◆◆◆ 1571 ★ マン・レイ展を見に行く ◆◆◆

FM北千住 毎週日曜 夜九時オンエアー(あとはいつでも見れますよん)

2010.9.3. 更新

午後から打ち合わせの予定が、別な日になり、午後の予定がポッカリと空く。

マン・レイ。

見に行きたかったけど、今回はムリと諦めていた。

頑張って行こう。

ヤボ用を済ませ、3時半に国立新美術館に到着。

今回の作品は410点もあり、見ごたえがあった。

特に、マン・レイが撮影したムービーが4本上映されていて、

それも全部見た。

興味深かったのは、作品を誰が継承したのかというところである。

マン・レイの妻、ジュリエットが、マン・レイの死後、彼の作品を相続する。

死に際のゴタゴタのときに、

傑作といわれているシリーズの写真やネガの半分は、盗難にあってしまったのだという。

のちにそれは、知人が持ち去り、勝手に焼いたりしたということもあり、作品は複製され、販売されていたとも。

なるほどねえ。

写真だからだよなあ。

マン・レイは、オリジナルのネガなどが破損すると、焼いた作品を利用して、次の作品を作ったりもしていたらしいので、どれがホンモノで、どれが死後作られた品なのかの判別も難しいのだと。

写真の限界を感じないわけにゆかなかった。

それから、相続税。

フランスは、作品による納税が可能なので、ジュリエットは、有名作品のネガやポジの半分や、コンテンポラリーの一部で相続税を支払った。

物納作品はポンピドゥーセンターにあるらしい。

フランスってカシコイかもなあ。

彼の作品の価値は、この先、ポンピドゥーが持てば、どんどんあがっていくからなあ。

アタシもフランスに越したいよ。汗。

そうして、そういう一連の話から、ジュリエットの死後は、ジュリエットの遺族のみが作品の継承者となったのだという。

そんでもって、作品がこの後、後世にきちんとした形で残るように、財団が設立され、財団設立の資金のため、手持ちの半分はオークションにかけられたのだという。

なるほどねぇ。美術品の王道って気がする。

アタシの作品なんて、誰も買ってくれないもんな。あはは。

この、一と零の違いをよーく考えて、どうならなければいけないのか。そういうことになる。

植田正治の場合、中央ではそれほどでもなかったけど、その分、作品がきちんと管理されていたから、オリジナルとなれば、400万円する写真だってある。

ようするに、美術品というのは、管理が大切であるということになる。管理されておらず、真贋が確認できない作品は、価値ゼロ。

そういう、管理をおこたった作家の作品は、美術品になることは永遠にないのである。

アタシも、コンテンポラリー作品を整理しないと。

展覧会の感想を書けば、やはり、マン・レイは、写真家だと思う。

有名なコンテンポラリー作品は、財団は、すでに僅かしか持っていない可能性があり、ポンピドゥーなどで見れば、また、違う感想になるはずだ。

最近、展示を見ると、そういうことも解るようになってきていて、それはそれで困る。汗。

ま、そのうちに、ちゃんとしたやつも来ると思う。

今回のがちゃんとしていなかったということではない。

特に、図録3000円は、厚くて、写真もどれもよく扱われていて、格安だと思った。

彼の写真集を一冊買おうと思えば、フツーに1万5000円ぐらいはするはずなのだ。

それでも、素描は、稚拙に感じられたし、抽象の油彩も、今となってみれば、なんらかの評価をするような域ではない。

クレーや、フンドレッドワッシャーのようなワクワク感はない。

良い作品を見すぎたせいだよな。

仕方ないよ。

昨日には戻れない。

一度旨い寿司を食べたら、100円は食べられなくなるような話。

アタシはどちらも食べるけどさ。現実主義だからね。

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