◆◆◆ 1352 ★ ロダンの番組を見る ◆◆◆

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2009.6.18 更新

ゲストには、船越さん。

さすがに大物を揃えてくる。

それから、途中で、藝大の北郷センセイがチラリとご出演。

センセイ、お久しぶりです。

北郷先生は、3年前の夏、藝大の一般公開講座で、テラコッタの塑像を作るというクラスを持たれて、オジャラは、それに参加したのである。

センセイには、具体的なテクニックは、2つしか教えていただかなかったが、造形を作る力は飛躍的に向上した。

直々に教えていただいたんだから、まあスゴイ。うん。

センセイは、オジャラに、あなたは、陶芸釜を買い、作陶を続けるようにとコメントをしてくださった。

センセイ、オジャラは、細々とですけど、作品は作ってます。また、作品写真を持って、個展の時に押しかけます。

という仲である。

北郷先生は、番組の中で、ロダンが、モデル兼愛人のクローデルが作った塑像をパクったんじゃないか疑惑のある、よく似た塑像を科学的に分析するという作業を、されていた。

クローデルが、塑像を先に作り、ロダンが、それに似たのを、彫刻で作り上げた。

クローデルは、アタシの作品をパクッタわねと激怒し、そういうことが何度か起きたらしく、彼への愛が冷め、彼から離れていったというようなストーリーだったと思う。

個人的に番組を拝見、作品を拝見すると、やっぱ、ロダンの作品の方が、美しい。

というか、正前から見たときの、陰部のチラリズムが、ずっと厭らしい。

それだけでも、お金持ちの殿方のサイフはゆるくなりがちである。

エロチシズムというか、肉体の躍動という点でまさっているような気がするな。

そうして、アタシは、青木繁が、人の絵に加筆して、俺が描いたほうがもっと良くなるとか、フジタだったかなあ、(間違ってるかもしれない。そんときはゴメン)、人の作品を自分でも描いて、もっとよくしちゃう的な画家のことをも思い出した。

スギ様じゃないよ。念のため。

ロダンも、その類で、クローデルの、あと一歩なんだという作品に触れ、自分でも作らずにはいられなかったという風に考える。

別に、盗作の意図は無かったと本人も言っているし、塑像より彫刻の技術の方が圧倒的に高くないと、同じ作品にはならない。

塑像と彫刻はそれぐらい違う場所にある造形創作なのだ。

アタシが彫刻を作らないのは、失敗するに決まっているからであり、塑像を作るのは、アタシにも、作れるからである。

西洋美術館の常設展の入り口には、ロダンの作品がいくつも展示されていて、その他の作品も合わせて、アタシは、何度も見に行っている。

ロダンは、こうするといいよと、クローデルに教えたかったのだと思う。

そのビミョーなニュアンスは、造形が余りにも似ていたので、伝わらなかった。

アタシはそう考えている。(個人的な意見ですぜ、個人的な。)

盗作疑惑。

盗作などしなくても、ロダンは、自力でも大量に作品が作れる作家なのだ。

それでも、模写みたいなことはするよね。それは、アタシも、時々、好きな絵を、模写として描いたりする。自分の近くに置くためにである。

盗作か、習作のための模写なのか。

ロダンの場合、そのどちらでもないはずだ。

だって、行き詰るということもなかったはずだからである。それは、作品を見れば解る。

というかさ、肉体美だからね、モデルを変えれば、いくらでも作れるよね。笑。

ロダンの美術館に、クローデルの顔(顔を型から取ったやつ)の上から、別な人の大きな手がニョッキリと出ている作品を見て、船越さんが、

「ロダンのことをちょっと見直しました」

などと話していたのが笑えた。

確かに、ゲンダイ的な作品であり、彼の、肉体美を追求するような作風からは離れている。

そういう作品も存在するということは、大切ということになる。

船越さんの塑像は、クローデルのマスクから型どった塑像に似ているなとも思った。

人間の記憶というのは、曖昧で、知っている情報を適当に混ぜ合わせ、知っている情報の中でなんとか消化しようという機能があるのかなと思う。

アタシの絵は、断じてピカソの絵には似ていませんってば。

アタシの絵が、ピカソの絵みたいだという人は、ピカソの絵もちゃんと見ていないのである。

どんな創作者も、何かに影響されていないということは有り得ない。

そこから完全に抜け出るということもなければ、抜けたように見えることもあるというだけなのだ。

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