◆◆◆ 647 ★ サイン不要論 ◆◆◆

2006.1.28

最近、サインとかエディションについて、よく考える。

まあ、作家だからさ、どこかには入れるけどね。

でもまあ、入れなくてもいいかなぁという絵もある。

抽象画などは、間違いなく、そういう世界で、サインを入れることが絵の邪魔になってしまうのだ。

人物などの絵は、明らかにアタシの絵だと解る作品もある。

そういう絵には、サインなど入れなくてもいーんじゃないかという気もしている。

まあ、傾倒している作家さんの絵に、自分の絵が似てしまったので、自分のサインを入れてます的な絵はよく見かけるけどね。笑。

そういえば、この前、雑誌の表紙のデータを入稿するとき、雑誌社さんに「もう少しサインを大きくしてください」

などとリクエストを頂いたよなぁ。笑。

絵が小さいのに、サインだけ大きいというのも、それはそれで恥ずかしいよね。

作家というのは、作品を見ていただく為に絵を描くわけであり、サインを見ていただくというのは、最後の最後。

「あっ、ひょっとして、谷内六郎かなあ」サインを確認、「やっぱり」という流れが正しい。

柳に言わせると、「無名の美」という世界で、名前などが、表に出ては一流の作家ではないということのようだ。

まあ、そうだよね。作品が優れているから欲しいというのが、素直な感想であり、「有名な人の作品だから持ちたい」というのは、買うほうも素人だということになる。

この前の個展のときに、来てくださった方が、「サインはRだけなんですか?」と聞いてきた。

オジャラ「ええ。まあ、無くてもいいかなと思っているんですけど、買う人が、ニセじゃないかと、不安になるみたいで、小さく入れることに。昔の絵は、まだ技術が足りなくて、サインも物凄く大きくなってしまっていたんですけど、最近、小さく描けるようになってきました。笑」

というような会話。

Rというサインで、アタシの絵だと気づく人が増えたら、それはそれで、スゴイよね。汗。

その日は、まだ遠い。

今手がけている地元のパンフレットには、イラストを数点入れるのだけど、特に、ネームを入れていいとか、悪いとかいう確認は取らなかった。さりげなく、イラストの一枚に「おじゃら」と入れておくことにする。笑。

消すように言われるかもなあ。まあいいか。

「おじゃら」というサインは、それはそれで、恥ずかしい気持ちでイッパイになる。ニセと思われる可能性さえある。笑。

露出が増えれば、サインは、本当に必要がなくなってくるはずなのだ。

多くの人は、絵を見れば、アタシが描いたということが解るからである。

そう、サインなどなくても、絵を見てくださった方に、私の絵だということが解る。

それが、画業というものだと思う。

もし、そういう絵でないのであれば、それは、まだ、作家として未熟だということに他ならず、また、絵を何枚も描くだけの話なのだ。

印刷屋さんの仕事は、もう一つ新案件を頂く。

北綾瀬駅前の菖蒲沼の情報をHPで調べたりして、イラストなんかを描いてみる。

風景のイラストというのは、誰が描いても同じようになり、個性を出すというのは難しいものだと思わされた。

本当は、ウイリアムモリス風の絵になる予定なのに、全くならないのでガッカリとする。

菖蒲の絵一枚にしたって、本当に未熟であり、それらのイラストをモチーフにして、デザインを再構築するとなると、なかなか思うようには行かない。

ギャラって、いくらくらい頂けるものなのかなあと思いながら、仕事を落とすよりは、実績を作るという方向で進めたほうが将来の為だという気はしている。

全く自由に作らせてくれるのだから、やり甲斐はある。

本当に良いデザインのパンフレットが出来たのであれば、そのパンフレットは、次の営業にも使えるし、他のお仕事にもつながるはずなのである。

もし、他の案に負けたのだとすれば、それは、自分の力が足りないからという理由であり、そんなことは、当たり前のことである。

公募展でいくら賞を取ったからといって、印刷屋さんが、仕事を出してくれるとは限らない。

自分の作品を世に出したいのであれば、DTPの勉強なんかもコツコツとして、自分の作品から、デザインを起こせるくらいの力を身に着けなければならないということのようである。

グラフィックデザイナー(今のところ自称なんだけどさ)と名刺に書いてヨカッタぜ。

グラフィックデザインと、イラストレーションの違いというのは、まあ、デザインか、絵かの違いである。

それでも、優れたグラフィックデザインの芸術性は、アート業界の一流どころと並んだとしても、負けたりはしないだろう。

金になっているのだとすれば、そっち(グラフィック)の方がイイに決まっている。

日本イラストレーター協会の会長さんとお会いしたときの話。

オジャラ「最近は、グラフィックデザイナーと名乗ることに」

会長「ふーん。まあ、絵も描けて、グラフィックも出来れば、仕事来るよね」

オジャラ「会長さんも(CG派なので)デザインだってできるんじゃないっすか?」

会長「できるとは思うけどね。結構、(トンボ入れるとか、割付とか)面倒じゃない?」

オジャラ「仕事が来ないよりはマシですよ。アルバイトを探していて解ったんですけど、イラストのニーズはありませんけど、デザインだと、探している会社さんイッパイあるんですよね」

という会話。

イラストをパソコンでHPデータに出来る人であれば、DTPまでマスターして、グラフィックデザインに進むべきだよなあ。

Established 1998 Rica's Bar WEB SITE & Since 2003 Atelier Ojara.

Copyright (C) All Rights Reserved by Rica Ojara.