◆◆◆ 847 ★ 思いもよらぬ話-2 ◆◆◆
2007.2.2 |
貼紙を見た次の日、母と待ち合わせをして不動産屋に行く。 もう10時半を過ぎているというのに、まだ開いていない。 ヤル気の無い不動産屋だぜ。 貼紙の地図を見て、物件の下見をする。 飲み屋横丁に並ぶ建物の中で、空き家らしい一軒を見つける。 ああ、たぶんここだよね。 間取り図では、1階にはカウンターと、畳が二畳分の座敷があり、二階は4畳半2個という住居スペース。 二階の窓には物干しの竿を置く台があって、ここで生活していたんだなあという生活感がある。 それにしても、駅から近いよなあ。 これが、あと20メートル程すると、宿場町通りになる。表通りに出れば、値段は3倍ぐらいになってしまう。 資金の無い人間が宿場町通りで何かをやろうと思うのは、間違いである。 北千住の場合、メインの道であっても、人が流れてくるのは、昔の誠商会の当りまで。反対側は、トポスの前までしか商業的価値はない。 それぐらい、北千住という町の商業のパイは小さいということである。 そこから外れているのであれば、どこでやっても、客など来たりはしない。そういう町だということだ。 |
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そこから離れてしまえば、どんなお店であっても、賃貸経営では家賃に負われる生活になる。 自分の持ち物にして、家賃がかからないような経営構造にしないと、いつまでたっても、大きくなってゆくことはできない。 スタート当初の自己資金が、物件を購入できるぐらいないと、その先の商売を継続できないということである。 飲み屋街の真ん中でも、駅からすぐという立地は捨てがたかった。 アタシが画廊巡りなんかをしていて思うのは、駅から近ければ、足を運ぶのが苦ではなく、何度も訪ねているという実態である。 駅から1-2分というのは、好感度は物凄い高い。 1階かどうかということよりも、そこまで辿り着くのに、何分かかるのか?というのが大切である。 画廊業であれば、夜は営業しないので、飲み屋のヘタクソなカラオケでアタマに来ることはない。 |
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場所をハッキリさせるため、至近の不動産屋に戻る。 途中で3丁目の氷川神社にお参り。 大黒天が祭られているその神様に、賽銭を投げ入れる。 それから、不動産屋に行くと、さすがにもう営業を開始しており、くだんの物件の中を見たいと申し出る。 ガラリと引き戸を開けると、左側に大きなカウンター。 右側は、縦に二畳の小さな座敷がある。 結構広いなあ。 座敷の奥には古いタイプのトイレと、勝手の出入り口。 よく解らないスペースが一つあり、カウンターの奥には壁から吊るされた大きな食器棚。 奥には、押入れ程の収納スペースがある。 ここも壁面にして、カウンターにも絵を展示すれば、結構飾れるよなあ。 |
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とりあえず、二階もチェックする。 4畳半は和室と床張り。 床張りの部屋は、このままギャラリーにできる。 階段や座敷、床の部屋には全てコンパネ(2.5センチ厚のベニヤ)を貼ってもらって、ペンキでも塗れば、大して手を入れる必要も無い感じ。 出物だわぁ。 何でも話しを聞けば、40年近く同じ人に居酒屋として店舗を貸していたという話。 その人たちが退去するのを、長いこと待っていたということである。 大家というのは、一度貸してしまったら、自分の手を離れてしまうというのと同じだということである。 別に予算があるワケでもないので、目に触れるところだけ先に手を入れて、あとは、時間のある時に手を入れて修繕する。 そういう話かなあ。 カウンターを取り去ってもいいんだけど、そうすると、台なんかを置いたり、壁面を作ったりしなければならなくて、また金がかかる。 「くつろげる画廊」 そういうコンセプトもいいかなあと思う。 |
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