ヌードモデルに絵をねだられてゐる

ヌードデッサン会は週に四回もあるし、アーティスト達は、女性を描きたいので、モデルのローテーションは、結構大変なのだった。モデルが不足がちになると、常連さんで、人のよさそうな人の中から、臨時モデルが選ばれてしまう。

そんな時は、モデルへのお礼に、、安価なモデル代とともに、アーティスト達は、自分の作品をあげることも多い。

最近のヌードデッサンでは、私も、モデルさんに絵をねだられる事が多くなった。

理由は、私のほとんどの絵が、デッサンの時間内に完成できるようになってきたからである。

絵はまた自分で描けるわけだし、毎週四回も描いていると、どんどんとスケッチも貯まってくるので、一枚や二枚、どうということはない。

常連さんの臨時モデルは、他のモデルさんが、絵を貰っている事を知っているので、遠慮無く『欲しい』と切り出してくる。

しかしながら、バリ人で、家庭もあるお母さんモデルとなると、そうはいかない。小さい子供がいたりすると、裸体の絵のモデルというのは、なかなか説明しづらいお国柄という事情があるようだ。

中にはオットに内緒でバイトしている人もいる。『もらっても、持ち帰れない。』などと言われてしまったこともある。たはっ。失敗。