画家の悩みのつま先

ヌードデッサンに通って、だんだんと、女性の体が描けるようになってくる。これは、版画の下絵用に、デッサンをペンで描きなおした作品。ああ、またつま先が切れてしまっている。

アタシの絵はいつもそうなのだ。

紙に対して絵が大きすぎて、全部が入りきらないのだ。

人間を描いていて感じるのは、立ち姿だと上半身しか紙に入らないので、絵的に物足りないということだろうか？

例えば、足が一本体の陰に隠れていたとしても、二本描きたいとか、つま先は、どうしても入らないポーズなのだが、足をムリに曲げたりして、入れてしまうとか、そういう気持ちにさせられるのだ。

最近は、道ですれ違った人などでも、モデルを頼んだりする事がある。絵が巧くなって来たこともあるが、描きたいと思う人はそう多くないからだ。

そういう方々に、ポーズを取ってもらう時には、なるべくコンパクトなポーズを取ってもらうようにお願いする。

アタシが紙の中に、全身を描きこめるようにするためである。知らない人なのに、自分の好きなポーズを取ってくれているというのは、なんかいい。