バリ島 ★ぶうげんびりあ (HTML版)


◆◆◆ 016 / お粥 バナナの葉に包んでくれたよ ◆◆◆

お粥 バナナの葉に包んでくれたよ

パサールに行く時には、決まってお粥を買う事にしている。バリ島では、お粥のことを『ブブール』と呼ぶ。

ブブールは、ちょっと塩味。お粥というよりは、ノリのような感じである。要するに、日本のお粥のように、水分が多くないのだ。しゃもじですくって、バナナの葉の上に乗せると、ぷるるんと、柔らかいご飯の塊が震える感じである。

スパイス味が大好きなバリ人である。ブブールには、当然におかずもついている。

おかずは何種類かある。モヤシをスパイスで和えた品。大豆をふやかして、スパイスで煮込んだ品が二種類位。鶏の骨などを使って煮込んだカレースープ。激辛い香辛野菜やサンバル。とりあえず、原価が安いおかずばかりである。

おかず各種は、ホーローの鍋やプラスチックの皿に入れられて、ご飯の鍋の横に、所狭しと並べられている。

朝飯としてブブールを買う客は、オババに注文をつける。マメとか、モヤシとか、スープ多めとか頼んでいるのだと思う。

最初の二度位、アタシも、この、『バリ式お粥フルセット』を試してみた。しかしね、朝飯には辛すぎるのよ。

しかも、この硬いマメ、消化に悪そう。あとで、胃袋の中で膨れるから、腹持ちはいいかもしれないけどね。お粥だけ食べさせてよ。

そんなこんなで、次からは、シロ飯だけを注文することにする。一回目は、鶏のカレースープをかけられてしまう。

二回目は、なんとか成功する。

三回目は、売ってくれなかった。(たぶん、ご飯だけ売り切れていたのだと思う)

パサールでの買い物は、まさに、知り合いかどうかだなぁと思う。アタシは外人なので、特にそうなんだとおもうけど、バリ人同士だって、初回とか、二回目は、ちとお高い価格だったりする。何回か買い物をしてあげて、やっと、顔を覚えてもらえる。

更に続けて買うと、おまけがついてきたり、量が増量されたりする。パサールで日用品を買い物するイブには社交性も必要なのである。

最初は無愛想だった『ブブール』オババとも、最近は顔なじみになり、アタシが行くと、シロ粥だけ売るのに慣れてきたようだ。

オババは、汚いタオルでバナナの葉をひと拭きする。二重にしたバナナの葉の上に、ノリ状のお粥を乗せて、くるりと包む。最後に、竹串(自家製だと思う)で留めて、ビニールに入れてくれる。しかしな、もう何回も買っているのに、毎回笑いながら渡してくれるのよね。はは。よく同じネタで何度も笑えるよな。しかも、辺りにいるオババに、毎回アタシがシロ飯だけを買う事を説明するのよね。はは。ま、いいか。売ってくれるだけでもありがたい。

お粥は、梅干一個を乗せて、家でゆっくりと頂くことにしている。

ああっ、幸せっ。

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