◆◆◆ 1034 ★ クリスト&ジャンヌの講演会 ◆◆◆
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2007.11.9 |
コレクターKのマスターから電話がある。用件は、例の、アタシのイラスト原画の払いについてだったのだが、ついでに、明後日は、クリストの講演会があるから忙しいなどという話。 オジャラ「うっそー。クリストって、ザ・ゲートのクリストですよねぇ。そのチケットって、どうやって手に入れるんですか?」 という話。 世界的に有名な現代アーティストの講演となれば、一生に一度ぐらいは聞いてみたい。 そうすると、国立新美術館の催しで、Kのマスターは、2名分が抽選で当ったらしい。 オジャラ「そうしたら、アタシ、そのチケット、マスターから買いますよ」 などと言ったため、原画の代金を値切られてしまう。 痛い所をついてくるわ。 アタシの気持ち的には、1万5000円払っても聞きたい。 市販されているものではないし、アタシが聞けば、創作に影響を与えてくるメッセージを受けるに違いなく、それ以上の、価値が、産まれてくるに違いない。 彼の、現代アートの作品は、創作のある重要な部分を、私に気づかせてくれた。 その肉声に触れることができるなんて。 |
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そうして、いよいよ、その日になり、500人ほど用意された席は、98%の満員率。 現代アーティストであれば、誰だって彼の話を聞いてみたい。 何と言っても、現存する、デュシャン以来の現代アーティストである。 このチャンスを逃したら、二度と話を聞くチャンスは訪れないかもしれないし。 それから、もしかしたら、図録にサインしてもらえるかもしれないと思って、昨日の夕方、神保町に美術書の調達に。 クリストの図録は、前から欲しいと思っていた。 当然のように難航。現代アーティストへの理解というのは、日本ではホントウに低いのである。 ギャラリーかわまつで、以前、クリストのドローイングが38万円で売られたいたのを思い出し、足を運ぶ。 レゾネ本をお持ちだったが、売り物ではないという話。 そうだよなあ。 折角なので、中を拝見する。 おおっ。こんな作品を作っていたんだぁ。 それから、2階の展示室も流す。スタッフの方と女将さんは、アタシのボロボロ具合を覚えていた。 『ピカソのリト刷りポスターって、サイン入りで70マンぐらいするんですよね。』とアタシがボロリというと、まさに、72万円で売られていたので笑った。 作品には、相場というものがある。 その相場観をもてないと、安いか高いかの判断がつかない。だから、カスを握らされるのである。 もう一つ必要なのは、真贋を見極める力である。 この、相場と、真贋の二つが揃わないと、画廊業は出来ないのよね。たはは。 |
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お店の人は、クリストの図録を探しているという話をすると、近くの美術書の専門店、山田書店(4階)を教えてくれる。 山田書店に行くと、今度は、ボヘミヤンと、もう一つの場所を教えてくれた。 なるほどねえ。 美術書を扱っている書店は神保町には4件あり、そこ以外では、よっぽど時間がないと、探している本は見つけられないということになる。 ということで、クリストさんの話。 講演は、概ね、彼らが作ってきたプロジェクトの説明や、資金の調達方法、何故それを創作するのか? 「私たちは、アーティストだから、作りたいものを作る。 そのために、必要なプロセス(公的許可や、議員の賛同)も地道にクリアしてゆくし、資金が必要であれば、スポンサーに頼らず、自力でドローイングを販売して、金を作る」 という話。 概ね、筋はこの筋で、「作りたいものを作る。理由などない」 という説明。 まあ、作品に意味や結果を求めてしまうという、人間の常識的な感覚との「差」そのものが、彼らの作品だとアタシは考えている。 その、不網なやりとりを聞けたというのが又素晴らしかった。 |
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やなぎさんというのは、今回の講演で、クリストさんと、ジャンヌの通訳をされていて、一昨日は福岡、昨日は水戸で同様の講演会を開かれたのだそうだ。 そうして、素人観客の、趣旨を得ない質問の要点をよくまとめて、会を進行してくださった。 アタシが最も聞きたかったのは、「自分の作品の価格設定をどのようにしているのか?」という部分だった。 あまりにも品が無い質問だったので、今回は遠慮したが、いつかチャンスがあるかもしれない。 講演によると、クリストさんご夫妻は、5階建ての自宅の小さいビルで、5階をアトリエに、2階は、作品を買いたい人と商談が出来るようなスペースにしているのだという。 3階と4階に住み、1階はガレージと類推。 なるほどねえ。 お客様は、画商か、美術館と言っていたが、きっと、コレクターも来ると思う。笑。 まあ、コレクターから打診があったら、きっと、画商を通せという話になるのかもしれない。 それが、プロの作家というものである。 直接取引しようと思えば、必ず値切ってくる人がいるし、その辺りの人間的なやりとりは、その後の人間関係まで殺伐とさせてしまうのである。 人間というのは解りやすい。 そういった、嫌な話を引き受けるのが画廊ということであり、そういった、嫌な話の代金が、手数料ということになる。 だけど、画廊から沢山買えば、作家とも会わせてもらえるということになる。笑。 そういった、アトラクティブな作家さんを何人扱えるのかというのが画廊の格ということになり、いい画商とめぐり合えるのかにより、作家の人生も大きく変わってしまうのである。 (公式サイトを見たら、コレクターでも、メールで連絡を取ってくれと書いてあった) |
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