無限に咲いていることだし、ま、いいとするか。
◆◆◆ 髪結いさん持参の化粧セット ◆◆◆
どうやら、髪結いをするときには、美容師さんが、化粧セットも持参するらしい。
ファンデーション、頬紅、アイシャドー、ルージュ、仕上げのパウダーなどが、パレットの上に並べられている。なかなかの品である。一体いくらするんだろう?髪を結い上げたオババは、早速化粧を始めている。
朝七時から、メークをしているというのに、肝心の踊りは、午後一時から始まるのだ。オババの顔も、どうしても、化粧が濃くなってしまう。仕上がり具合は、もう、ランダのようである。スポンジのチップに、アイシャドーをつけるオババ。
彼女は、アイシャドー使ったことがないのかなぁ?新しいアイシャドーを、メキメキと割り、タップシと粉をつけている。うひょーっ。アタシのじゃなくてヨカッタよ。人のだと思い、やり放題である。バリ人には化粧品、貸すのよそうね。ボロボロになって返ってきます。はい。
◆◆◆ 大家さんの様子 ◆◆◆
髪結いさん、色白くしすぎっす。首の色真っ黒なのに、顔だけ白いの、変っす。
まあ、仕方ない。彼女たちにしてみれば、白い肌は、羨望の的。
アタシなどは、帽子の効果で、かなり白い状態を保っているのだが、どんな化粧品を使っているのかを聞かれることも多い。
どーせ、あんたにゃ、買えないからさ、聞かないほうがいいよーっ。結局買えない事が解って、ガッカリするだけだからね。
挙句の果てに、土産で買って来いとか、訳解らないこと頼まれるし。(注:アタシは、化粧品使ってません。たはっ。)
無視無視。
◆◆◆ 踊り帰りのオババを激写 ◆◆◆
化粧の風景を覗きに行った後、アタシは銅版磨きに熱中し、気づくと3時半だった。
通りが騒がしいので、カメラを持って駆けつける。手に手に、みやげ物のようなものを持ち、オババ共が帰ってくる所だった。
『写真撮らせてぇ!!』と頼むと、ゾロゾロ寄ってきた。
写真に慣れていないので、ちょっと緊張気味。この姿を見て、『イブイブの踊りなんて、ヤッパシ行かなくて、正解だったよな』と、得をしたような気分になるオジャラだった。
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