◆◆◆ 1771 ★ ブリジストン美術館・日本人画家が描いたパリ展 ◆◆◆
インターネットラジオFM北千住 ときどきゲリラ的に収録・生放送(あとはいつでも見れますよん)
2013.5.24. 小さな美術館ながら、私設とは思えないコレクション。 コツコツ、頑張って集めてきましたというのが感じられる、よい美術館である。 東京駅、八重洲口から徒歩五分ぐらい。 立地も申し分無い。 つい先日、ラファエロを見たばかりのアタシには、どうにも心を動かすものはなかったのが残念だったが、明るい印象派風の画面には、心が癒された。 日本人画家は、何故かパリに行ってしまう。 パリを描く。 それは、何でなんだろう。 イタリアでも、スペインでも、ドイツでもいいじゃないか。 でも、パリでなくてはならない。 みたいな、怨霊のような、画家の憑き物のような話である。 |
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佐伯の絵が何枚か並んでいたが、流石のオーラ。 人物が儚く、揺らめいている作品もステキだが、誰もいないカフェの、今まで、そこに居た人の息遣いが聞こえてくる作品も素晴らしい。 竜さんと二人で、ウットリと見つめながら、やっぱ、他の作家との違いというのが歴然で、絵というのは、本当に残酷なものだと思わないわけにはゆかなかった。 フジタの作品も数点展示してあった。中・小品であったが、どれも、フジタでございますというオーラに包まれていて、いつか身近に置きたいという気持ちになる。 三菱の美術館の作品と、類似している画家多数で、同じ展覧会の延長という気にならなくもないが、コローの絵や、マネとかルノアールの絵も並んでいたので、竜さんと、笑ってしまった。 オジャラ「ああ、今日はピサロの夢見そう」 みたいな感想。 |
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日本人の絵より、やっぱり、後半の印象派の絵とか、大英博物館に収蔵されていたような、エジプトの古い(1-2世紀)の陶器とか、石像の頭部なども素晴らしかった。 通路に常設されているオブジェのコレクションも素晴らしい。 昔は、今みたいに値段が、高くなかったんだろうと思ったり、タイヤでよっぽど儲かったんだろうと思ったりもする。 こういうスポンサーがいないと、美術業界は育たない。 という実態もあるのだが、作家が育つのかといえば、そうでもない。 ぶっちゃけ、作家にお金が入るのは、最初の取引だけなのだ。 一流を目指すのであれば、ギャラリーを通して買っていただくというのが普通で、作家にそれほど入るということはないはず。 逆に、価値が値上がった美術品を転がすことによって、儲けて、大きくなった画商というのは沢山ある。 本来であれば、画商の方が金持ちというのは間違っている。作家と画商イーブンでなければならない。 (と、理想も書いておくことにする。) 画商の売り先のゴールが、美術館というのは好ましい。この先、転売される可能性がすくなく、価値の暴落などが露出しないからである。 |
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収集家や、美術館を持つようなパトロンのお眼鏡に叶えば、作品の将来は、安泰に思える。 まあ、全部ではないが、そういう傾向は高い。 これから、私設の美術館や、町営などの美術館は、運営資金をどうやって捻出するのかという問題に必ずぶち当たる。 ブリジストンのような大企業だとしたって、盛者必衰という言葉もある。 スポーツチームのスポンサードが無くなって、行く場のなくなったアスリートのような立場は、美術界でも十分にあるということになる。 そうなると、まあ、学芸員が集めた収集品的なものが、美術市場に暴落して戻るってこともないわけではないだろう。 逆に、作家の親族や末裔が経営する美術館などは、作品が美術品であれば、作品を1点転売するだけでも、3年ぐらいは経営が継続できるってことになる。 はぁ。こういう話を考えるのはよそう。 考えるべきことは、自分の絵を良くして、美術品の一員になることだけでいい。 |
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