◆◆◆ 692 ★ 公募展、植物画の展覧会 ◆◆◆

2006.5.4

その後は、損保ジャパンの、植物画の巨匠展へ。

「植物画」なのに、「巨匠」なんだよ。

聞いたこと無いぜ。

どんな展覧会なんだろうというのと、人の入りを見に行く。

「植物画」は、どこまでも植物画の域を出ない。

まあ、そういう展覧会である。

個人のコレクションとしては、痛みもないし、質も高いし、悪くなかったと思う。

ボタニカルアートの方が、マンションなどのリビングに、よく合うもんなあ。

気持ち的には、つまらない展覧会よ。

ボタニカルアートのように、写実を追及するだけの作品には、何の芸術性も感じなくなっている。

そういう自分の価値観の変化にも、驚かされる昨今である。佐伯や、ゴッホの絵を見ても、「風景や花ばかり描きやがって、瞬間表現が欠如しているぜ」的な感想を持ってしまうのだから、ボタニカルの展覧会が退屈と思っても仕方が無い。

そんなことを思いながら、こういうのの印刷物を飾れば、絵を飾った気になってしまう日本人のアートに対する文化レベルの低さを再認識。

印刷屋のマーケティングのレベル高さを思い知らされる。印刷技術は、確かに高いもの。笑。ホンモノ以上ということが無いわけでもない。

印刷物を、「絵画でございます」風に、結構な値段で販売してきた「絵画販売業界」が、諸悪の根源ということなのか?

ボタニカルアートというのは、花の絵であるからして、まあ、動きを出したりするのは難しいのよ。

一枚だけ、ハチ鳥とコンビの絵があって、芸術性を追求するのであれば、鳥を花に組み合わせるという技法はアリだなあと思ったりして。

描くほうも、正確に描写するということに重点が置かれていて、花に顔をつけたり、天辺にカエルを乗せたりしてはいけない。

であるからして、写真のような水彩画風の絵が並んでいるという展覧会になる。

その中でも、「ジャガイモ」とか、「ニンニク」などのボタアートと比較すると、パラダイス・熱帯系の、ビビットで大柄な作品は得だよなあなどということが解ってくる。

同じ写実で、同じ時間をかけて描いたワリには、完成度(というか、見栄えや、好感度)が大きく違ってくるということになる。

買う方の心も、ビビッド・見栄えのヨイ系に心がより動くという話なのよ。

何が言いたいのかといえば、モチーフ選びは慎重に、効率よく行いましょうということである。

え?ニンニクやジャガイモの絵は、何故存在するのか?

そこなのよね。

コレクターとしては、絵が増えてくると、植物学術書などにまとめるとかさ、そういう、新しい野心が生まれるのよ。

もしくは、自分が今まで持っていない植物の作品を追加したい。

というそういう流れになる。

ウルトラマンカードで、レアな怪獣とか、ウルトラの父の枚数が少ないとかいって、高値で売買されていても、コレクションに加えたいというのと同じ心理なわけ。

あるいは、一生売れそうに無い「ジャガイモやニンニク」は、作家さんが、他の作品と抱き合わせて、おまけとか、ディスカウントに応じて、もしくは、沢山買っていたお礼などとして使われて、収集家のコレクションに加わる。

そういう実態があるのだと思う。

その後、エプサイトで波の写真展を見る。

エプサイトの展覧会は、いつ行ってもそれなりの質の高さで楽しめる。

今回は、壁を黒くして、写真の透明感が際立った、よい展示であった。

今回の雑誌の表紙のイラストが、実は、波乗りしているギャルの絵だった話で盛り上がり、描く前に、この展覧会を見ておけば、もう少し波の動きなどに臨場感が出たに違いないという話で笑う。

その後は、初台で開かれているケンタさんの展覧会。

ケンタさんの個展に行くのは、これで三回目。

毎年楽しみである。

毎年、Tシャツの柄が増え、値段がアップしているのが興味深い。

作品の方は、10号程度のアクリル画で8万円程度という話。

オジャラ「サムホールとか、3号位の小さい作品も作れば、2-3万円なら、小さいのは全部売れると思うよ。」

などという話になる。

ケンタ「そうっなんすかねぇ。」

オジャラ「初心者はいきなり8万円は買わないよ」

ケンタ「そうですよねぇ」

イロイロな画廊を回っていると、売れているのは、常に一番(小さくて)安い作品なのである。

だから、アタシも、サムホールとか、もっと小さい作品も作って、お手ごろ感も用意しておくと、そういうのばかり売れるんだよね。笑。

ポストカードサイズのカンバスの油彩は、7000円なんだけど、それは売れる。(汗)

中学生も買いたいとか言って来た事もあったし。笑。鑑識眼あるよなぁ。

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