◆◆◆ 1614 ★ 芸術自由  ◆◆◆

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インターネットラジオFM北千住 ときどきゲリラ的に収録・生放送(あとはいつでも見れますよん)

2011.4.29

芸術の自由度については、芸大のテラコッタで塑像を作るという講習に参加したときに、北郷悟先生が、最初の授業のときに、教えてくださった。

イヤまあ、あのときには、私は、すでにコンテンポラリーに傾倒していて、そのことには、漠然とは気づいていたと思う。

エルンストバルラッハの、空を飛ぶ彫刻を見たときに、アタシは、ニヤリとした。

ホントウにビックリしたし、心に残る作品だった。

北郷先生は、いくつかのスライド写真を見せてくださって、その中にはジャコメッティがあったり、自由な作品とはこういうものなんです。

という例をいくつも見せてくださった。

最後の方で、バルラッハの、空を飛ぶ彫刻の話になり、私も、その彫刻の自由さに気づいていたので、ああ、そういうことだよなって、嬉しくなったのだ。

江戸時代の作品であったとしたって、人を驚かせる作品というのはあった。

若冲もそうだし、金剛力士像だってそう。

見る人の心を引き込み、動かす、祈りまで。

そういう作品だから、大切にされ、何百年も残っているんだよな。

ところが、描くほうは、何故、そういった絵から学ばないんだろう。

とあるイラストレーターに、「躍動感ってなんですか?」って聞かれたことがある。

まあ、理解できない人には、描くことはできないよな。

アタシは、「自分で理解できなければ、描くことはできないから、自分で勉強してみることね」

と、つき放すことにした。

教えてあげたとしても、その人に受け入れる容量がなければ、受け入れられることもなく、アタシの時間の無駄になるだけだ。

この前の、ポストカードコンテストの会期には、ホントウに沢山のイラストレーターを目指す人たちがきて、アタシは、丁度、カーライのアリスの図録を手に入れたばかりで、皆に見せてあげた。

「この本はね、世界で一番売れている絵本なのよ」

手に入れるのに、三年もかかった本である。

「カーライはね、絵が物凄く上手いのに、擬人化もできるし、シュールな絵も描けるの。建物だって物凄く上手いでしょ」

若い人たちは、素直にその絵の中に引き込まれていく。

そうして、躍動感であるとか、色彩、金を稼げる絵について、みんなでいつまでも話しが弾むのだ。

イヤまあ、それはそれで、楽しいんだけどさ。

イケメンちゃんも来るし。笑。

でもまあ、楽しい時間が、人生の中で有益かどうかというのは、また違う。

私は、私の作品をつくるために、自分の時間を割かなければ。

コンテストの会期中に、同じ青年が、ダンゴを持って訪ねてきてくれる。

この前、ご馳走になったから。それから、イロイロ教えてもらって。

アタシは、何かを教えたワケではない。

カーライや、谷内六郎先生の図録を見せて、絵の面白さや、動き、色彩の美しさなどを、ほんの少し解説しただけである。

その青年には、他から学び取る素直さがあり、そうして、優れた絵というものを、まだ、それほど見たこともないのである。

オジャラ「アナタの絵と、この絵の一枚と並べればね、自分の絵が、どれだけ力が足らないかっていうのがわかるでしょ。

絵の世界っていうのは、戦い合いなのよ。だけどね、ここまで画力が上がれば、必ず光が当たる日が来るわ」

そう、私は、誰にだって同じ話をする。

受け入れる容量のない人は、二度と来ないし、自分の作品の至らなさに気づくことが出来れば、もっと上の階段に登ることもできるのだ。

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