◆◆◆ 013 銅版画の下準備 - その2 ◆◆◆

 

◆ カッティングシートで保護 ◆

銅版の、絵を描かない側は、カッティングシートを貼り、腐食されないように保護する。 これをやらないと、版の両面から腐食が進んでしまい、版がデコボコになってしまうのだ。

これは、UBUDの露天商で売っているカッティングシート。

こちらの人は、車や、バイクにデコレーションするのが大好き。炎天下、屋外で店をもてないシール小僧共が、ステッカーなどを売っている。保存状態が心配だったが、今回は、これを買ってみることにした。

今までは、ガムテープを利用していたが、巾が狭いので、貼るのに手間がかかっていた。しかも、空気が入って、酸につけたときに穴が開く惨事もあった。今後は、こちらに切り替えようと思う。

◆ グランド・ローラー・パレットナイフ ◆

ガラス瓶に入っているのが、グランドと呼ばれる防食剤。私が前回日本から来るときに、1kg程没収されてしまって、ショックを受けていた物である。

これは、一年以上前に持ってきたグランドの残り。

グランドには、ソフトとハード(コンタクトレンズのようだ)があり、没収されたのは、ハードの方。

ソフトでも、出来ないことはないのだが、線の出来としては、ハードグランドの方が好きなのである。今は、手持ちにソフトグランドしかないので、止む無くこれを利用する。

ソフトグランドは、テレピン油と混ぜ一晩置くと、練りチョコのようになるので、それをナイフで取り出し、ローラーで銅版に塗る。私は、腐食時間が長いので、しっかりと、厚く塗る。

◆  暖めて、グランド銅版に定着させる ◆

ろうそくやアルコールランプで、下から温めて、グランドを版の上で溶かして、定着させる。半日くらい乾かしてから、銅版に絵を描く。

この作業の続きを見たい人は、以前ご紹介したニュークニンポスト★アトリエの様子をご参照下さい。

しかし、銅版画というのは、準備も手間もかかるものなのよぉ。「だったら辞めれば?」と、皆様お思いでしょう。

アタシもそう思います。多くの画家が、シルクスクリーン(プリントごっこのお化け)に流れてしまうのが判るわね。あちらは、色もつけられるし、作る工程が簡単だもんねぇ。

でもね、プリントごっことは、線が違うのよ。WEB上では見えないけれども、実物はインクが盛り上がっていて、味があるのよね。

ま、乗りかかった船。もう少し続けてみようと思うのだわ。

◆ 額縁も完成 ◆

画像圧縮しすぎて、額縁の模様が良く見えなくてすみません。

一応、ジャワで加工した、フレーム用の木を輸入して、バリで作っている。マットもあるのだわ。(驚)

当然に日本よりは安いが、クオリティは、今ひとつ。しかし、この程度の絵の額を日本で作らせるほどアタシゃ金持っちゃいないのよ。(スガタ先生の絵は、当然に日本で作らせました。)

アクリル版が売ってないので、ガラスの額になってしまって、持ち帰ったりするのには向かないんだけどね。

しかし、絵というのは、やはり額に入れると、多少グレードアップするものねぇ。

「馬子にも衣装」 ← こう言うと思ったでしょ。うふふふ。

Established 1998 Rica's Bar WEB SITE & Since 2003 Atelier Ojara.

Copyright (C) All Rights Reserved by Rica Ojara.