バリ島 ★ぶうげんびりあ (HTML版)
◆◆◆ 098 / 太陽のようなお顔の女性であったよ ◆◆◆
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太陽のようなお顔の女性であったよ ある日、オットのランニングを買おうと、モンキーフォレストのみやげ物店を冷やかした。 『パサール』の近くの、小さい土産物店で、ランニングシャツを五枚買う。店番をしていた小さい女の子は、釣銭を探しに、両替店に走っていった。 釣銭が帰って来るまでの時間、隣のみやげ物店を物色する。彼女は、アタシにサロンの一枚でも買ってもらおうと必死になる。 小柄で小太りの女性は、四十歳くらいかと思った。美しい丸いお顔だった。 釣銭が戻るまでの時間、一枚のサロンを巡って壮絶な価格交渉がやりとりされたのだが、結局私は買わなかった。サロンは、家の近くの店でもっと安く買えるからである。 しかしながら、私は彼女には執着があった。 後日、クレヨンと紙を持参し、彼女の店を訪れる。客も少なく暇なのか、彼女は、店の奥で昼寝をしているところだった。 散々値切ったというのに、結局買わなかった客だったので、彼女はアタシの事を覚えていた。 早速彼女に『絵のモデルになってくれないか』と頼んでみる。 暇なこともあり、彼女は快く引き受けてくれた。 彼女の年齢は、実は二十一歳だった。それで、輝くように美しいのかと、アタシはハッとした。 バリ人をはじめ、外国人の年齢というのは、全く解らない。 彼女は、少し太っているのを気にしており、『痩せたい』などと愚痴り始める。独身であれば、結婚相手を見つけるまでは、なんとか、細い体系を維持しなければならないというのも頷ける。『彼女の美しさに、男性は気がつかないかもしれないな』と、アタシは思った。 私が絵を描いていると、近所のバリ人が次々とやってきて、私は、全ての人を描かなければならなくなった。隣の店の、小さな女の子もいた。 それでも、絵を描くのは楽しい。 女の子の兄弟や、赤ちゃんを抱いたイブなども描かせてもらう。 絵を沢山描けば、そのうちに、少しは上手くなるかもしれないからな。モデル料はタダだしな。 『これからは、目をつけたバリ人を次々と描かせてもらおう。』 今日の事に気を良くしたアタシは、かなり調子に乗ってきたようだ。 UBUDの土産物店をブラブラするときも、土産物というよりは、店員のチェックに忙しい。 |
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