◆◆◆ 697 ★ イラストレーター協会展 ◆◆◆

2006.5.12

昨日から、市谷駅前の山脇ギャラリーという場所でスタート。

搬入に。

うっひょー。

ここにアタシの絵が並ぶのかぁ。

そう思うと、気が引ける思いだった。

イラストレーターといっても、バリバリと稼ぐ方と、ささやかに収益がある方と、お仕事大募集中の方という3ジャンルに別れる。

そこが、画家とは違うところかもしれない。

画家の場合は、金銭的には大変な人ばかりで、画廊がついて売れていても食えているという人はほとんどいない。

イラストレーターでも、食えているのかどうかというのが、ビミョーな線であるようなムードだが、バイトをしながら、微かに絵の収入という人の方が多い。笑。

同じじゃねーかと思うかもしれないけど、バリバリ系の人は、商品の筋が全く違って、稼いでいる人は、本当に、どんな絵でも大量に描ける力がある。

作品の個性が極まりすぎると、仕事を発注しにくいって事なのかもなあ。

無難な作品からエロエロまで、皆さんの作品ファイルは興味深く勉強になる。

それぞれが、自分の好きな画材で作画に取り組まれていて、「パソコン」というのも、絵の具のように扱われている。

切り絵系、染物系というような、普通の方が使わない画材で作品を作っている方のは、やはり、並ぶと、差が出るんだよね。

アタシは、ホントウは一枚描こうと思っていたのだが、商店街と伝統芸能のポスターの直しというのがあって、やむなく既存作品を出すことにする。

もう一枚は、たいした構想ではないのだが、バタバタと電車の中で作ったクラフト?(廃材)作品。

廃材のベニヤにペンキを塗り、丸いフックを8個取り付ける。

そうして、そこに、靴下型のダンボールが入っているビニールのパッケージを吊るす。

中は、当然、靴下型のダンボールと、靴下の上に巻いてある横帯である。

ダンボールには、マトリョーシカのような、柄の細かい絵を描き込もうという計画であったが、こちらも時間が無くなったので、無地のまま出品。

帯には、裏を見ろとか、裏を見ることが出来る、裏を見てね、裏を見てもヨイなど、と、両面に書いておく。

展示品を見た人は、必ず、その帯の文字を読む。

何でか解らないんだけど、必ずそうするんだよね。笑。

日本って、識字率高いわぁ。

それは、ダンボールに絵が描いてないからなのよ。

そうして、これには、もう一つのヒミツが隠されているのだが、ここでは教えてあげないの。

切り絵イラストレーターの深川さんは、「こーいう作品を作れる人はいーよなぁ」と爆笑し

画廊などで絵を売っている茂木クンは、額縁の裏まで、スミズミを見る。

そうして、ヒミツの隠された靴下を落としてしまい、

あ、それ、「●●だよっ。落としちゃダメじゃない」

などとアタシに叱られるのであった。が、彼は、ついていた。

アタシに、そのヒミツについて教えてもらうことが出来たからである。気づかないように、ソーっと仕込んであるのよ。

そうして、「お当番の日に、(この靴下型に、)絵でも描こうと思うんです」と、私が、作品の解説をすると、待ちきれなくなった方が、

「一枚くらい、今、描いてもいいんじゃないか?」

などと言い始める。

人間というのはセッカチである。

「あー、ヤッパり、何も描かないほうが面白いんで、何も描かないことに決めました。描いてない方が、気になりますもんねぇ」

作品に近寄っては、靴下の裏側をソーっと見ては元に戻す観客の様子を遠くから眺めて、アタシはニヤニヤした。

現代アートというのは、これだから辞められない。

オープニングパーティーでは、若手の猫絵のイラストレーター志望の方、漫画家志望の方、フランス人、看板屋さんと、現代アートの話で盛り上がる。

そうして、靴下の一つに、「●●」を仕込んでおいたんだよね。

というと、猫絵の池乃さんは、「ボクは全部見たけど、気づきませんでした」

漫画家は、「アッ」という顔をし、

看板屋さんは、「何があっても、見てはいけないという強い気持ちで作品の裏は見ませんでした」などという感想。

全員が、やられたという顔。

アタシの勝ちだぜ。

というように、だんだんと、嫌な性格の作品になりつつあるのに驚くよな。

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