◆◆◆ 1496 ★ じゅんさんが来る  ◆◆◆

2010.2.8 更新

昨日、じゅんさんが訪ねてくる。

じゅんさんは、入って来るなり、県内の別な場所に引っ越して、アートの支援イベントなんかをやろうかと思って。

という話から始まる。

藝大千住キャンパスの卒展を見に来たと言っていた。

そうして、アタシには、こんなに近いのに、何故行かないのかとか聞いてくる。

画廊の留守番のため、毎年行けません。

そうして、そのついでに、一年に一度、こうやって、場末の画廊のことを思い出し、ウチにも立ち寄ってくださるのである。

それから、ら・おじゃらの話になり、そのあと、千住まちかど美術館の地図なんかを眺めて、

じゅん「これはいいよねぇ。」

オジャラ「パクリっす。」

じゅん「そりゃ、そうだけどさ、でも、こういうのはいいよね」

オジャラ「どこでもやってるやつだよ」

という話。

昔は抽象絵画の収集をされていた方向も、今では現代アートドップリという鑑賞の進み具合にも笑える。

一旦知ってしまった現代アートの世界から、元のふるびたアートの世界に戻ることなど、到底できやしないのだ。

この日は、画廊オープンとともに、ダンボールの荷物が届く。MOEという雑誌(特集だけを切り取ったもの)15冊程度、絵本や児童書についての専門書2冊、アカヅキン展の図録一冊。

昔の姉さん人形。顔は和紙でできており、白いままの人形は、シミができていたり、顔が潰れていたりする、ボロボロの品。

などが詰められていた。

アタシの知人では、二番目に高年齢(確か82歳ぐらい)の方からの贈り物で、彼は、アタシに、いつも不用品を送ってくださるのだ。

本が届いてしまったので、アタシは、カッターで丁寧に切り取られたMOEをセロテープで貼り付けなければならなかった。(この作業は、前のときにも思ったけど、かなり現代アート創作的な、不毛な気持ちになる。)

全てを貼り終えると、頂いた絵本と一緒にギャラリーに展示をする。

アンティークの布の姉さん人形には新しい顔を貼り付けて、シミのついた和紙の白い部分を墨でペイントする。

たまたま居合わせた大工さんと知人に、これは、立たせて展示するか、箱に入れるのか考えているのだがと相談すると、

「箱に入れて箱入り娘」

という決定的な一声が大工さんからあり、作品は箱に入れられることに決まる。

閉店時間が近づき、皆が帰ったあと、アタシがそれらを箱に詰めいていると、今度はじゅんさんがたずねてきて「うーん素晴らしい」と絶賛。

大工さんも一緒にいた写真家の方もキョトンとしていたけどね。

解る人にはこの作品のすごさが解る。

ということになり、その温度差というのは、結構違うということなのだ。

はぁ。また、駄作を作ってしまったわ。

昨今の現代作品は、箱を開けると、和的なものが出てくるという作品群にとりくんでいて、その1つに追加される予定。

蚊取り三姉妹(オジャラ)、 → 蚊取り線香の缶

breez(オシオッサ、お?、&夜(オジャラ) →メロンの桐箱

愛国心(オジャラ) → 重箱

泉(2017) デュシャンによる → そうめんの箱にウオッシュレットのリモコン

というように、シリーズで増殖中。

アタシの個展に来た人は見られたんだけど、来なかった人は残念ね。

和的なものを入れ込み、概念的なものではなく、本質的・普遍的な表現に挑戦中。

見た人のほとんどは、よく解りませんという顔をして、そうして、やはりオジャラは、狂っているのかもしれないと思いながら、画廊を後にするのである。

おほほほほ。

どこか、ちゃんと、作品が理解できる場所で展示をしないとなあ。

おじゃら画廊

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