バリ島 ★ぶうげんびりあ (HTML版)


◆◆◆ 076 / 動き始めた祝いの時計 ◆◆◆

動き始めた祝いの時計


従兄弟の結婚式の引き出物で頂いた時計。ボールペンとセットになった、卓上型。ずっと使わないまま書棚に飾ってあったのだが、バリに持ってくることにした。時計なんて買うのはもったいない。

どんな家にも、使っていない時計の一個や二個あるものだ。日本のデフレもここまで来ているから、いつまでたっても景気が回復しない。例えば時計が壊れたとしても、家で眠っていた新しい時計がやっとデビューすることになり、その時計は、また、十年も二十年も動き続けるのだ。世界最高水準の技術は、結局日本人の首を締めているのかもしれない。時計を見るだけでも、日本の不景気が『壊れないモノ作り』から来ていると再確認する。

企業幹部よ、製品は二年に一回は壊れるように設計し、部品は交換ができないように新しいものをどんどん開発し、消費者に新しい品を買わせるようにしなければ、売上は低迷するばかりだぜ。

パソコン屋を見てみろ。一年に一回は動かなくなり、三ヶ月に一回はリカバリーが必要だ。パソコン屋め、儲けやがってっ。

バリの家に移った当初、マタハリデパートで、壁掛け時計を二個買った。一つは日本製(約千円)、もう一つは『クオーツ』などと書いてある、怪しい時計(約五百円)。

案の定、日本製でない時計は、二ヶ月程度で動かなくなり、電池を取り替えても、どうしても前に進まない時計になってしまった。ビニールに入れてごみ箱に捨てると、すぐに誰かが持っていった。人んちのゴミ、持っていくなよ。バリ人よ、ごみ箱を開けるな。

まあいい。持っていかれてしまったものは,仕方が無い。

奴らは、修理して使うのだろうか?それとも、壁飾りにでもするのだろうか?あれは、修理しても直らないだろうよ。

そういえば、ラジオや家電製品をタダで回収して、それを海外に輸出する人たちがいるよな。時計も一緒に集めてみようかな?バリ人に売ろう。『日本製一個三万ルピア』。即日完売間違いないわね。ああ、バリで時計なんか買うんじゃ無かったよ。

頂き物とはいえ、さすがに日本の時計は、狂わない。しかも、この時計には目覚まし機能もついている。(まだ使った事は無い)

アタシの友人は美人揃いで、次回バリに来る時にはモデルになってもらう約束があるので、そんなときに使うこともあるかもしれない。まあ、一対一でやるんだから、別に、時間を計る必要もないのだが・・・。

今のところは、アトリエの机の上の、膨大な愚作の下に埋もれながら静かに動いているはずだ。

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