バリ島 ★ぶうげんびりあ (HTML版)


◆◆◆ 009 / 一晩ふやけたしなちくコトコト ◆◆◆

一晩ふやけたしなちくコトコト

空港の近くにある、イダ・バグースラーメンで、ラーメンを食べる。おおっ。メンマが乗っているではないか・・・。

ウチのオットと言えば、メンマチャーシュー、メンマチャーシューといえば、オットである。メンマはオットの体の一部であるかのように日本では欠かせない一品だった。

店の姉ちゃんに、

『これも、日本から取り寄せているの?』

と聞くと、

『ローカルで買える』

との答え。

どこで買ったかを更に聞くと、

『近くのスーパーで買える』という返事。

早速スーパーの場所を聞き、帰りに立ち寄ってみるが、案の定見つからない。

ガセ情報を流すのは、バリ人にはよくあることである。

まあ、奴らの思考回路には、『知らない』と言いたくないという気持ち。『教えてあげて、親切ぶりたい』という無責任な親切心。更に、知らないのに、知っていると自分まで勘違いしている『ああ、勘違い』の、三点が共存している。

道を尋ねると、知らないくせに、さも知っているように、目的地の方向を教えてくれる。満面の笑みで自信もタップシだ。それを信じて進んだ観光客は、結局さらに道に迷ってしまうのである。

バリでの生活が長くなると、こんなことは日常茶飯事なので、怒ったりはしない。彼らだって、親切な気持ちから教えてくれているわけだし、悪意があるわけではないのである。『もうちょっと、道を知っていそうな人を探し、もう一度聞きなおす。』を繰り返し、なんとか目的地に到着できるのだ。否、結局到着できずに諦めて帰ってくるということもアリなのだ。

とりあえず、メンマがバリで買える可能性があるという情報だけでも、我々には貴重な情報だった。今日のところは多目に見てやろう。

しばらく経ってから、とある日本食材店で、メンマの塩漬けを発見。中国産メンマだが、パッケージにはカタカナで『メンマ』と書かれている。日本のラーメン屋用に製造され、日本経由でバリの日本食材店に入ってきた品と思われる。価格は二キログラムで二千五百円程度である。うっひょーっっ。しかし、オットとメンマは一心同体。悲願のメンマである。買わないという選択は無い。

二キロといっても、内容量は、メンマ一キロ、塩一キロといった感じ。

塩を何度も洗い流し、更に、一晩水に浸けてふやかす。

翌日、ミネラルウォーターで、コトコトと煮て、更に塩を抜く。水を切って椀に盛り、自家製チャーシューと、チャーシューのタレをチョコっとかけて、ネギをパラパラとふりかけて完成。

プハーーっっっ。ビンタンには、よく合うのよね。

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