◆◆◆ 1316 ★ ヴォーリズ建築のテレビ番組を見る ◆◆◆

 

2009.5.26

ヴォーリズ。アメリカから、宣教師として日本に渡ってきたのだという。

二年間の英語教師。

放課後、聖書の訳文などの解説をし、伝道活動を熱心に行ったため、二年で解雇。

その後、建築家になる。

彼の言葉に、「廊下は短ければ短いほど良い」

とある。

まあ、これはこれで、ある種の哲学である。

創作者が、どんな意図を持ち、作品を作るのかというのは、創作の根幹になる部分で、ここがブレると、作品がよくならないのだ。だから、合理的で、細やかな気配りができる建築というのも、それはそれでアリと思う。

日本の建築の場合、雨風が当たる場所は、木造なので、その部分の腐りが早い。

そこで、家の周囲に廊下を作り、傷んだ部分だけ、カンタンに取り替えられるような構造になっていて、それはそれで、ある意味合理的である。

合理的な部分をどこに置くのかというところがね、創作に対する哲学なわけ。

あ゛あ゛。

哲学について、少し理解が深まったのよね。3年前は全く理解できなかったらかね。

諦めずに、考えてみるもんだよね。

そういえば、先日知人に会った時、「ぼくも、オジャラさんと同じ美術番組を見ることにしました」

って言ってたのが笑えた。

この日記でアタシが、何の話をしているのかの理解が深まるからだと思う。

アタシが、この番組を見て、どう思ったのか。

とまあ、それが、よく解り、一粒で二度美味しいということになるみたい。

その人とは、三輪田米山の書の話でも盛り上がる。

彼は、それまでは、書には芸術性は無いのだとぼんやり思っていたみたいだけど、それは、【書】によるということへの理解が進んで、本当にオトクだったよね。

書の芸術性というのは、臨書ではない。

書家全員が、臨書をどれだけやったのかというのが、書の精神だとか言っているが、模倣の中から産まれるものは少ない。

(前の号でも書いたけど、)

かといって、模倣や模写をしなかった者には、その先もない。

まあ、ある意味、臨書をさせることは真でもあるが、それ以上の話を、書家が弟子に伝えることができないのであれば、臨書をするだけのまま何十年も月謝を取り続けることになる。

ある日、臨書だけではダメだと気づき、自分の書を求めて旅に出る決意をした日から、その人は、弟子というジャンルから開放され、書家への第一歩を踏み出すのである。

書に関して言わせてもらえば、アタシは、文人で結構。花火大会のポスターの題字も、アタシの筆跡になってきていて、そのことは、本当に驚きだ。

採用されなかったことを除けば順調である。

もうすぐ区展の季節がやってくる。

今年は、写真の準備だけは早くしないと。

いつも、あの大きさの写真のプリントが間に合わないで、そんでもって、自宅のボロイプリンタ印刷などを板に貼ってだしたりするもんで、見栄えがよろしくないのよ。

金も多少かかるけど、作品が写真でも残るので、良しとすることにする。

立体は何を出すかなあ。

新作作ってないしなあ。

工芸品は出せないんだよね。

まあいいかぁ。

ムリして出すこともないし。

洋画も、どうするか決めてない。

この前作った、唄う女を出すかなあ。

今、郵便局にかけてあるので、手を入れられないんだよね。

もう少し、加筆すると厚みがでてくるんだけどね。

ヴォーリズの話に戻れば、彼は、ヒルトップホテルなどを手がけたのだという。大学の通り道だったので、よく通った。(なかなか食べたりは出来なかったけど。)

彼の建築物を見たとき、ああ、この人は、日本語が堪能だったんだと思った。

自分の指示を、力の高い職人に、キッチリと作らせる力。

それは、言語力のみである。

日本語の著書もあるみたいだし、堪能だったんだね。

日本で洋風建築が流行り始めた頃でもあり、建築事務所には、アメリカから建築士も呼んで、繁盛していたらしい。

なるほどねぇ。

そういえば、最近、伊藤豊雄センセイのお弟子さんの建築家の方と知り合うことになった。

オジャラ「アタシは、建築の展覧会も大好きで、イロイロ見に行きましたよ。東京文化センターとか、伊藤豊雄さんとか」

建築士「えっ、伊藤豊雄ですか。ボクのセンセイです」

オジャラ「マジっすか。彼の建築は芸術っす。今度、貴殿の作品拝見させてください。」

という流れ。

あの自由で、柔らかいノウミソは、ホントすごいと思ったよ。伊藤先生のテレビ番組は、ビデオが壊れるまで、何度も何度も見たことを思い出した。

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