◆◆◆ 1090 ★ ゲロゲロ毛糸筆の紹介 ◆◆◆

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2008.2.10.更新

アタシが、今年から、書の大作に挑むことに決めたのは、たいした理由からではない。

もともと、書は書いていたこと。(特に、コシノヒロコさんの書を雑誌や展覧会で見て、一文字の小宇宙という美しさに心が動かされたこと)

大きい絵の方が得意なこと。

そして、2000円で、区の書道の展覧会に出展できること。(去年は、店の看板を持ち込んだため落選)ある種の画廊の営業活動である。

一つ額を買えば(三尺*三尺)それを今後も使いまわすことができること。

あっという間に作れること。

過去の多くの作家さんを研究すると、どの人も、自然に書を作っていて、作品と一緒に紹介されたりもしていること。

などからである。

おおっ。結構な理由があったんだね。

一番モチベーションが上がったのは、やはり、書家の安東寿美子センセイとの出会いだと思う。

地元で書道を教え、自らも大きな展覧会の役員や審査員をされているセンセイである。

水彩画も作られるため、区の展覧会で知り合いになる。

もともと筆運びができるので、おおらかなヒッチの水彩画も素晴らしい。

センセイは、アタシに、書の見方や、自分が俳句を書にするときに、どのようにするべきなのか、墨の作り方など、基本的なことを教えて下さった。(無料)

このことがきっかけとなり、アタシの書に対する情報量は一気に増え、新たなるやる気につながったということになる。

センセイが、書道連盟のポスターを私に依頼してくださり、そのときに、一枚の写真を扱うことになった。

『ブワっ』としぶきが飛び散り、グレイの幕が、黒い文字の周りに広がるような書を拝見。

オジャラ「この写真のような作品を作りたいんですけど、どうすれば作れるんですか?」

とセンセイに伺う。センセイは、

『この書はね、筆が違うのよ。羊毛の筆なの。物凄い高いのよ』

という答え。

オジャラ『ああ、それじゃムリだぁ』という絶望的な感想。

ある日、アタシは、毛糸の沢山はいったゴミブクロを拾う。

その中には、こんがらがった毛糸玉の他編み掛けのぬいぐるみの手足や、ボディ、セーターの後ろ見ごろ、中途のマフラーなども入っている。

オシオッサさんと、現代アートの新作でも作ろうと思って、ギャラリーに持ち帰る。

そうして、その、『羊毛のお高い筆』の話を思い返して、自分で、筆を作ったらどうかという気持ちになった。

使い古しの割り箸に、毛糸をくくりつける。

最初の一個は、フツーに端を切りそろえた品を作る。

でもまあ、ぬいぐるみの手足もアリだよな。

ブラブラさせておいて、ピシャっと半紙にたたきつけたときに、手足がはねて、きっと面白いマチエールが作れるに違いない。

否、どんなマチエールになるのか、書いてみたい。

そうして、ぬいぐるみの手足は、このように大暴れ。笑。

いいねぇ。(→自画自賛モード)

ギャラリーのファンの魚亭さんという方は、たずねてくれたときに、筆の実物を見たことがあった。

そうして、この書を見せたときに、

『げげっ。これ、あの、ゲロゲロ筆で書いた作品なの?』

と仰天。

オジャラ『ええっ、そうっす。ぬいぐるみの足がね、やっぱ、いい味出してくれました』

という話。

そうして、この筆は、『ゲロゲロ毛糸筆』と名づけられたのだった。

書を長年やっているけど、行き詰ってる?

そういう方は、毛糸で、筆を自作してみてはどうでしょう。拾えば原価タダですし。希望的には、ウール100パーセントを目指しましたが、かなりアクリル入っていたと思います。

大切なのは、気合っす。

この調子で、『金つかみどり』という文字も書き進みたいっすね。

並べたら、なんか笑い取れそうっす。

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