◆◆◆ 710 ★ 日動画廊 ◆◆◆

2006.5.30

雑誌社さんに、HPの作り方を教えに行き、その後、丸の内線で銀座に流れてゆく。

まず、高田さんが展覧会をしている月光荘を目指す。

途中、偶然日動画廊の前を通る。

おおっ。こんなところにあったのか。

ということで、入ってみる。入り口には、三岸節子の花の油彩。さすが、これが老舗画廊というものだぜ。

中にも、有名センセイ方の油彩がゾロゾロと展示してあって、丸の方もボチボチ。

値段は書いておらず、買いたい人が聞くシステム。

私のような貧乏版画収集家は、このような場所で値段を聞く勇気はない。

売れている絵は、それなりに良い絵であり、見るほうも解っているという筋。

ある程度、悪い絵も混ぜて展示しないと、良さが引き立たないので、とりあえず、混ぜて展示しているのかなという感想。

額縁屋のオヤジに言わせると、お客様は、自分には全く良く理解できないセンスで絵を選ぶので、こちらも、趣味に関係なく、イロイロと揃えることにしているなどと語っていたのを思い出す。

広い店内には、結構若い店員さんが3人も4人もいて、あとは重鎮、客の人数は、店員より少ないという実態。

これは何を意味しているのかといえば、売れているというのを示す。

絵というのは、利益率の高い品であり、1ヶ月に何点かがハケるだけで、経費などの全ては出てしまう。

であるから、それ以上売れた場合には、儲かるという構造。

若いイケメン揃いだったので、リッチマダム狙いということのよう。笑。

なるほどねぇ。オババ心がそそられるよなぁ。

アタシは、小磯良平とか、中川一政、梅原、三岸程度の有名人しか知らなかったが、ここに並んでいる作家先生たちは、それぞれ、それなりに有名なんだろうなどと納得した。

置いてあるのは、最後まで無難な線であり、日本の収集家がどれくらいポジティブなのかが理解できた。

なんとも言えないぜ。

個人的には、つまらない絵の代表みたいなグループだという意味である。

アタシの絵が、ここに並ぶことはないだろうぜ。

もしあったとしたら、薔薇とか、ユリとか、海外の風景などを描き、無難にまとめた絵も大量に作り、そちらを売り込むという話になるだろう。

どーよ?

ま、そんなこと(売り込み)をしてもムダだろうね。

画壇などに入り会員になるまで何年か応募し続け、それなりに入賞暦があり、雑誌などにも取り上げられ、有名画廊での取り扱いはその後でという話。

それが、筋の王道というものなのだ。

有名作家だけを扱って、お客様の信頼を集めている画廊が、新人をプロデュースして、リスクを持つとも思えない。その必要もない。

であるからして、若い画家さんは、二科を目指すわけかぁ。納得。

まあいいか。

こんなに絵を描く人がいる中で、自分の絵が何百万円で売れると考えるのは、ある種の幻想だと思う。

アナタは、知らないかもしれないが、画廊に並んでいる絵の素性など、アテにはならない。作家の死後、画廊を転々としている作品の値段は様々で、真贋を見抜く力だけが画廊を支えている。真贋を見抜けるというのは、名画に成りえる作品を、安く買い叩いてきたということに他ならず、生きている画家に、たいして金など流れていない。もしくは、中古品となれば、作家にはビタ一文入らない。

だから、生きているうちに、どのくらい、自分の見入りを増やせるのかというのが、ポイントになるというワケなのよ。期待できるのは(画廊通しだとしても、初回の)直接収入だけである。

奈良美智さんなんかの絵は、この左の作品(10号前後)でも120万円とか、そんな感じだからなあ。

うまくやったよなあ。

彼の作品は、Tシャツなんかのグッズでも売ってるし、美術館でもフィギアも売られているし、若いのにスゴイなと思う。

そうして、彼のTシャツは、ほとんどの女の子は、欲しいと思うのである。

うーむ。見慣れてきたってことなんだろうか?

そういう人は、彼しか知らない。

村上隆ねぇ。別モノだよなあ。

彼には才能はあると思うけど、文化村のオークション会場なんかに並んでいる作品にはヘドが出そうだぜ。

アートの世界というのは、もし、それが、職業なのであれば、金を稼いだ方が勝ちである。

イラストレーションでも、絵画でも、その外の立体とか、そういう作品であってもである。

今までのように、出版物の露出が増えれば、食べられるという時代ではなくなってきた。であるからして、今までの収益源を絶たれた人たちは、他のアプローチで作品の露出を増やさなければならないということなのだと思う。

そうして、どのギャラリーでも展覧会というのは行われていて、いつも通らない道には、有名画廊がいくつも並んでいるのだというのを知る。

ほとんどの画廊は小さく頑張っており、きっと中に入ると息が詰まるような独特の雰囲気が流れるのだと思う。

であるからして、よほど(個性があるとか、もっと見たいとか思う)の作品でない限りは中には入らない。

だから、どの画廊も客はアタシたった一人で、あとは作家さんとチョロリと話したりするということになる。

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