◆◆◆ 1773 ★ 不忍画廊→山本容子展 ◆◆◆
インターネットラジオFM北千住 ときどきゲリラ的に収録・生放送(あとはいつでも見れますよん)
2013.5.24. このあと、至近の不忍画廊さんを襲撃。八重洲の前にあった画廊を高島屋前に引っ越されてから、初めて訪ねた。以前一度行こうとおもったのだが、地図を忘れて行けなかったことがあり、そのまま、久しくご無沙汰をしていたのだった。 高島屋の銀座よりの道を折れ、バーバーの看板を通り過ぎた辺りのビルの4階である。 床張りのステキなギャラリーで、大きな壁面ができていて、今までの小品の展示より、よくなったと思った。 明るい日差しも入り、ゆったりとした時間が流れる。 人も何人も入ってきたため、退散することにし、丸善で開かれている山本容子展へ流れる。今日はハードねぇ。 |
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山本容子さんの作品展、この前、八重洲ブックセンターで、音楽家の肖像を見た後、久しぶりである。 今回は、アルファベットの新刊を出されたそうで、それぞれの頭文字の単語と、日本語を子守唄のように並べた、カワイイ作品。 自由な作風と、銅版画の優しいタッチは、相変わらず素晴らしい。 気持ち的には、今回のは軽やか過ぎるかなと思えた。アリスとか、日本昔話のような気合は感じられなかった。 それらの作品も数点は展示されていて、中でも一番気に入ったのは、画家や著名文人の肖像画のミニ版の版画連である。 今日は、一角獣の図録を買ってしまったので、予算がなく、買うのは見合わせた。 竜さんは、明日のサイン会に来たいという理由から、アルファベットを購入。 どうして文人の肖像にしなかったのか、アタシには解らなかったが、彼女は、サイン会の引換券をもらったと、ニコニコ話してくれた。 思いのほかミーハーね。あは。 アタシは、明日は、大型看板の、台になる部分のペンキ塗りと仕立てなおしがあるので、というか、別にサインはいらないので、わざわざそのためにきたりはしないと思う。 |
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会場には、昔、ガレリアグラフィカにいたという、N口さんという方が、接客してくださった。 彼は、アタシが髪に刺している、翡翠の簪を見て、「浮いているように見えますが、落ちたりませんか?私の祖母も、好きだったものですから」 と、気遣ってくださった。 オジャラ「ああ、これですか。大丈夫ですよ。ふふふ。」 と笑う。それから、今回の紙に、黄色やブルー、ピンクの色がついていたことについて伺うと、 N口「あれは、グワッシュで、一枚一枚彩色してるんです。」 竜「えーっ、いつの段階で塗るんですか?」 N口「一番最初の白い紙の段階ですね。」 竜「そうしたら、大きい紙のまま、ハケで色を塗って、それから、カットして、水につけて、半がを印刷するってことですね。水張りもするんですか?」 というような会話。 なるほどぉ。版画オタク共め。 竜「今度やってみよーっと。」 |
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そうして、N口さんは、山本容子さんの、制作の様子や、小さいメモに構想を沢山貼り付けて、イメージを膨らませてゆく話、薄いとレッシングペーパーの話などをしてくださる。 なかなかのお話上手で、ギャラリーの接客というのは、こういうものだろうと思わされた。 私は、ドガやクレーの肖像画の小さい版に引き込まれて、ああ、こういう自由さが、継続して作れるというのは、やはり、才能もさることながら、努力なんだろうと思わないわけにはゆかなかった。 オジャラ「不景気で、版画の値段が下がってしまい、作家さんたちは大変だろうと思います。」 N口さん「ほんとうにね、満寿夫の後、山本容子の後継がいないんですよね。」 そうだろう。 オジャラ「いやあ、版画を中心に作られてる作家さんは、作品が窮屈でね。山本容子さんみたいに、軽やかな作品は、見たことが無いです。素晴らしいと思います。」 肖像画も似てるしね。 以前、片岡球子さんの生誕100周年の展覧会のテレビ番組に、山本容子さんが出ていたとき、球子の、戦国武将や、北斎やなんかの肖像画連を見て、 山本「アタシもああいうのを書いてみたいと思いますよぉ。でも、球子さんがもうやってらっしゃるから。。。。」 という話をされていたのを思い出す。 まあ、そういう一連のような気もしないでもないが、シッカリと彼女にしか作れない絵になっていて、やはり、そこがスゴイなと。 そういう絵の力というものを、最近彼女以外で見たことはないというのが、素直な感想である。 唯一残念なのは、版画の評価が、他の作品と比較しても、低すぎるというところかしらね。 まあ、彼女も、自分の美術館ぐらい作るだろうから、そうなれば、作品ももっとはけるだろうしね。 |
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