バリ島 ★ぶうげんびりあ (HTML版)


◆◆◆ 101 / いつまでも完成しない絵に色を塗ってゐる ◆◆◆

いつまでも完成しない絵に色を塗ってゐる

週一のヌードデッサンに通いはじめてから6ヶ月。欠かさず通っていることもあり、ジワジワと描けるようになってくる。今までは顔しか描けなかったのだが、体もだいぶ描けるようになってきた。ポーレインの個展や、バリに来た友人のアーティストに影響を受けたりして、急に油絵を再開しようと思い立つ。

実は、未公開なのだが、バリに引っ越してきた時に、三枚程描いた油絵があった。この絵たちは、あまりにも出来が悪かったため、二年もの間、クロゼットの中に入れて、見ないようにしていたのだ。

再び油絵を始めるに当たり、カンバス代節約のため、三年前の絵を白く塗りなおし、他の絵を描く事にした。

この挿絵のバラの花の絵は、初めにボテボテに塗ってしまったため、白い絵の具で塗り重ねる事ができなかった。

仕方がないので、このまま、この絵を続ける事にする。

油絵を描く時に、必ず絵の具を出しすぎてしまう。正確には、少ししか出していないのに、絵の具を余らせてしまうという感じである。

余り絵の具は、捨てるにはもったいない。筆についた絵の具の残りなどとともに、このカンバスに塗り重ねてゆく。塗りの新しい技法を試したりしながら、毎回、最後の絵を塗り終わった後、パレットと筆の掃除を兼ねて加筆される。

いつまでたっても、筆を置かれるということもないし、いつまでたっても完成するということも無い絵。そんな絵があってもいいなと思ったりもする。

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