◆◆◆ 989 ★ 油彩-2 ◆◆◆
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2007.9.26 |
アトリエで絵を描いていると、母から電話があり、 ゲーダイの学生さんで、地域ナントカ学課の「足立区の町を活性化させる」というプロジェクトの研究をしている。 という人が画廊に来ているので、アタシと話ができないかという内容。 アタシも、絵を描き始めると、止める事が出来ないし、ゲーダイの学生さんは、アトリエが汚くても文句は言わないだろうと思い、アトリエに来てもらうことにする。 そうして、カニ歩きで中に入ってもらい、いくつかの質問事項に答えることになった。 何でも、藝大で、地域活動に関する研究をする部があって、今年は、足立区の研究をするプロジェクトがあり、彼は、千住の町のことを調べているのだそうだ。 質問-1「千住ってどんな町ですか?」 という質問に対して、「セッカチ」だという話をする。 みんなセッカチである。 例えば、地元の無料書道教室の話。 10時から12時までの教室なのに、みんな9時半からスタートし、11時半に終わってしまう。 設営のお当番も、9時半に来てくださいと言われて、9時半に行ったのに、9時ごろから来て、もう、設営を終わらせてしまっている。 まあ、それだけならいい。 ちゃんと時間に来ているのに、「あの子は気が利かない」などと、いわれかねないところがある。 そういう気質に馴染めないと、自分はいじめられているような気になる人もいると思うよ。 という回答。 |
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もう一つの気質はおせっかい。 私が、画廊のオープンで、せっせと店の家具などを作っていると、前のカラオケ屋のマスターがやってきて、 「ウチのママたちとも話しているんだけどさ、千住では画廊はムリだよ」 などと、親切に助言を与えてくれる。 彼に限らず、「画廊を開く」 と話せば、「そんなの、千住で、うまくいくのかしらね?」 と、ポンと出てくる。 商売などをやっていれば、内心そう思ったとしても、そこは笑顔で、「頑張ってね」の一言がでてくるのであるが、千住の人の場合、本音が返ってきてしまうので、 「そんなの、ムリじゃないの?」 などという話を、わざわざ、こちらにしに来てくれたりするのである。それが、1人や二人ではない。 はぁ。 嫌まあ、アタシは、千住の出身だからさ、家族だってそんな感じだし、自分もかなりそういう人間でね、ま、皆さん、悪気がないってことが理解できているしさ、細かいことは気にしないというおおらかな性格もあると思う。 いちいち気にしていると、アタマに来て、この街には住むことなどできないのだ。 |
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そういう、「せっかち」と「おせっかい」の文化なので、外から来た人で、そのペースに乗れないと、物すごい排除されているような気になる人もいると思う。 逆に、町内会のイベントとか、お祭りなんかに参加すると、一気に心を開いてくれて、親切にしてくれる人が増えるよ。 というアドヴァイス。 彼は、ギフだか、トットリの方から出てきて、大学院から藝大に入ったので、なかなか、藝大の(大学から大学院にシフトしてきた、ファミリー的)ムードに馴染めないのだとポツリとアタシに話す。 アタシは、よく、そういう話を人にされる。笑。 不思議だよね。 |
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アタシは、話している間もずっと絵を描いていたのだが、彼は、結構長い時間、アタシが話し続けるのを聞いていたと思う。
例えば、地元の印刷屋さんで、グラフィックデザインの仕事をしているという話になる。 物すごい有名なデザイナーさんが、区のキャラクターというキャラクターを作って、その版権のようなものを持っているので、若いデザイナーさんやなんかは、なかなか、区外の人は仕事を取るのが難しいんじゃないかという話になる。 と話した。 そうすると、彼は、「藝大では、もう一つ、足立の花火大会のロゴやポスターを作るというプロジェクトがあって、藝大のコたちが、それをせっせと作っているんですよね」 という話をしてくれた。 アタシが、花火大会のポスターをやる日は来ないのだということは理解できた。(嫌まあ、別に、花火の写真使わなきゃいけないからさ、そんなにやりたいってことでもないんだよね。絵とサインが入るポスターの方が、残ったときに、実績につながるしね。) 私が解る範囲で、地元で仕事を取るときのアドヴァイスなんかもしてあげた。 |
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