◆◆◆ 742 ★ とある方からの電話 ◆◆◆

2006.7.10

バイト先で、昼飯を食べようと外に出たときに、電話が鳴る。そうしたら、見知らぬ人からで、今、名倉病院の近くにいるので、アトリエを見学できないかという内容。

「今、バイト中なので、今日はムリです。申し訳ありません」

という会話。

あー、見知らぬ人に、貧乏だと思われたに違いない。

が、アート愛好の人は、若いアーティストのほとんどがバイトなどをして、生活を支えているということを知っている。

であるからして、ま、フツーなのである。

それにしても、チラシを見て電話をしてくるというのは、よっぽどのアート愛好に違いない。

何故なら、そこまでして、絵を見たいなどと、普通の人は思わないからである。

オジャラよ、名前位は聞いておけよ。

たはは。

ダビンチの描いた、富豪愛人肖像画は、なかなか気品が出てこない。

全体の比率として、もう少し、絵を小さく描かねばならないのだが、なかなか小さくすることもできない。

たったこの程度のスケッチにも難航しているのだから、アタシの絵が売れなくても仕方が無いとおもえてくる。

聖母子像というのは、いつかは描いてみたいよなあ。

それは、洋画家であれば、必ずそういう気持ちになるものだと思う。

バイト先のポチちゃん(パートさん)は、木目込み人形の創作を開始すると私に告げる。

彼女の木目込み人形は、20万円近くで売れるのだそう。

うっひょー。

木目込み人形がねぇ。

何でも、節句の人形とか、雛人形、干支は(値段は安いこともあるが)必ず売れるのだそうだ。

日本人の購買行動の根深さを学ぶ。

美崎太洋さんの個展が開かれます。

月光荘で7月17日から23日まで

もともと、彼女はお金持ち筋で、完成した木目込みの展覧会はお金持ちの社交場らしい。(センセイが相当の社交家らしい)

そうして、展示してある品を見て、見た人が買いたい作品の値段を書き込み、受付に預けるのだそうだ。

人形は、一番高い値段の人に落札されるというルール。

そんな話聞いたこと無いぜ。

そうして、売れるというのは、作品に力があるんだろうと思い、今度、是非見せてもらおうという話でランチは盛り上がる。

そうして、堀柳女とか、郷田ナントカというような、人間国宝の人形を研究しろ。

高値で売れること間違いなし。

などとアタシにけしかけられている。

ポチ嬢の最大の特徴は、素直な上に勉強家であるという所である。

ポチ「そういえば、そういう作品、展覧会で見たことあります。」

などと言い出し、アタシが、「賞取ってたでしょう?」

などと聞き返すと、真顔で頷くのであった。

今頃きっと、何の疑問も持たず、人間国宝の人形作家について、研究を開始しているに違いない。

美崎さんの絵は、早いヒッチであっという間に描きあげましたという絵ですけど、色がとても美しいです。

急いで描くと、画面に黒が広がって汚くなるものなんですけど、絵の具の使い方を熟知されているんだなと、この絵を見ただけでも思います。

WEBのギャラリーにも沢山作品展示してありますので、是非、訪ねてみてください。

わがままさんから電話があり、太洋さんの個展がもうすぐ始まるので、レポートをヨロシクという内容。

最近腱鞘炎になってしまい、病院に行き、問題を解決しようと相談したのだが、手術は失敗することも多いので、とりあえず手を使わずに過ごせという話だったなどと愚痴られる。

「足でも口でも絵は描けるからさぁ、別に手で描く必要ないでしょう。」

などと、アタシに足で描けとか、筆で描いてはいけないといっていた人がいた。などという話をくどくどとしたため、わがままさんは、「そんじゃ、お尻で描いてみるよ」

などと言い出し、「お尻はもう、過去に例があったんじゃないかなあ。今まで誰もやってなかったことをやらないとダメだよ」

などという会話で盛り上がる。

わがままさんのオシリ絵は、迫力ありそうだよなあ。

彼女の家の4匹-5匹の猫に絵の具がつけられる日は近い。

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