◆◆◆ 1655 ★ 最近のドローイング ◆◆◆

インターネットラジオFM北千住 ときどきゲリラ的に収録・生放送(あとはいつでも見れますよん)

2011.9.28

ドクターマーチンのインクは、相変わらず入手できず、やむをえず、ウォーターマンの紫のインクを使う。

はぁ。

退色するんだよね。

墨で書こうかなあ。

どうしようかなあ。

ガラスペンを使っているということもあって、墨で書くと、(墨を少し寝かせたりしている関係で)ガラスペンに詰まるんだよね。

作品というのは、ぼんやりしていると次々と出てくる。

アタシは、店の前を通る若い店主さんたちを窓越しに呼び入れ、新作を見るように強要するのであった。

どの人も、首をかしげているが、まあ、それは仕方がない。

オジャラ「なるべく、何かを描くというところから離れて、どれぐらい自由になるかっていう所を、最近は目指しているからね」

MIROの絵などを見れば、

もはや、絵画ではない。そういうものを越えている。

という域であり、

そういう絵には、まだ遠い。

オジャラ「絵っていうのはさ、ピカソとか、マティスの絵とかと並ぶじゃない。そのときに、勝つっていうのはムリでもさ、負けちゃダメでしょう。

それでいて、これは、アタシの絵だって、見た人に解るぐらいの作品にならないとさ、一流にはなれないじゃない。」

店主「はぁ。そういうもんなんですね」

オジャラ「そりゃそうでしょ。絵で生きるって、そういう人たちとの戦いなわけでしょ。」

店主「・・・・」

オジャラ「ま、そんな絵には、まだ、遠いけどね。アタシの場合、いくらでも描けるわけだからさ、描き続けていれば、いつか、そういう日も来るかもしれないじゃない。」

店主「深いっす。」

オジャラ「もっと(値段の)高い紙に描きたいわ。はぁ。」

という会話。

この前、アートフェアに行ったときに、ピカソのリトグラフが売りにでていて、さすがのオーラだった。

他の全部の作品を勘案しても、圧勝という画力。

スゴイよなあ。

絵から出てくる画力というのは、絵を見て歩いていると、感じることができるようになる。

構想はオシオッサさん、作ったのはアタシ

それは、値段と比例していることも多い。

たとえば、海画廊で、以前、マティスの版画が売られていたときの話。

3000円のと55000円のが、同じ箱に入れて売られていた。

アタシは、記念に一枚買おうと思って選ぶと、それは、全部55000円のだという話。

3000円は、どうしても買おうという気にならなかった。

まあ、買っておけばよかったんだけどね。

画廊に飾って、「これは3000円で買ったのよね。ホンモノのマティスよ」

などというと、みんな、ホンモノの絵というのも、探せば結構安く変えることもあるってことが解って、画廊めぐりを楽しみにする人が増えていくからね。

ホントウの絵を沢山見て、それでもアタシの絵が欲しいっていう人が増えてくれないと困るのよね。

まだ、そういう人はいないけど。

それぐらい、絵というのは、沢山売られているということになる。

マティスの版画3000円には、しびれたよな。

世の中デフレである。

どの画廊さんも頑張っている。

買うほうも不景気なのだ。

商売の生き残りをかけて、全力でやれることをやる。

そういうことになる。

アタシは、そういう作品を見かけるたびに、絶望的な気持ちになっていたというのも、事実だと思う。

酒井抱一の番組を、玉三郎さんが解説されていた。

歌舞伎の演目に、雨宿りした男が、その家の調度品を褒めるというシーンがあるのだそうだ。

その中に、「この軸は、抱一のですね」

というくだりがあるらしい。

玉三郎さんは、「そういえば、いつもセリフで言っているのに、抱一を見たことが無い」と思い、調べたところ、ファンになり、今は3枚もお持ちなのだという。

ご予算のある方の集め方というのは、潔い。

日本画家の堀文子さん、93歳も、彼の作品の葉脈なんかは、写実をよく作られたうえの作品だと語られていた。

堀さんは、

「構図というのは(作家の)理性、色彩というのは感性だと私は思うんです」

と語られていた。

ここでいう構図というのは、イコール品格のことである。

構図=品格

抱一の作品は、構図と色彩両方を備えた、優れた作品なのだと評されていた。

構図=品格ということばは、全くその通りだと思わされた。

品の良い絵を描こうというのは、作品から見て取ることが出来る。

アタシには、色彩はあるけど、構図がなってないなって思うことは多い。すなわち、品もない。ということになる。

まあ、下絵を描かないからというのもある。

下絵を大量に描きながら進む作品というのは、絵の良さがそぎ落ちてゆくような気もちになることが多い。技術的な問題なのかもしれないけど、下絵を写すという作業が、線の躍動感を死なせてしまう。そんな気がしてならないのである。

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