バリ島 ★ぶうげんびりあ (HTML版)


◆◆◆ 068 / 俳句ノートの上で眠っている ◆◆◆

俳句ノートの上で眠っている

朝の家事を終え、アトリエに行くと、彼女は、机の上に広げていた、俳句ノートの上で眠っていた。

いやーん、爪も磨いでいる・・・。

彼女は、アタシの俳句に言いたい事があるらしい。

『たいした句じゃないねー。才能が無いんだから、辞めたらどうだ』

と言わんばかりの態度である。

俳句のノートは、マクロで買ったA5サイズのバインダー。バインダーを利用しているのは、句を編集した後に、差し替えることができるから。A5サイズにしたのは、持ち運ぶのに便利だから。手帳サイズにしなかったのは、手帳用のリーフレットがバリ島では、手に入らないからである。

どんなことにも理由はあるものだ。

俳句ノートは、アトリエと寝室に置かれていて、思い出したように、時々書き込まれる。

絵を描いているときにも、俳句がポっと浮かんだりして、また書き込まれる。

ワタシが俳句を始めるようになったのは、バリに来てからである。『自作の版画に俳句を入れてみよう』などと、今から思い返せば、無謀な企画を始めてしまう。

しかしながら、自作の俳句はあまりにもお粗末だったので、見かねたネットの俳句の友人が、鍛えてくれることになった。

ネット公開俳句添削のようなものである。いやあお恥ずかしい。

その後、自由律俳句の『種田山頭火』や、『尾崎放哉』の自由律俳句も読み進み、自分の句を詠みたいと、句作をするようになったのである。

インターネット上で特訓の成果があったのか無かったのかは別にしても、俳句というのは、アタシの新しい趣味に加わったようである。

 俳句の一番の魅力は、金がかからないことであろう。

世の中にはイロイロな趣味があるが、俳句ほど、気軽に始められて、金のかからない趣味は少ないんじゃないかと思う。

金のかからなさは、『立ち読み』の次と言っても過言ではない。必要な物は、歳時記。それから紙とエンピツだけである。

句作を一人で進めてゆけるというのも魅力の一つである。活花や書道などは、お免状を貰うために金もかかるし、お道具代もかかってくる。

発表会や、展覧会などに出すと言っては、また払う。

お茶などに至っては、お金がいくらあっても足りなくなってくる趣味である。

俳句には、段位も無ければ、お免状もない。気楽である。俳句を趣味としている人は多いので、お友達も沢山できるし、共通の俳人の話で盛り上がったりすることもできる。

歳時記を読んでいるとボキャブラリーが増えてきて、ちょっと頭が良くなった気さえしてくる。

とりあえず、句の数がまとまってきたので、俳句に絵やエッセイをつけてみる。そして、俳句に絵をつけるのは、『なんか邪道だ』と思ったりもするのである。

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