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◆◆◆ 043 / ゴミ箱のフタ また壊されている  ◆◆◆

ゴミ箱のフタ また壊されている

隣の家に『シロ』がいた頃、犬が敷地内に沢山入ってきた。犬共のエサは、慢性的に不足しており、奴らはいつも、食べ物を探しているからだ。

昔は、ゴミ箱が無かったので、スーパーのビニール袋に入れたゴミは、犬どもにゴミ置き場で引きちぎられて、毎日、そこいら中に散乱してしまう。

不衛生だったし、ゴミを掃除する手間も大変だったので、お隣は、ゴミ箱を買った。

プラスチック製の、大きなフタ付きのバケツだった。

ウチは、一ヶ月程ゴミ箱を勝手に使わせてもらっていたのだが、ウパチャラ週間に、ゴミ回収が長い間、来ない事があった。そういう時には、ごみ箱がイッパイになり、ゴミが溢れてしまう。お隣にもご迷惑なので、ウチも、ゴミ箱を買うことにした。

お隣の青色に対抗し、ウチは、赤いゴミ箱を買う。

一個二万五千ルピア。

しかしながら、安いだけのことはある。

初代のごみ箱のフタは、ゴミ回収の小僧に乱暴に扱われ、ボロボロになってしまう。そして、ある日、ゴミと間違われて捨てられてしまったのである。

庭掃除のオジジ様は、心配になり、ゴミ箱のフタを、遠くまで探しに行ってくれたらしい。大量のゴミの山の中で、ウチのフタを探してくれたのだという。知らないとはいえ、申し訳ないことをした。

フタがないと、雨季には、ゴミ箱には水も溜まってしまう。蚊も大発生してしまう。

フタの無いゴミ箱は、一時的な措置として、彫刻刀で底に穴を開けて、更に暫く使われたのだが、フタが無いと、人間や犬にゴミを荒らされしまうのだ。

仕方なく、新しいゴミ箱を、もう一個買う。

そして、一週間もしないうちに、フタは、乱暴に扱われて、また、壊されてしまったのであった。

こちらの人は、モノを持っていないくせに、大切にしないのだ。

人のモノだと思って、乱暴に扱いやがってっ。ったく。

しかし、ゴミには、二万五千ルピア以上は払いたくないと思っているアタシは、また壊れる事を知っていながら、同じゴミ箱を買ってしまう。

まるでバロンとランダの戦いのようである。

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