◆◆◆ 1103 ★ 職場体験 ◆◆◆

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2008.3.11.更新

今年も、この日が来てしまう。

職場体験の中学生は、今年は3名で全員男子だった。

今までは、ギャル中心だったが、今年は未来の美男子ということになり、時代が変わったんだろうかと思わされた。

彼らなりに考えてきた質問に、まず答える。

例えば、資格は必要か?

とか、

仕事をしていて、一番うれしいことは何かなどである。

コギャルの生徒相手のときには、

『自己実現のためには、結婚もし、主婦をしながらイラストの仕事も取れ』

などという話をしていたが、今年は、殿方なので、

『料理と掃除の能力を高め、稼げる女をタラシ込め』

などという指導をする。

ホントに職場訓練になっているのかなあ。

質疑応答はさっさと終わらせ、今年はアトリエからギャラリーに移動。

ギャラリーで、イラストレーター協会の先輩方の作品集を見たり、現代アートの図録を見たあと、何がしかの作品を作ることに決まる。

彼らが、展示中の図録の中で、もっとも長時間関心を示したのは、無料で配布している、協会メンバーのポストカードであった。

なんといっても、1作家さん、1枚ずつ、1人5枚までもらえるのだ。選ぶのも真剣である。

そうして、無料になっても戦い会うイラストという職業の厳しさについて、彼らに教えるのだった。

『タダでも並べば戦いなの。みんな良い絵なのに、先になくなる作品と、いつまでも残る作品というのがあるの。お金を稼ぐってことはね、どういう絵なら、持ち帰られるのかも勉強しなくちゃならないの。』

オジャラ『ちなみに、一昨年は、4コママンガ、去年は、芸術的作品を作ったのよ』

と解説すると、少年Bが、

『芸術的作品を作りたいです』

などとキッパリと決断を下したため、アタシは、芸術とは何かの解説もしなければならなかった。

オジャラ『いい、平面作品の場合はね、主に、動きがあるかどうかというのを見るの。マンガや映画、アニメっていうのは動いているでしょう。だからね、そういう表現を心がけて作ろうね。

あとね、芸術というのはさ、笑いを取りに行くことなんだよね。(→ぶっちゃけ、子供に解りやすく説明すると、こうなります。)

いい、見た人がね、「これは何だろうとかね、ナゼこういう絵になったんだろう?」とかね、そういう絵でね、更に笑いも取れるとグッドよね。』

はぁ。毎年の事ながら、いい加減な職場体験だよなあ。

どちらにしたって、少年A、B、Cは、あと3時間で作品を完成させなければならなかった。

みんなが絵を描いたパレット。

一番右のは、そのまま加筆はしていない。

オシオッサさんがゴミバコから救出し、自分の

サインを入れてしまう。

はぁ。彼女には驚くよ。

そうして、他のパレットもどれも色がキレイなので、

アタシが少し加筆してアタシのサインを入れる。

只今、二階に展示中。

まず、何を描くのかを考える。

最初に、Bが、『僕、キノコにします』と言い、Aは、『じゃあ、僕は亀にします。』と言い、Cは、

『それじゃ、魚にします。』などという、安易な決定が下される。

私は、平面作品を短時間で美しく仕上げるテクを伝授。

昨日買ってきたミロのリトグラフを箱から出して、技法の説明をする。

『平面作品というのはね、面と面で区切られている。もしくはね、面と面の間を線で区切る。もしくは、その混合型。しか存在しないの。

だからね、短時間で作る場合には、何かでアタリをつけて、まず、面を先に作り、そのあとで、最後に線を引くと、画面が引き締まるわよ』

少年Bは、物凄くお喋りな男であった。

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