◆◆◆ 689 ★ 50号・大工さん ◆◆◆

2006.5.3

大工さんから電話があり、私の主母堂(?)とかいう、仏像を彫ってくださって、持ってきて下さった。

彼が木彫をスタートしたいという話を伺ったときに、「売る気で作れ」と、エラソーな事を言ったらしいのよ。

たはは。オジャラよ、アンタこそ、売る気で作れよっ。的な状態というのは、全く忘れていたぜ。

そんなもんで、彼は、俄然やる気になり、どんどんと作品を作り進めている。

今回は、5体程の仏像を見せてくださり、楽しい時間となる。

まあ、仏像って一言でいうけど、イロイロといるからねぇ。

仏様は顔が命。

一心に作らねば、良い作品にならない。

内面から力の溢れ出る、良い作品である。

アタシは、以前、円空と、木喰の図録を彼にプレゼントしたことがあった。

木彫をするのであれば、知らねばならない作家さんだからである。

そうして、仏様の後姿が、どんな形をしているのか良く解らないなどと、アタシに愚痴られ、国立博物館に行けば、後姿も見れるよ。などと、具体的な問題解決策を提案する。

良い作品を作りたければ、良い作品について知り、その作品と自分の作品との差を受け入れ、一流の作品に近づくための修練を重ねるという、たったこれだけの作業の繰り返しなのである。

50号は完成する。

この作品には、上下がないので、サインは、カンバスの裏に入れることにし、画面には入れないことにする。

上下左右の無い作品というのは、自由でいい。

ステッチは、もう少し太くてもヨカッタよなあ。

小さい作品ばかりを作っていると、細い線を作れるようになる練習ばかりしているので、大きい作品になったときに、それが出てしまうんだよね。

近目、多少汚い感じがしても、遠くからよく引き立つようなラインを入れないと、完成度が落ちるんだよね。

まあいいか。

28日が搬入だけど、もう、これ以上ラインを加筆すると、乾かないということだけは確かである。

背景も、もう一塗りし、白とのコントラストを強化。

透明な絵の具は、重ねれば重ねるほど美しく深みを増してくれる。

額縁屋のオヤジに頂いたベニヤ板に描かれた作品も、なんとも愛すべき作品で、私は、とても気に入っている。

小さいカンバスを全部描いてしまったため、また、追加で世界堂に注文を入れようかとも思ったが、拾った板切れなんかは大量にあるもんで、そういうのに絵を描いてゆこうかなと思う。

まあ、廃材なんで、2万円では売れないと思うけど、5000円位なら買いたいという人はいると思う。

油彩だし。笑。

描けば、練習になるし、それに、30分程度で描けるし。笑。どうせ売れないし。

カンバスと比較して、乾燥したあとの扱いが大変になるよなあ。何か、グッドな仕組みを考えておかないと。

カンバスであれば、壁に掛けて乾燥という選択肢もあるのだが、板の場合、ずっと横向きにして乾燥しなくてはならなくて、場所を要するという意味である。

はぁ。

早く売れてほしいぜ。

この絵をどうするかだよね。

もう少し絵を引き締めて、売るかなあ。

こっちの絵は売れたりするかもなあ。

世の中の人は、見る目が無いぜ。

まあいいか。

こんな絵でも、お部屋に飾ると、お部屋が明るくなって、それはそれで、悪くない。

この絵が、何でも鑑定団なんかにでたら、「アタシの作品ではありません。キッパリ」とか言われちゃうかもなあ。

という出来具合。

そんな作品を世に出していいのかという、作家の気持ちはある。

抽象画にでも仕立て直すかなあ。

嫌、まあ、抽象画であっても、まだ、アタシの作品だという確固たるオリジナリティーは手に入れられていないのでね、何ともいえないんだよね。

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