◆◆◆ 1174 ★ 書道展での大事件 ◆◆◆
2008.6.30.更新 |
アタシが区の書道展に出した作品が、展示中に、額から落ちてしまうという大事件が起きた。 もともと、アクリルの板をとりつけて展示するのかと勘違いして、たいして、きちんと貼り付けなかったアタシが全て悪い。(展示前にアクリル板をはずすように指示があり、そうしたため、書が落ちてしまったのである。) しかし、もっと悪かったのは、下に、前の展覧会にだした別の字の書があって、それが出ていたことである。 審査員のセンセイがカンカンに怒り、怒鳴られてしまう。 別に言い訳をするつもりもないが、不可避だったと思う。 一旦は、出展をやめると申し出たのに、(折角書いたのだから、)その場で両面テープで貼り、出すように勧めてくださったセンセイもいらっしゃったという経緯もある。 今回は、裏打ちに失敗し、情けない書だったし、途中で落下したのだから、やはり、出展をするべきではなかったのだということは理解できた。皆さんの好意に甘え、判断が鈍ったのである。 審査員の先生の怒りは、「審査を通っていない別な書が展示されていた」ということと、「落ちたアタシの書の裏打ちに、モネの絵が貼ってあったこと」だったらしい。 書を冒涜しているとか、書の精神が解っていないとか、そういう話で、間に立たれた安東先生に、単純にご迷惑をかけてしまった。 先生、本当に申し訳なかったです。 |
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それでも、別に、アタシは、書は書くと思うし、裏打ちも、これからも自分ですると思う。 今回は、上手くできなかったけど、次回は、シール式の壁紙とか、ノリのついた襖なんかを利用して、試してみるつもりである。上手くできるまで、試行錯誤を続けるつもりだし、私のギャラリーの壁面には、書いた書をそのまま展示してあるけど、文句を言われたことは無い。 今回は、最悪の事態となり、「もう、区展には、出さないで下さい」などと言われたため、ご迷惑がかかることがわかり、区展には出さないと思う。 ついてない事件だった。 1週間の展示に耐えられない状態で出品したアタシが悪い。 だけれども、別に、書に対する精神性が無いという事でもないし、冒涜しているということでもない。 お手本も、先生もなしに、自発的に書を作っているのだから、書道会の生徒さんなどよりは、よっぽど強い意思をもっている。 廃材を利用して創作をするというポリシーにのっとっているだけで、別に、それを曲げることもない。 ただ、区の会の方針とあわないということだけだ。 私にできることは、ご迷惑をかけないために、もっと、自分に合った会に出品するというだけである。 どの会であったとしても、どうしても出品しなければならない理由などない。 どんな展覧会であっても、会の傾向とか、審査員の好みというものがあり、そういった、会の中の常識に合わせ、自分の画風を替えることが、最も愚かしい。 絵の会も、書の会も星の数ほどある。 先生の手本ソックリの書が並ぶ展覧会に比べれば、誰にも媚びず、自分の書を目指して創作をしているアタシの書の精神性の方が、まだマシである。 |
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書というものは、それぐらい、自由な部分を排除しなければ守れない世界なのだということも理解できた。 だから、展覧会がつまらないのである。 洋画でも、彫刻でも、写真でも、どのセンセイ方も、私の作品を受け入れてくださり、大きな気持ちで見て下さっているように思う。 そういう、どんな書の自由さも否定し、常識を守り続けてきたのが書であり、いまだに、あいだみつをの書さえ否定している書家も多い。 彼が、その世界を飛び出したというのも必然であり、一人で、自分の書を目指したというのは、仕方が無かったのだと思う。 華道家の假屋崎 省吾センセイも華道の古来の姿を打ち破り、自力で成り上がった男である。 新しい表現を目指すものと、画壇(組織)との決裂というのは、日常起きているということになる。 自称現代アーティストだからなあ。 書の会には向いてないというのは頷ける。 あまり気にしないようにしよう。 私は、たぶん、これから、外国の方が、1時間ぐらいで体験できる、書の体験教室を開くと思う。 自作の筆で、大きな書を一枚書いて、記念に持ち帰るというイベントである。 書というのは、日本人の心であるし、文字の中に刻まれる美しさというのは、日本らしい思い出になるに違いない。 |
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そうして、間に立たされた安藤せんせいに、ホントウに申し訳ないことをしてしまったと深く反省。 全く関係ないのに、嫌な思いだけさせてしまったのである。 はぁ。 ついていないできごとだった。 今更、審査員の方の怒りが収まるということでもないと思う。 安東先生には、「私は、書は、また続けます」と伝えて、会場をあとにした。 もっといい作品を作って、また見ていただける日が来ますように。 |
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