◆◆◆ 1149 ★ モディリアーニ展 ◆◆◆

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2008.5.15.更新

 ビミョーに顔が、アタシの絵と混在しちゃうんだよね。笑。

Kのマスターから電話があり、「今日までのモディリアーニのチケットが1枚入手した」というので、6時キッカリに店をそそくさと閉め、国立新美術館に向かう。

先日、国展に行ったとき、高くて入れなかった、例の展覧会である。

モディリアーニの絵というのは、実は、アタシは数点しか見たことがなかった。

それは、日本にいたら、どの方もきっとそうだと思う。

全国に散らばっていて、集めるのが大変そうだし、まとめて持っているところは、それはそれで、(工事でもない限り)借り受けるのは難しいはずなのだ。

彼の絵の根幹にあるのは、素描の力量である。

スっと引かれた線の美しさは、本当にムダがない。

被写体を短時間で捉え、自分の絵に昇華した状態で、平面に描画する力が高い。

立体に入ってからも、造形の基本にしているのは素描であり、沢山のスケッチが見れたのは参考にになった。

若い年代のときには、何度も書き直した線描も、後半になると、スっと引かれていて、濃淡のつけ方なども立体を意識している。

何度も何度もフォルムを作り直し、立体の原型を作っている試行錯誤の段階の作品もいくつもあった。

モディリアーニ風の絵というのは、楽勝。

もう一つの特徴は、油彩の塗りにあると思う。

白く下塗りされたカンバスの上に、半透明の絵の具を薄めに塗る。

最初の塗りの段階で、完全に、面と面の線引きができているので、一気に塗り進み、

ここからはアタシの想像だが、2-3日乾かして、黒い線を描画したんじゃないかと思う。

もしくは、同日に、全ての描画をしたかもしれない。

それは、絵の具の透明度を熟知しているから、短時間で描けるということである。

それでも、最初の段階の描画の力がよほど高くないと、短時間での創作は不可能だ。

特に、薄塗りの場合はである。

ゴッホのように、不透明絵の具を、次々と塗り重ねるのであれば、同じように短時間での描画は可能となるが、モディのような線の美しさを作ることは難しくなる。

線を描画しようとすると、下の厚い絵の具を引きずって、黒がグレーになってゆくので、全体的に引き締まらないのだ。

モディリアーニは、フジタとも仲がヨカッタらしく、日本画の筆を線描に使っていたと、何かで読んだことがある。

まあ、可能性はある。

Kのマスター/モディ風

チケットありがとうございました。

またよろしくです。

個人的な感想を言えば、ロートレックやマティスのような躍動感を感じられない。

肖像画で、被写体が静止している状態を描画するから、仕方がないのだが、あれだけ線が描けるのだから、被写体を見ないで、もう少し絵を動かしたら、芸術度は更にアップしたと思う。もう少し生きていたならば、絵が違ってきたかもしれないと。

また、色が単調なのがきになった。

大量に並んだ油彩は、どれも同じように見え、それがついていなかった。

金がなくて、イロイロな色を揃えられなかったと考えれば、つじつまは合う。

色彩を持っていなかったとは思わない。

単純に、絵の具代が限られていたのだと思うと、それが残念である。

それにしても、よくもまあ、世界に散らばっているモディリアーニの作品を、あんなに集めたなあというのが感想。素晴らしい展覧会だった。

もし、世界のモディリアーニを見て歩くのであれば、膨大な金がかかるはず。

ということで、ファンの皆さん、是非、見に行きましょう。六本木で見れば、一回でイッパイ見れます。

グッズのコーナーにも、アフリカ民具や、シルクスクリーンで刷られた、モディリアーニの素描(千円)やなにかが売られていて、楽しい売り場であった。

図録を買おうかとも思ったが、彼の図録はすでにイッパイ持っているので、やめることにした。

帽子を被ったジャンヌの塑像を、前から作りたいと思っていたので、個展に向けて、コツコツと作り進みたい。

はなちゃん、WEBデビュー。丸顔のチョビ髭です。

ウチのオットに、モディリアーニ展の話をする。

彼は、モディリアーニ物語という映画を見たことがあり、「死の画商」の話ばかりする。

彼の絵が世に残ったことを考えれば、そんなに悪い画商ではなかったんじゃないかというのが、個人的な意見。

オット「人っていうのは、不幸が大好きですからね、みんな、モディリアーニの悲話を楽しみに、展覧会に足を運んでいるんですよ」

オジャラ「確かに、早死にとか、狂気というのが好きだよね」

オット「ゴッホの場合は、狂気の方だけどね、」

という会話。

もはや、アート鑑賞というよりは、波乱万丈ドラマ仕立てという情報の量だよなあ。

前号で、「絵の結果が良いことだけが大切」などと書いたけれども、波乱の人生というのも、画家の素質なのかもしれないなあ。

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