◆◆◆ 741 ★ 個展五日目-2 ◆◆◆

2006.7.9

Jさんは、オシオッサさんの、「(アタシの)ニセ為替事件のメール全文にサインを入れた作品」を見て面白いと言い残し帰っていった。

現代アート系の人は、何を考えているのか、サッパリ解らないぜ。

コハラさんは、引き続き、この作品がよく解らないというので、

アタシが、「現代アートは、見た人が『よく解らない』と思ってもらうことを意図して作られている場合も多いから、もし、見た人が、『この作品(の芸術性)はどこが良いのか解らない』と思ったのだとすれば、作家の意図した思考を、アナタがしたということになり、アナタの負けなのよ。」

などという補足説明をする。

そうすると、今度は、机の上に乗っていた、細長い和紙を丸めて色をつけたのは作品なのか?という話になる。

これは、地口行灯の絵を描くときに、和紙をアンドンの大きさにカットした残りの和紙。

この紙は高いので、何かを作ってやろうという気持ちになり、いつのまにか、得体の知れない作品になっている。

まず、これを、円錐状に丸め、端からカラーインクを垂らす。太い紙束ねて、適当にインクを垂らすという感じ。

そうして、それを、今度はダンボールなどに貼り付けてゆく。

そこにノリ。

スティックノリは、あけても、あけても、空なのである。

はぁ。なんで空のスティックノリがタンスに入っているんだろう。

オシオッサさんの仕業かもしれないよなあ。

アタシは、絵の具でも、ノリでも、使い終わったらすぐに容器を捨てるタイプなので、大量に捨てられていたスティックノリのケースを見て、オシオッサさんが、タンスに戻したのかもしれない。

ああ。現代アートを始めてから、疑い深くなって困るよ。

出来上がったのはこんな感じ。

やっぱ、色彩を持っているのかもしれない。

それにしたって、ぼんやりしていたら、コハラさんと話しながら、7枚くらい作品は完成してしまう。

安易な作品である。

10月にある、廃材を利用したアートとかいうのに展示しよう。

こんな台紙でも持っていると、ポスターを貼り付けたりもできるし、一部を切り取って、WEBの背景画像を作ったりもできるのである。

売れるとも思えないが、アタシの作品には違いない。

アタシの作品という気がしないことを除けば、この程度の作品を展示している展覧会というのは、見たことがある。

こちらは、コハラさんから頂いたお花。

ビニールに入れられて、毎回個展の時に出される予定。笑。

お花があると、展覧会が華やかになる。

そうして、きっと、オシオッサさんは、この造花に何か創作物を仕込むに違いないと、アタシは確信するのであった。

彼女の悪戯好きは、筋金入りである。

コハラさんは、オシオッサさんが作った、しいたけの袋で作られた緑色の作品を見て、これは、現代アートの作品なのかなどとアタシに質問をするのである。

そうして、その次には、玄関に落ちている、空き瓶(単純に放置されている品)などであっても、作品に見えてくるようで、現代アートの鑑賞というのは、猜疑心の塊のようになるものなのだと思わされた。

アタシが、ザイムの自分を展示している若人の展示を見たときに、展示品が彼だと思う前に、ドアの裏側に落ちていた汚れたスポンジや、茶がらの入ったカミコップなどが展示品かと勘違いしたのと、同じ感覚なんだろうと思う。

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