バリの家の風呂場は、半露天である。

初めて見たときには驚いたが、バリの気候を考えると、半露天の構造は、この国に適していると思う。

一メートル幅の路地があって、その向こうには、敷地の境界線となるブロック塀が積まれている。

裏の家は、最近自分の敷地を畑にし、カンクンなどの青野菜を栽培し始めた。ウチの敷地ギリギリの場所に、なにやら青い植物も植え始めた。

初めは染料にする藍かなんかかと思っていたのだが、こんなに食い意地の張った裏のウチの人が、食べられないものを栽培するはずがない。

はっ、と気がつくと、その植物は、ニョキニョキと背を伸ばし、サトウキビとなっていたのであった。

自家製サトウキビかぁ。

ブタを蒸し焼きにしたりするときに、入れたりするのかなぁ。

刻んで、ラワールなどに混ぜるのか？

祭りの時に、パサールで売ったりするんだろうか？

それともそのまま、かじるのかなぁ。

無農薬だよなぁ。

サトウキビって、どんな味がするんだろう？

植物が、サトウキビと判明すると、どうでもいいことまで考えてしまう。

夕方、風呂に入りながら外を見ると、そこにはサトウキビ畑。

『ザワワ　ザワワ　ザワワぁぁぁ』などと歌いながら、風呂に入っているアタシがいる。