バリ島 ★ぶうげんびりあ (HTML版)


◆◆◆ 033 / 誤字だらけの看板を見つめてゐる ◆◆◆

誤字だらけの看板を見つめてゐる

新年も間近になったある日、村の集会場前に、新年を祝う看板が立てられた。

高さ二メートル程もある、大きな看板だった。

毎日通る場所であるが、初めは気にも留めなかった。

ある日、集会場の前でサテが焼けるのをまっているとき、『HAPPY』という綴りが間違っている事を発見。

おおっ。さすがインドネシア。

英語の正しいスペルというよりは、『耳で聞いたままの発音』で表記するのもアリなのである。

そしてその看板をよくよく見ると、全ての綴りが間違っていることを発見する。

誰に向かって作った看板か知らないが、よくもここまで、間違った綴りで書けるよなぁ。

数字以外は、全部間違っているもんなー。

そして、ニュークニンは貧乏なので、上の学校に通える人も少ないし、辞書などを持っている人もいないから、正しい綴りを確認のしようも無いのだと思い当たる。

もしかしたら、村には一冊も英語の辞書がない可能性すらある。

UBUD辺りであれば、英語をきちんと学んだホテルマンや、ウエイターなどが沢山いるので、このように間違った看板を作ると、村の中に、必ず間違いを指摘してくれる人もいるのである。

この看板は、結局二ヶ月間も、集会場の前に飾られていた。来年も、色を塗りなおして、飾るに違いない。

彼らは、彼らなりに、金を掛けて、リッパな看板が出来て得意な気持ちなのである。

バリ人のいい加減な仕事ぶりを象徴する逸品である。

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