◆◆◆ 1654 ★ 公募展の話 ◆◆◆

インターネットラジオFM北千住 ときどきゲリラ的に収録・生放送(あとはいつでも見れますよん)

2011.9.25

多忙にしていたら、今年もオカモトタロウ賞に出しそびれてしまう。

ユネスコの展示に出したりしたからだよなあ。

展示に出すと、物凄いエネルギーがいるよね。

置鮎さんなんて、新製作だもんね、昔は、女流とか、他の画壇にも出してたみたいだしね。

驚くよね。

彼女は、アタシのパソコンの生徒なんだけど、まあ、筋の良い生徒ではないが、目的がハッキリとしているので、教えれば、自分の才の全てをつぎ込んで作品を現金化している。

という表現が正しい。

世の中にはイロイロな公募がある。

チケットを頂いたりできる公募展には、なるべく足を運ぶようにしている。

どの画壇だから、絵がイイとか、悪いとか、そういうのを見に行っているのではない。

会としての、筋が通っていればいい。

趣味で楽しく描いている人の会もあれば、一流には手が届かないけど、それよりも下のランクの団体であれば、同じ作品が賞という画力の人もいる。

別に、格の低い画壇であっても、会としての頑張りを感じるところも多い。

書道の展覧会は、無料のことがほとんどで、そういうときには、必ず入ってみて回る。

書道の会にも、傾向があり、自由な書体のところや、厳格な臨書を徹底している会、様々である。

どの会も、運営者の思いというのがあり、一生懸命さは伝わってくる。

展覧会、公募というものは、会員のためにならなければならない。

会を運営していくには、協力者が必要となり、賞というものは、その、協力者を中心に持ち周りという会がほとんどである。

であるからして、よくない作品が賞を取ることもある。

それは、作品はまだまだでも、会にとっては必要な人材ということになり、まあ、絵の団体というよりは、会を維持するための「アメ」という趣で、賞は使われていることもある。

そういったこととは別に、優れた作品しか、賞を取れない団体もある。

格というのは、そのアタリを見ていてる。

会にも貢献しているけど、作品もいい。

まあ、そういうことになる。

この作品は、隣の賞を取った作品よりも、イイのにな。

と思って調べると、その人は、去年賞を取っているから、今年は別のひとになった。

ということも、多々あるということである。

構想はオシオッサさん、作ったのはアタシ

公募が画家や作家を幸せにしているのか。

そこに行き着くわけで、伝統工芸展の入賞者の番組は、欠かさず見てるけど、伝統+新しい技術。

新しい作品。

そういう若い力のある作品が賞を取っているのを見ると、日本も、まだ、頑張れる。

そう思うのだ。

審査員の先生は、見間違えない。

その、作品に現れる、高い技術や、作家の意思、作品の格調。

そういったものは、並べば、素人だって判断がつくぐらい、差のあるものなのである。

入場無料ということもあり、アタシは、伝統工芸展にも欠かさず足を運ぶ。

テレビで見た、あの、ウットリとした美しい器を、この目で確かめるためにである。

頑張って稼いで、いつか手に入れたい。的な目標を、一応書いておこうと思う。

今回感動したのは、二点。

一つは、箔を千切りにして、髪の毛ほどに切り、それを、ニカワで板に貼り付ける技法。

一旦貼り付けた文様の上に、ニカワを塗り、水晶の粉を振り掛ける。

そんでもって、更に、その上に、もう一度箔をはることにより、線を浮き上がらせた作品。

なんて美しいんだろう。

もう一つは、人形師さんの作品。

五本の針金に和紙を巻き、指先を作る。

手のひらの部分の和紙をニカワで貼り付ける。

そうして、今度は、それらに、胡粉をつけて、手の造形に盛り上げてゆくという作業。

細やかな手の表現は、単調化されたボディのフォルムと調和し、いっそう、人形の人間的な叙情を際立たせている。

人形というのは、手足だよな。うん。

そのあと、ギリシャ彫刻の解説のテレビ番組を見て、瞬間的な躍動感というのは、造形物であっても必要だと再認識。

日本の公募団体の入選作などのほとんどは、モデルを使って作っているということもあると思うけど、動きが感じられない。

今、どんなにちやほやされたとしても、普遍性を持たなければ、所有者に大切にされるということもない。

紀元400年頃に作られた大理石の像が、今だ、大切にされているという事実を勘案しても、優れたものというのは、誰でも、何故、その作品が優れているのかに気づき、大切に継承してゆくという力さえ巻き込んで、後世に残されてゆく道が出来る。

そうして、それ以外の作品は、どんなに頑張ったとしたって、ゴミになるだけなのだ。

おじゃら画廊

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