◆◆◆ 1458 ★ とある雑誌の営業担当君が来る  ◆◆◆

2009.12.12 更新

ギャラリーに、とある雑誌の営業担当君が訪ねてくるという。

不景気なので、雑誌広告は控えるムード。

それは仕方が無いのである。

バイトがなくなったからだよなあ。

もう少し収入が増えないと、どちらにしたって、広告など、出せるはずがない。

広告を出したところで、結果(集客)に結びつくのかどうかね。

雑誌の発行部数は、きっと、激減しているはずなのだ。

それに、どのみち、貸画廊のままでは、集客など、できるはずがない。

漠然と、そういうアート界の構造などについての理解は進んできていると思う。

営業担当君は、アタシの図録を見て、「ギャラリーに図録を送ったりはしないんですか?」

と聞くので、

オジャラ「美術館には送ると思うけどね。ギャラリーに送っても、面倒な話が増えるだけだよ。逆に、美術館収蔵になれば、画廊は勝手に打診して来るだろうし。」

順番というものは、そういうものである。

今の自分の作品が、美術館収蔵になるとも思えないが、やみくもに、ギャラリーに図録を送ったからとしいって、自分の作品をギャラリーが買い取ってくれるとも思えない。

というか、そういう話とは別に、自分の中で問題が起きているのだとすれば、平面から、コンテンポラリーに創作のウエイトがシフトしているため、どういうポジションのギャラリーが良いのかの、判断ができないというところだと思う。

営業担当君は、1月の、オジャラ&オシオッサ展の話を聞くので、オシオッサさんの新作を見せる。

それから、その作品にどういう意味があるのかとか、そのほかに、どんな作品があるのかというのの解説をする。

そのあと、アタシの作品なんかについても話す。

そうして、営業担当君は、途方に暮れるのだった。

そういう作風に進んでしまったことについて、もう戻ることはできないのだという信念もある。

図録の作品の中の話であれば、別に、扱って下さるというギャラリーも、この世には存在する可能性はある。

ところが、コショーの瓶やなにかに、卵のカラを乗せて、それが行進している映像となると、販売できるギャラリーは、皆無という話なのだ。

もちろん、無いわけではないが、ハードルは想像以上に遠い場所にあるということも事実である。

オジャラ「まあ、このギャラリーは、貸画廊なので、それほど人がきたりもしないけど、それでも、コンテンポラリーの伝道という機能は果たしつつあると思う。」

そういうと、営業担当君は、頷いた。

場末のギャラリーにだって、できることはある。

そういう理由から、オシオッサさんのことについては、皆さん、聞かない方がいいと思う。

そうしないと、アタシは、彼女の作品について、永遠に話続けるだろうし、そうすると、自分の作品を売ろうという気が失せてしまい、絵の売上げに結びつかないからである。

まあいいかぁ。

絵は最近作っていないし、展示ができる程度のイラストがいくつかあるぐらいで、どうせ、描いても売れないのだと思うと、考えるのが嫌になってくる。

コンテンポラリーの新作はいくつかできているんだけどね。売れるとは到底思えないし。

おじゃら画廊

Established 1998 Rica's Bar WEB SITE & Since 2003 Atelier Ojara.
Copyright (C) All Rights Reserved by Rica Ojara.