◆◆◆ 1163 ★ 井上雅彦展 ◆◆◆
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2008.6.13.更新 |
この前、行列のため断念した、井上雅彦展を見に行く。 うっひょー。 平日の午後なのに、外までの列。 今日は、10-15分待ち。 中に入ると、ドーンと武蔵の絵が展示されている。 ほとんどの作品は、和紙をパネル(ハッポウスチロール系)に貼り、壁面展示。 それにしても、来ている人達の若さに驚かされた。 若いぜ。アタシより、推定5-20ぐらいは若い。 100人に1人ぐらいオッサン(収集筋)が混じる。 こんなに若い人達が、展覧会に足を運んで来るって事実が嬉しい。 カップルさんや、美女連多数。 ミュールをはいて、オシャレをして展示を見ている姿を眺めるだけでも楽しい。(→早くも、趣旨が違ってしまっている) アタシが展覧会を見て歩くのは、主に、客数を数え、展示をどのように楽しんでいるのかというのを見に行くためである。 上野の森美術館は、規模としては展示会場が小さいので、今回のように、点数の多い作品の展示にはご苦労を感じられた。 特に、マンガ全編を、展示品を読みながら進むという趣向である。 |
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昔、ハートカクテルの漫画家さんの、似たような展覧会を見たが、今回は、スケールが違う。 素描も、美しく力強い。 作家さんも、どの原画も、濃淡や、画材を変えて、一つ一つの技法などにも、見る人を飽きさせない配慮が感じられた。 観客に楽しんでいただこうという、創作の結果が並んでいる展覧会という評価である。 漫画家という話だけで、芸術よりも一段も、二段も低いと勘違いしている作家もどきが多い。 マンガそのものが、瞬間表現を連続させて作られているということを勘案すれば、動きのミジンも感じられない平面表現が、及ぶべきもないのである。 そうして、こんなに若い人達が、1500円も払って入場し、作品に食い入るように展示を見ているというのが、私には新しく感じられた。 あんなに美しい絵を描く人が、漫画家なのだ。 今、創作の現場で一番稼げるのは、漫画家か、アニメーターであろう。 稼いでいる人の作品を見ることそのものが、勉強なのである。 |
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裏では、画商が入っていて、きっと、作品も売られるのだと思う。 もしくは、全国の美術館が、もう買いに入っているかもしれない。 井上さんの作品は、誰だって見たい。 全力で描いた大きな作品は、美術館なら、1点持つだけでも、若い人を集客できる。 そうだよ。 アタシも買いたいよ。 ギャラリーには、原画1点を見るために、人が集まってくるに違いない。 というように、収集活動というのは、年とともに、購入の意志がずいぶんと変化するものなのである。 アタシが手に入れた、ミロのゴミみたいなリトグラフだって、素人には、ミロに違いない。 まあ、サインが無いといっても、リト刷りのホンモノだし。それを見るために、みんな、二階に上がってくれる。 有名作家というのは見る物のモチベーションを上げられるということになる。 |
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最後の展示室や、その前の、大きな絵を展示した、広い空間には、ゆっくりと出来た。 どんな仕掛けがあったのかは、行く人のために書かないことにする。 作品の精神性の高さや、絵の上手さ、表現の技術など申し分が無い展覧会で堪能できた。 会期は7月までありますが、きっと、長蛇と思います。 覚悟の上、楽しんできて下さい。 |
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