バリ島 ★ぶうげんびりあ (HTML版)


◆◆◆ 038 / 散髪も自分でしてゐるよ ◆◆◆

散髪も自分でしてゐるよ


別段、誰の役にも立っていない、ぐうたらな生活をしているというのに、髪の毛は伸びてしまう。人間というのは、結構不自由だ。

バリに来てから、オットの散髪の事を考えなければならなくなった。頻繁に日本に帰国していたときには、日本で散髪すればよかったのだか、長期に滞在するとなると、そういうわけにもいかない。ロンゲにするような面でも無いし、長い髪は暑いので、快適ではないのである。

オットは一度、バリの散髪屋に行ったのだが、消毒もしていないハサミやバリカンを使われてしまう。仕上げにも、やはり使いまわしの、消毒をしていないカミソリで襟足をいきなり剃られてしまうのだ。

くわばら、くわばら。こんな所で、変な菌に感染したりしたら、笑えないもんね。病院だって信用できないから行きたくないし・・・。安全に生活するためには、自己防衛が最も確実なのである・・・。我々の『髪の毛対策会議』が、緊急に開かれた。

結局日本に帰国したとき、家庭用のバリカンを一個購入する。(図右側の紫色のやつ。)しかし、ワイヤレスなのはいいのだが、パワーがイマイチで、使い心地が十分では無いことが判明。一年も使っていると、なんかヘタってくるのであった。

日本人で、家庭用バリカンを、こんなに使う人もいないだろう。

最終的には、バリでもバリカンを買ってみることになった。電圧が高いので、凄いパワー。よく切れる。

初心者用の練習用バリカンで、プラスチックのアタッチメントが四個と、ハサミ、クシがついて十八万ルピア。(約二千五百円。ちなみに、プロ用バリカンでも一万円位で購入できる。)

バリ人の散髪代金は、一回五千ルピアなので、三六回自宅で散髪すると、原価を回収できることになり、その後は、アタシの儲けになる。

毛が長くなると、カットするのに時間がかかってしまうので、今では二週間に一度以上のペースで散髪している。

このペースなら、バリカンの投資費用を回収するのは、結構カンタンなように思われる。

そういえば、最近、ニュークニン村にも、ビューティーサロンの看板が掛かった店が出来ていた。アタシは、髪の毛を切ってもらおうと、早速出かけたのだが、店は閉まっている。

入り口付近で遊んでいた小僧に、奥の人を呼んでもらって聞いてみると、

『お金が無いから、カットする道具が買えず、ビューティーサロンをスタートできないのよ。』という答え。

『いつ、スタートするの?』と聞くと、

『お金が無い』の一点張り。

なるほどね。

あんなに安いバリカンも、バリでは高価な品なのである。

カット用のハサミだって、七百円位で買えるというのに、開業資金が不足しているため、いつまでたっても、店は閉まったままで、結局、収益にはつながらないまま、何年も経ってしまうことも多いのだ。

バリ過ぎるぜ。

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