◆◆◆ 1711 ★ 松本 竣介 ◆◆◆

インターネットラジオFM北千住 ときどきゲリラ的に収録・生放送(あとはいつでも見れますよん)

2012.8.14.

松本 竣介(まつもと しゅんすけ、1912年4月19日 - 1948年6月8日)は、日本の洋画家。 13歳のときから、両耳が聞こえなくなる。

享年36歳の画家であった。

アタシは、この手の番組を見るにつけ、日本人は、急逝が好きだなと思う。

同情票的な、人情の人が多いってことだよな。うん。

アタシは、彼の絵は、近代美術館で何枚か見たことがある。それから、不忍画廊さんでもときどき見ることがある。

油彩も、素描も、何点かしか見たことが無いし、他のは図録で見ただけである。

今回、テレビでまとまって作品を見られたのはツイていた。

アタシが見た作品と比較して、ずっとステキだったからである。

アタシは、彼の流麗な線のヒッチに引き込まれる。

ガラスペンで、随分と素描を作っていて、ガラスペンでは、結構作れるようになっている線だが、本画(油彩)にすると、粘度の問題なのか、なかなか、伸びやかな線にならずにいて、そのことが、アタシが絵を描くのを辞めているという理由の一つでもある。

素描のような表現が油彩でもっと作れるようになれば、アタシの絵は、ずっと良くなることが解っているからである。

今回、彼の番組で、彼の知人という画家が、彼の絵を模写した映像が流れる。

なるほどねー。こうやって描いているのか。

知人の画家は、

「模写をしたのははじめてだけれども、深い叙情と人間の孤独感、強靭な精神に支えられている絵。美しさ、面白さとかイロイロかんじられるが、松本のピーンと張り詰めた精神の模写はできない」

と語っていた。

そりゃ、そうだよ。

安易な、人にパクられる絵では、画家になれるはずがない。

万一、運がよくて、生きているうちに脚光を浴びたのだとしても、死んでしまえば、その作品が残らない場合の方が多いのだ。

それは、作品の良さという一点である。

まあ、エカテリーナみたいに、絵画をはじめ、美術品300万点収蔵となれば、駄作も混じってる場合もあるけどね。

一流の収集家が集めたコレクションであれば、そういうことはあり得ない。

それぐらい、収集道だって厳しい所にある。

それは、自分で作品を集めてみればすぐに解る。

他人の作品を自分の審美眼だけで見極めて集めてゆくのだ。

しかも、自腹なのである。

収集家には二つの道があり、自分の審美眼だけでで作品を買い進み、美術館を作ってしまうぐらいの人。

もう一つの道は、既に有名になった画家の駄作を金に糸目をつけずに集める道楽者である。

この二つの道には、どちらも金持ちで、絵画購入という同じ道を通っているのに、結果には大きな違いが出てしまうのだ。

私は、どちらの収集道も否定はしない。

後者が存在しなければ、駄作がゴミになっちゃうもんね。

作家は、傑作ばかり描いているわけではない。習作や、駄作を積み上げて、やっと、一枚か2枚の傑作を作るひとがいるか、いないかという話である。

ただ、駄作でも(有名な画家の作品だから)持ちたい、そして、その作品をヨイと言うひとがいると、普通の人が、正しい判断をできなくなる。

そこには問題を感じている。

松本の絵は、彼の障害や、そのために戦争に行けなかった負い目、画家として、何が出来るのか、そういう精神のことを学べば、なるほど。

と思うところもある。

そうして、絵が残ったのだから、やはり、彼は、幸せな作家だったと言える。

世田谷美術館を巡回するときには、是非傑作の実物を見てみたい。

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