◆◆◆ 1699 ★ ここ3日の話 ◆◆◆
インターネットラジオFM北千住 ときどきゲリラ的に収録・生放送(あとはいつでも見れますよん)
2012.5.13. 今の仕事は五時に終わるので、6時ぐらいにはギャラリーに立ち寄り一息つくことにしている。 そうすると、誰かしらやってきては、なんらかを話してゆくのである。 月曜日は、頼まれていた個人的な品物の修理が終わったので、依頼者が回収にやってくる。 個人的には、良く出来たとも思わないのだが、その人も自分で直せないのだから仕方が無い。 引き受けたくもないが、わずかなお金のために、断ることもできない。 それは、あらゆる仕事がそうなのだが、頼むほうは「こんなに払ってあげている」と思うことが多いようで、やはり、この場所での私の精神修行は続いてしまうのだ。 アタシが高速で仕上げるということも原因の一つだと思う。 何をやっても、早いのだ。 「こんなに短時間でできるのに、そんなに取るのか」と、長いこと代金を払ってくれない人もいた。 自分に出来ないことだから、アタシに頼んでいるわけだし、相場よりゼロ一個は少ないよ。 急げというから急いで作ってあげたのに、短い時間しか費やしていないから金は払えないというのは筋が違う話である。 |
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内心は、そう思いながら、ニコニコとするのが精神修行。 生きるって大変ね。前に進むためにはイロイロなことを乗り越えなければならないということになる。 その修理を頼んだ人は、いつもよりも余分にお金を払ってくれたので、アタシは少し安堵した。 それだって、普通の修理店にだしたら、その四倍ぐらいは取られるという価格ではある。 私は物凄く器用で、しかも、もの作りに対する知識が深いので、イロイロな人にイロイロな修理や雑務を頼まれる。 ホントウに良心的な価格で引き受けているつもりだが、そのことが、返って軽く見られる原因なのかもしれない。 人が良すぎるんだよなあ。うん。 この五年間で、自分がつくづく商売に向いていないというのはよく分かった。 そうして、なんやかんやお礼だと言い、イロイロな物品をくれようとする人がほとんどなのだ。(それも、わざわざ私のためを思い、買ってくる。) 今回、なんらかをくれようとした人は、アタシは食べられないものだったから断った。そうすると、「折角アナタが喜ぶと思って買ってきたのに、お返しのこととかを気にしないで、受け取っておけばいいじゃない」と、今度は怒り始める。 その後仕事の代金を受け取ると、「お金は受け取るんだ」とボソリ。 ウチは、店なんだからさ、なんらかを依頼されて仕事をしたら金はもらうよな。うん。 アタシは、お金のために、修理を引き受けたのであり、その人が自分の趣向で選んだ、アタシが食べない品物を受け取るために引き受けたのではない。それをニコニコもらったアタシは、近所にもらった品を配って歩いたりもする。 アタシに食べ物をくれようとする人は何人もいるので、アタシは、何も受け取らないことにしたのである。 私は、ギャラリーは精神修行の場所なのだから、こういうことを乗り越えなくてはといつもニコニコしようと思うのである。 みなさん、ギャラリーに来るときには、手ぶらできてくださいね。お世話になったので、どうしても、何かアタシに喜ぶものを送りたいという方は、ワインとか、ビールにしてください。 |
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次の日は、女優の楠美津香さんがギャラリーを訪ねてくれた。 一人シェィクスピアを全部演じたという伝説の女優である。 よくもそんなに、筋やセリフが覚えられるもんだよね。 今度の公演は、30日に、北千住の大門商店街の入り口手前にある国太鮨にて、13時30分開場と、17時30分開場の二回。 木戸銭は2500円です。 アタシは、昔からやってみたかった舞台衣装や、舞台装飾の話をもちかける。 もともと、趣味が洋裁で、今は、着物なんかも沢山ある。 着物は、抱き合わせの安いセットを買うこともあり、もらうこともあるため、自分では絶対着ない品というのも増えてきた。 そういうのを処分できるし、一人芝居というのの衣装というのは工夫のしがいがある。 現代芸術的なものも取り入れたいよねとか話しながら、また夜になってしまう。 |
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水曜はといえば、前号の収集家と名乗る男。 電話してから来てくれないと、いつも不在ですよと念を押すのだが、彼は、そういうことと関係なく、勝手にやってきては、アタシが不在だと、静かに帰ってゆくのである。 そのあと、久々に日記を書いていると、近所のゲームの友がやってくる。 そうして、よほどストレスが貯まっているのか、40分ほど愚痴を話続けた。 アタシは、たいして聞いてもいなかったが、「あまりモメずに、相手がお金だと思い、頭を下げることね」 と助言する。 不景気で、この高齢となれば、次の仕事先などはそうはないのだ。 であるからして、「お金は大事だよ。アタシは、お金を払ってくれない人に、何度も頭を下げて、払ってくれるようにお願いしたよ。こちらには何の落ち度もなかったけど、払ってもらえばニコニコよ。」 そう話すと、彼女も、そのことに納得したようだった。 頭を下げたって、こっちのお金はちっとも出て行かないが、腹を立てれば、入ってくるものが入ってこなくなる場合がホトンドなのである。 そうして、今日も、また夜になってしまった。 はぁ。 |
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