バリ島 ★ぶうげんびりあ (HTML版)
◆◆◆ 057 / 蝿取り蜘蛛は失敗した ◆◆◆
|
蝿取り蜘蛛は失敗した
理由は、蜘蛛の巣を張らないので、駆除もされないからである。 我が家には、大きなガラス戸が何枚もあるのだが、蝿取り蜘蛛は、窓ガラス一枚に、一匹位の割合で、縄張りを持っている。ゴミ箱の周りにも、一匹か二匹。蝿が集まりそうな場所には、必ずスタンバイしているのが特徴だ。 裏から入ってきた蝿が外に出ようと、窓ガラスにぶつかって、バタバタしているところを、狙い撃ちするのである。 しかしながら、その効率の悪さも天下一品。 蝿がエサなどを発見し、夢中になっている所に近づいて、ジャンプしながら、直接キャッチするという、原始的な捕獲方法なのだが、どうもドン臭い。蝿には、羽があるわけだし、ほとんどの場合、3センチの所まで近づくと、『ブーン』と逃げられてしまうのだ。 『あっ、もう、また失敗したよーっ。』などと、見守るアタシの方が汗をかいていたりする。 もうちょっと、確実に狩を成功させる方法を考えた方がいいんじゃないかなあ。 それでも蜘蛛は、時々は、蝿を捕まえているようだ。蝿取り蜘蛛は、蝿と同じ位の大きさか、少し小さい位なのだが、捕まえるとガッチリと前足でつかみ、蝿の体液を吸い取るのである。捕まってしまった蝿は、蜘蛛にかぶりつかれたまま、穴のあいた風船のように、少しずつしぼんでゆく。 『おおっ、吸い取られているぜ・・・』 蝿取り蜘蛛は、アタシが凝視していると、安全な場所に、蝿ごとぴょこぴょこと移動し、またチューと体液を吸う。蝿は、ショボンとするまで吸い尽くされて、小さな塊になり捨てられるのだ。 多くの場合、蝿は、蜘蛛を振り切って、ブーンと脱出に成功するのだが、世の中はそんなに甘くない。 命からがら逃げた先には、窓のヘリで待ち構えるチチャがおり、パクリと食べられてしまうのだった。 弱肉強食だわぁ・・・・。 絵を描いていて、蝿がブーンと窓ガラスにぶつかると、どうも、蝿取り蜘蛛とのバトルが気になって、観察してしまう傾向にあるようだ。 アタシも、結構暇である。 |
Established 1998 Rica's Bar WEB SITE & Since 2003 Atelier Ojara.
Copyright (C) All Rights Reserved by Rica Ojara.